北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

乳製品の『記念日』

先日、インターネットを見ていたら乳製品の記念日がありましたのでご紹介します。



5月9日
アイスクリームの日

5月15日
ヨーグルトの日

6月1日
牛乳の日

9月6日
生クリームの日

11月11日
チーズの日


乳製品にも記念日があるんですね。
ぜひ、記念日には記念日の乳製品を食べてお祝いするのも良いかもしれませんね♪

参考文献:一般社団法人 Jミルク
写真素材:一般社団法人 Jミルク

byRIMU

2014-9-27 Category コラム, 牛コラム | Leave a Comment

とある獣医師の独り言19



秋です。宗谷にも待ちに待った鮭釣りのシーズンがやってきました。このように竿がずらりと並ぶとむずむずし出します。この時期は全道各地から鮭を求めてたくさんの人が集まります。中にはテントで寝泊まりしたり、車中泊をしながらシーズン終了まで釣り三昧の人もいるようですが、我々勤め人は休みの日を今か今かと心待ちにしています。早くコラムを書きあげて仕掛けの準備をしなきゃ(笑)。

今月は飼料成分別のルーメン微生物の利用法についてお話しします。飼料成分は大まかに炭水化物(糖質や繊維)、タンパク質、脂質に分けられます。


①炭水化物の代謝
炭水化物はルーメンの細菌の利用のしやすさ(分解速度の速さ)から易発酵性(いはつこうせい)基質と難発酵性基質に分けられます。易発酵性基質はいわゆる糖質と呼ばれる糖類やデンプンのことで、難発酵性基質とは食物繊維のことです。牛はルーメン内の微生物によってセルロースやヘミセルロースのような食物繊維も分解してグルコース(ブドウ糖)やキシロースとして利用しているのです。チモシーを例に考えると、チモシーの易発酵性基質は10%程度しかなく、半分以上は難発酵性基質となります。人間では1割しか栄養にならないものを牛が食すると6割以上を食料として利用できることになります。
またルーメン細菌は基質の利用性によってセルロース分解菌、デンプン分解菌、ヘミセルロース分解菌などに分けられます。一般的にセルロース、ヘミセルロースなどの繊維からは酢酸が合成され、これは乳脂肪となります。また、デンプンや糖類などの糖質からは乳酸が生成され、乳酸は乳酸分解菌によってプロピオン酸に合成されます。このプロピオン酸は酢酸や酪酸を産生するよりエネルギーロスが少ないため(話が難しくなるのでその理由についてはここでは話しません。決してわかんない訳じゃないですよ。念のため。)、牛が利用できるエネルギーが増えることにより乳量が増えることになります。このことは非常に良いことに思えますが、デンプンが乳酸利用菌の処理能力を超えて供給 されてしまうと、乳酸によるルーメンアシドーシスへと繋がっていきます。

②タンパク質の代謝
タンパク質はルーメン細菌でペプチドやアミノ酸、さらにアンモニアや有機酸まで分解されます。この分解物から新たにタンパク質が合成される話は以前にもしましたが、ルーメン細菌で最も特徴的な事はアンモニアからでもタンパク質を合成できる菌が存在すること事です。タンパク質の多給によりルーメン内でのアンモニア生成速度が利用速度を上回った場合は、ルーメン壁からアンモニアが吸収されルーメンアルカローシスとなります。症状としては食欲減退、削瘦、繁殖障害などアシドーシスとよく似ています。タンパク質給与の指標と言われるのがMUNで一般的に10~15mg/dlが正常値だと言われていますが、炭水化物の給与状況やルーメンの細菌との兼ね合いなので一概に高値だから多給、低値だから少給とは言えないと思います。たとえば、アシドーシスでルーメン細菌が減少していればアンモニアは利用されず高値を示しますが、決してタンパク質の多給ではないですし、逆にルーメンの状態が良ければ低値を示しても特に問題は無い訳です。すべては牛の糞の性状や腹の張りなど健康状態を見ながら総合的に判断するべきです。

③脂質の代謝
 脂質はほぼ90%ルーメン微生物によって分解され脂肪酸とVFA(ほぼプロピオン酸と酪酸)に分解されます。脂肪は多給すると細菌自体がコーティングされルーメンの発酵が悪くなると言われています。

今月はルーメン内での飼料の代謝について少し掘り下げてお話ししました。今月もお付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

第21回北海道ブロック牛削蹄競技大会レポート

平成26年9月1日・2日の二日間にわたり江別市 永田牧場で開催された、第21回北海道ブロック牛削蹄競技大会。
フォトで大会の様子をお伝えします。






















その後場所を移し懇親会が行われました。
























そして2日目。競技当日を迎えました。
天候に恵まれた中、競技大会が始まりました。




選手宣誓は江別市 東海林 優さんです。


単独保定の競技です。
























枠場保定の競技です。
























結果発表です。






単独保定の部
優勝 北見市 佐野 正


枠場保定の部
優勝 北見市 竹内 秀二郎


枠場保定の部
準優勝 中札内村 鳥倉 哲也


枠場保定の部
3位 清水町 松井 克広


単独保定の部(写真左から)
優勝 北見市 佐野 正
2位 七飯町 宅見 慎吾
3位 名寄市 倉口 亮太
4位 江別市 東海林 優

当社倉口が3位入賞しました!
1位から4位までの選手が11月に行われる全国大会へ出場できます。



皆様おつかれさまでした。

by RIMU

2014-9-2 Category コラム, 削蹄師会 | 3 Comments

牛柄トラックと削蹄枠の色塗りをしました

牛柄トラックと削蹄枠の色塗りをしました。
















定期メンテナンスも無事完了。
牛柄トラックが削蹄枠と一緒に北の大地北海道を駆け巡ります!

by RIMU

2014-8-29 Category コラム, 当社 | 1 Comment

牛削蹄判断講習会に参加しました

平成26年8月3日(日)9:00~
開催場所:帯広畜産大学 主催:北海道牛削蹄師会
講師:小出 廣春氏による削蹄判断講習会に参加しました。
小出氏(神奈川県牛削蹄師会々長)は日本装削蹄協会 技術検討委員会牛削蹄部会 委員長です。






















photo by RIMU

2014-8-18 Category コラム, 講習会 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言18

人間を含めた多くの動物と牛を含めたいわゆる反芻獣とは消化の機能が大きく異なります。非常に大雑把に言わせてもらうと、人は歯で食べ物を噛み砕いてから、胃で消化液の影響を受けてさらに細かくして、小腸で吸収されます。一方牛は歯で噛み砕くまでは同じですが、食べ物そのものから直接栄養を吸収することは非常に少なく、一胃に代表される前胃の微生物を利用した消化が行われます。昔から言われる『牛飼いは虫飼い』とはうまい表現だと思います。一胃の状態が悪化は乳量の維持どころか牛の生命維持すら難しくなってくるわけです。今月からはこの反芻獣だけが持つ素晴らしい消化システムをいろんな側面からできるだけわかりやすくお話ししていこうと思いますので、お付き合いをよろしくお願いします。
生物が自分の体を成長させ維持していくためには、食物を食べて消化をし、栄養を吸収することが必要です。吸収するためには食べた物をできるだけ小さくして吸収しやすくする必要があります。それが消化です。一般に消化は機械的消化と化学的消化に分けられます。機械的消化は咀嚼(そしゃく、噛む事)や蠕動(ぜんどう、消化管を動かして食べ物を後に運ぶ事)など機械的に食べ物を小さくすることです。一方化学的消化は胃酸による融解やアミラーゼやペプシーノゲンに代表される消化酵素による分解によって化学的に食べ物を小さくすることです。
牛を代表とする反芻獣の消化管の特徴としては先ほども述べましたが、人の胃に相当する四胃の前に3つの前胃が存在することです。前胃である一胃や二胃には微生物が無数に存在し、これらの微生物は飼料を分解する酵素を作り、飼料を分解します。(三胃にも微生物が存在しますが胃壁が襞(ひだ)状になっていて、その襞ですりつぶす機械的意義が強いとされています。)つまり、一胃、二胃では消化酵素は出ていませんが、ルーメン微生物によって四胃と同様に化学的分解が行われているわけです。このルーメン微生物による化学的分解はルーメン発酵と言われます。ルーメン発酵の結果として微生物は増殖し、増えた微生物は四胃以下で消化、吸収されて牛の貴重なタンパク源となります。またルーメン発酵によって揮発性脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)を代表とする発酵生成物をルーメン内に放出し、牛はそれをルーメン表面の絨毛を介して吸収して自らの栄養源とするのです。要するに、牛のタンパク源はルーメン微生物の体タンパク、牛のエネルギー源はルーメン発酵の発酵生成物なのです。このようにルーメン微生物無しでは牛は飼料を利用できない生き物なのです。微生物だけであの大きな体を維持しているなんてすごい生き物ですよね。
次回はその微生物についてもう少し掘り下げていきます。

根室牛削蹄師会に参加して

平成26年7月26日(土)09:00~
根室牛削蹄師会主催『亀井規佳氏による削蹄セミナー』に参加してきました。
亀井氏は、ロシア、メキシコ、スペインなどで講演会を行っており、
アメリカ、カナダの多くのショウカウを手掛けている削蹄師です。





photo by sugaWara

2014-8-7 Category コラム, 講習会 | Leave a Comment

牛の奇妙で困った習性

牛は細長いものを飲み込んでしまうという困った習性があります。例えば、鉛筆やペン、釘、針金など、細く長いものだったら何でもかんでも飲み込んでしまいます。どうしてこのような習性があるかははっきりしていませんが、もし、釘のようなものを飲み込んでしまって、お腹の中で刺さってしまったら大変です。そこが第2胃だったら、すぐとなりに横隔膜、さらに心臓があるので、心臓を傷つけてしまうことになり、命取りにもなりかねません。このような疾病を、創傷性横隔膜炎または創傷性心膜炎といいます。この病気になった牛は、痩せてしまい、泌乳量も乳質も低下してきます。
 軽度なものなら胃の中に強力な磁石などを入れて、突き刺さっているものを取り除くこともできますが、たいていは治療の施しようがないので、廃用にするしかないようです。
 予防のため、普段から胃の中に強い磁石を入れる、または牛のまわりに釘や針金などを置かないように注意する事が大切ですね。
ちなみに、当社の社員が、頭に巻いているタオルが牛さんに食べられてしまったという事件が過去に一度だけありました。


参考文献:畜産ZOO鑑
写真素材:Rhodesian diary (マークのポンコツ写真館)

by EITARO(sato)

2014-7-31 Category コラム, 牛コラム | Leave a Comment

牛フットセミナーが名寄にて行われました。

酪農及び肉用牛経営における生産性向上を図るため、蹄病予防等対応フットケア普及推進事業の一環で
平成26年度牛フットケアセミナー 北海道開催が、7月17日(木)に、主催:公益社団法人 日本装削蹄協会、
北海道牛削蹄師会協力のもと、名寄市の産業高校 名農キャンパスで行われました。
これまでの事業で得られた削蹄効果の検証成績などを活用した護蹄管理の重要性を普及啓蒙する事業となりました。

■当社菅原は削蹄講師として出席しました。






■北海道牛削蹄師会長 阿部優氏の挨拶。



■日本装削蹄協会 服部 調査役



■日本装削蹄協会 田島 部長



■日本装削蹄協会 大沼講師によるセミナー


■当社菅原による実演削蹄






■写真左 当社倉口









■枠場を使用し 名寄産業高等学校 生徒さんによる削蹄体験















名寄産業高等学校 大橋先生、福原先生 開催までの準備、ご協力ありがとうございました。


byRIMU

2014-7-22 Category コラム, 講習会 | 2 Comments

とある獣医師の独り言17

六月も後半に入りやっと気温の上昇とともに天気も落ち着き、牧草の刈り取り作業も佳境に入ってきましたね。酪農家の皆さんは一年で一番で大切な時期で大変だとは思いますがこの時期の辛抱で一年の牛の状態が決まる最も大事な時期です。頑張ってください。

さて、本題ですが人間を含めた多くの動物と牛を含めたいわゆる反芻獣とは消化の機能が大きく異なります。非常に大雑把に言わせてもらうと、人は歯で食べ物を噛み砕いてから、胃で消化液の影響を受けてさらに細かくして、小腸で吸収されます。一方牛は歯で噛み砕くまでは同じですが、食べ物そのものから直接栄養を吸収することは非常に少なく、一胃に代表される前胃の微生物を利用した消化が行われます。昔から言われる『牛飼いは虫飼い』とはうまい表現だと思います。一胃の状態が悪化は乳量の維持どころか牛の生命維持すら難しくなってくるわけです。今月からはこの反芻獣だけが持つ素晴らしい消化システムをいろんな側面からできるだけわかりやすくお話ししていこうと思いますので、お付き合いをよろしくお願いします。

生物が自分の体を成長させ維持していくためには、食物を食べて消化をし、栄養を吸収することが必要です。吸収するためには食べた物をできるだけ小さくして吸収しやすくする必要があります。それが消化です。一般に消化は機械的消化と化学的消化に分けられます。機械的消化は咀嚼(そしゃく、噛む事)や蠕動(ぜんどう、消化管を動かして食べ物を後に運ぶ事)など機械的に食べ物を小さくすることです。一方化学的消化は胃酸による融解やアミラーゼやペプシーノゲンに代表される消化酵素による分解によって化学的に食べ物を小さくすることです。
牛を代表とする反芻獣の消化管の特徴としては先ほども述べましたが、人の胃に相当する四胃の前に3つの前胃が存在することです。前胃である一胃や二胃には微生物が無数に存在し、これらの微生物は飼料を分解する酵素を作り、飼料を分解します。(三胃にも微生物が存在しますが胃壁が襞(ひだ)状になっていて、その襞ですりつぶす機械的意義が強いとされています。)つまり、一胃、二胃では消化酵素は出ていませんが、ルーメン微生物によって四胃と同様に化学的分解が行われているわけです。このルーメン微生物による化学的分解はルーメン発酵と言われます。ルーメン発酵の結果として微生物は増殖し、増えた微生物は四胃以下で消化、吸収されて牛の貴重なタンパク源となります。またルーメン発酵によって揮発性脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)を代表とする発酵生成物をルーメン内に放出し、牛はそれをルーメン表面の絨毛を介して吸収して自らの栄養源とするのです。要するに、牛のタンパク源はルーメン微生物の体タンパク、牛のエネルギー源はルーメン発酵の発酵生成物なのです。このようにルーメン微生物無しでは牛は飼料を利用できない生き物なのです。微生物だけであの大きな体を維持しているなんてすごい生き物ですよね。

次回はその微生物についてもう少し掘り下げていきます。

写真素材:無料写真素材 輪(りん)

by とある獣医師

2014-7-13 Category コラム | Leave a Comment

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