北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

削蹄工具と鋼(はがね)

当社では牛の蹄を鎌や鉈(なた)で切削します。
この工具の刃先をよく見てみましょう。

写真の工具は、鉄のかたまりを工具らしい形に整えて尖らせたものではなく、よく切れるノウハウを込めて作られています。つまり包丁など同じような構造です。ざっくり言うと、

炭素鋼・・・硬い鉄
軟鋼・・・軟らかい鉄


の2種類の鉄を張り合わせて刃先ができています。
写真右の鉈の刃先が少し黒くなっている部分が硬い鉄の部分で、研ぐと切れ味が増します。
切れ味は作業効率に影響する大切なポイントです!

by SAGA

2014-1-24 Category コラム, 牛コラム | Leave a Comment

おすすめショップのご紹介

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2014-1-17 Category お店, コラム | 1 Comment

とある獣医師の独り言11

あけましておめでとうございます。今年もこのコラムを通して少しでも皆さんに牛について理解していただいて、より多くの牛が健康で快適な生活を送れるようにできるだけ分かりやすいお話ができたらと思いますので、本年もお付き合いをよろしくお願いします。

では、さっそくですが今月は化膿性蹄皮炎と蹄底潰瘍についてお話していこうと思います。実は恥ずかしながら私もつい最近までは両者をよくわからず、混同して覚えていたことがあります。このコラムでは何度も出てきている蹄底潰瘍ですがここでしっかり覚えていただければと思います。

化膿性蹄真皮炎とは
初めて聞く方も多いかと思いますが蹄底から異物、たとえば尖った石、ガラス片、釘などを踏むことにより蹄底に傷をつけ、そこから化膿が蹄真皮に進行していく蹄病です。放牧している農場で雨上がりによくびっこを示すのもこの化膿性蹄真皮炎の事が良くあります(趾間腐乱の方が多いですが)。原因は放牧場までの通路が雨で洗われて表面に尖った砂利が出てくることで、蹄底に傷ができることにより起こります。

蹄底潰瘍とは

図1 ヒトの褥瘡(じょくそう)のでき方



図2 牛の蹄底潰瘍


蹄底潰瘍は人間の褥瘡(じょくそう)の発生とよく似ていると言われています。褥瘡とは、床ずれのことで、専門用語では「圧迫による軟部組織の虚血性壊死(きょけつせいえし)」と定義されています。簡単に言えば寝たきりの人がうまく寝返りできず、骨(特に突起状になった肘やかかと等の骨)と寝具の間で組織が圧迫されて血液の循環障害が起こり、その部分が壊死してしまうことをいいます。(【図1】参照)  

一方、蹄底潰瘍の原因は様々ですが、何らかの要因で蹄骨が蹄真皮を圧迫して蹄真皮が壊死することにより起こります【図2】。ですから両方とも血行障害による組織の壊死と言う内側からの要因という意味でよく似ていると言うわけです。

このように化膿性蹄皮炎は外因性の炎症、蹄底潰瘍は内因性の炎症と言うことがお分かりかと思います。どちらも発生原因は違いますが、炎症と言う意味では同じです。ですから放置すれば化膿が進行して蹄骨を侵食しますし、蹄関節炎にも移行し最悪は断蹄にまで悪化します。

これらの治療の話は来月に回しますが、化膿性蹄真皮炎は原因の異物とその周囲の坑道の除去で済むため比較的簡単に治癒しますが、蹄底潰瘍の場合は蹄骨による真皮の圧迫の原因を撤去しない限り治癒しないもしくは再発を繰り返すため、一般に治り辛いと言われています。たとえば、原因がアシドーシスにあれば飼料の見直しが必要であるし、内外蹄のバランスが原因であれば正しい削蹄の実施が必要であるし、牛が寝ないのが原因であればその原因(ストールの安楽性、暑熱対策など)の追求が必要になります。

他の蹄病にも言えることですが、われわれ獣医師が関与できるのは治療の部分でしかありません。蹄病を防ぐには酪農家さんの毎日の牛の観察と削蹄師さんの正しい削蹄にかかっていると言えるでしょう。

来月は蹄底潰瘍の治療についてお話していきたいと思います。

by とある獣医師

年頭のご挨拶


新年あけましておめでとうございます。
年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨年中は格別のご厚情を賜り、誠に有り難うございました。
本年を迎えられたのは、畜主様のご理解、獣医師の協力、削蹄師の絆、関係者様のお力添え、
皆様のご協力あってのものだと思います。
『牛の気持ちになって』の基本を大切に、地道に、ひとつずつ、
出来る事から取り組んで参ります。
本年もスタッフ一丸となり、これまで以上に邁進して行く所存です。
本年も変わらぬお引き立てのほど宜しくお願い申し上げます。

菅原洋充

2014-1-2 Category コラム, 当社 | Leave a Comment

牛の適温域は?

牛は牛革を身にまとっているので寒さに強い印象です。
では牛の適温域はどのくらいでしょうか?
(下表参照)

意外と繁殖牛は-10℃と強いですが子牛は寒さには弱いですね。
では子牛が寒さに弱い要因は?

・子牛は親牛に比べ皮下脂肪が少ないから、寒さに弱い
・体重が小さい割には体表面積が広いので、体表面からの発熱が多い
・第1胃は発酵槽(第1胃内部の温度は約40℃)とかなり暖かいのですが、子牛の第1胃は発達していないので、体内からの発熱が少なく寒い


といった要因があります。





育成牛の高温は30℃までなので、やはり厚い牛革があると夏バテしてしまうのですね(^^;)

by SAGA

参考資料:鹿児島県、防寒対策の徹底を(特に子牛に)
写真素材:Photo index

2013-12-19 Category コラム, 牛コラム | Leave a Comment

平成25年度海外悪性伝染病防疫研修会に出席しました

先月11月29日に札幌市北海道獣医師会館にて「平成25年度海外悪性伝染病防疫研修会」が開催され出席しました。
研修会の内容をレポートします。

■北海道獣医師会館前にて。豊富町竹田削蹄師(写真右)も道北地区から出席しました。


■北海道獣医師会会長兼、北海道家畜畜産物衛生指導協会副会長 髙橋徹氏の挨拶。


■講演Ⅰ
「バイオセキュリティによる疾病予防」
農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
寒地酪農衛生研究領域長(北海道支所長) 恒光 裕氏の講演です。




バイオセキュリティとは「病原体の進入及び拡散を防ぐための管理技術」です。


原理として、
・農場への病気の侵入防止
・農場内での病気のまん延防止
・動物における抵抗力の増強

です。


農場への進入防止として「ヒト・家畜(牛)・餌」を対策する必要があります。
農場内での病気のまん延防止として「清掃・洗浄・消毒」が必要とされます。
動物における抵抗力の増強として抵抗力の増強すなわち「栄養・ワクチン・ストレスの除去」が必要です。


海外悪性伝染病とは
・平常時には存在しない感染病であり、発生は突発的で、急速かつ広範囲に伝播する。
・致死量が高く、直接的な経済被害が大きい。
・国際貿易ルールに基づき畜産物の貿易が規制されるため、地球規模の経済活動に多大な影響を及ぼす。

とされます。

代表的な海外悪性伝染病は「口蹄疫」です。
口蹄疫が入ってくる原因は、人または畜産物とは関係のない物が挙げられます。



■講演Ⅱ
「家畜伝染病発生時の防疫措置について」
北海道石狩家畜保健衛生所 専門員 山之内 健氏の講演です。


口蹄疫とは偶蹄類動物に感染する病気で、
潜伏期間は牛で平均6.2日、豚で平均10.6日です。
伝播は接触(飛沫感染)、生産物、汚染物品です。
そして治療法が無く伝播力が非常に強いのが特徴です。

最近の日本では平成22年4月~7月に宮崎県で発生しました。
殺処分を経て平成23年2月5日に清浄国に復帰しました。


発症すると蹄冠部皮膚のびらん等目視確認できます。


口蹄疫防疫は常にスピードと連携で対処します。






感染牛が発見された場合、牛の殺処分と埋却、畜舎内等の消毒を行い徹底的な防疫を行います。








作業者の防疫衣も徹底的に管理されます。






車両や持込物品からの感染が考えられます。
進入や取り扱いにも十分に対策します。





■実習
「防疫衣の着脱手技について」
北海道石狩家畜保健衛生所 川島獣医師、永井専門員による実習です。


正しい防疫衣の着用方法です。


ウィルスが付かないよう装着方法は重要です。




防疫服は2枚着使用します。






手袋も2着使用し、長靴の衣類の繋ぎ目もガムテープで塞ぎます。






次に防疫衣を脱ぐ手順となります。衣類の外側に触れぬよう慎重に行います。




■北海道家畜畜産物衛生指導協会 専務理事 武内 弘之氏の挨拶です。


全道各地から集まった削蹄師が正しい知識を身につけ防疫技術を学びました。
今後の行動に反映し、正しい防疫を行います!

by WASHIMI

2013-12-13 Category コラム, 講習会 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言10

今月は先月に続き白線病の後半のお話をしたいと思います。【図1】の2、3、4の部位に白線病ができた場合には蹄鞘と蹄骨の間が狭く、膿が広がる隙間が少ないため、強烈な跛行(びっこ)を示す話は前回もしました。

【写真1】は白線部に出血跡が見られそこを削切していくと排膿が見られた写真です。この場合は膿を排出させた後、坑道が形成された角質を丁寧に除去することにより治癒します。【写真2】参照





また、蹄尖部にできた白線病を放置しておくと、蹄真皮(A)が広範囲に破壊され蹄骨(B)が露出してしまうことがあります。【写真3】を参照

このような場合は黒く見えている蹄真皮を出血するまで削り新鮮な肉を露出させ(デブリドマンといいます)、さらには蹄骨も同様に変色している部分を削り白い骨を露出させます。傷の治癒には血液が必須なため、荒療治に思えるかもしれませんが重要です。

そして最も重要なことは健康な方の蹄(【写真3】では右の蹄)に蹄ブロック(下駄)をつけ患部に負重させないようにすることです。傷はぶつけることにより炎症が広がるため、反対側の蹄を高くすることで床に当たらないようにしてあげることで治癒を促進します。

これは白線病に限ったことではなく、すべての蹄疾患に言えることです。



また、白線病を見つけ角質の除去と排膿によって一時的に跛行が改善されても一週間後に再発することが良くあります。そのような蹄を再検査すると【写真4】のように黒っぽい肉芽組織が飛び出している事があります。



また蹄冠部のあたりが赤くはれ上がっているのが分かると思います。これは坑道の角質(変質した角質)の除去が不十分なために起こる症状で、治すためには飛び出した肉を切除し、角質を【写真5】のように広く削切する必要があります。この際にも蹄ブロックの装着は非常に有効です。



白線病はただでさえ他の蹄病より治癒に時間が係るうえに放置しておくと深部感染を起こし抗生物質による治療さらには断蹄が必要となることしばしばです。

【写真6】はとう嚢、とう骨、屈腱まで化膿が波及している写真です。こうなる前に治療を開始したいものですね。
どの蹄病にも言えることですが蹄病は早期発見、早期治療が大原則です。

今回も写真はすべて牛のフットケアガイドより引用しました。

by とある獣医師

第16回 護蹄研究会に出席しました

毎年2月に開催している蹄に関するフォーラム「護蹄研究会」。
今年は11月16日に大阪で開催され出席しました。
場所は大阪国際会議場(グランキューブ)です。




そして今年は、これまでの護蹄研究会という一つのくくりではなく、
第34回動物臨床医学会年次大会の産業動物医学フォーラム一般講演の中で、護蹄研究会の一般演題の発表が行われました。

フォーラム内容は下記プログラムです。
■一般口演
牛乳の蹄骨炎を伴う蹄尖潰瘍の4症例 中村 聡志(NOSAIオホーツク 遠軽家畜診療所)
蹄病現地検討会を利用した蹄病治療 玉川 朋治(NOSAI広島 東広島家畜診療所)
など。

■護蹄研究会
ジャパン・メソッドその原理と原則 眞鍋 弘行(削蹄塾わたりがらす)
蹄病の国際問題 -英国Bristol第17回国際蹄病学会から- 吉谷 一紀(千葉県農業共済組合連合会北部家畜診療所)



蹄の知識を吸収し、さらなる技術の向上に努めます!

by sugaWara

2013-11-26 Category コラム, 講習会 | Leave a Comment

第55回全国牛削蹄競技大会に出場しました!

全国一の削蹄師を決める「全国牛削蹄競技大会」、
今年は10月25日に茨城県鯉淵学園農業栄養専門学校にて開催されました。
各都道府県の予選を勝ち抜いた選手が本大会に挑みます。

北海道ブロックは8月に開催された「第20回北海道ブロック牛削蹄競技大会」で4位入賞を果たした当社菅原が全国大会への切符をつかみました。

その様子をレポートします。

■当社菅原が選手宣誓を行いました!


■はじめに牛削蹄判断競技です


■次に牛削蹄競技です




大会結果発表です!

最優秀賞
深見 哲久 (鹿児島県牛削蹄事業連絡協議会)

優秀賞
有留 寛之 (鹿児島県牛削蹄事業連絡協議会)

第三位
中野目 正明 (福島県牛削蹄師会)

おめでとうございます!
当社菅原は残念ながら入賞は果たせませんでした。
ですが来年も頑張りますのでぜひご期待ください。

by WASHIMI

2013-11-20 Category コラム, 削蹄師会 | Leave a Comment

削蹄通信Vol.6号発行しました!



お待たせしました。
年2回発行の当社削蹄通信Vol.6を発行しました。

今回も牛の情報から当社の紹介まで充実の内容です。
順次畜主様、関係機関へお渡しとなりますのでよろしくお願いします!

by WASHIMI

2013-11-14 Category 最新情報 | Leave a Comment

2024 菅原道北削蹄所|北北海道を幅広くエリアカバーする牛削蹄所です . | Blue Weed by Blog Oh! Blog