北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

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photo by RIMU

2019-2-6 Category rimu, 風景フォト | コメントは受け付けていません。

とある獣医師の独り言59

生き物が生活するためには食事から栄養を得るわけですが、それを役割から炭水化物、たんぱく質、脂質、無機質、ビタミンの五種類に分けられます。これを総称して五大栄養素と言います。これらが生きていく上で必要なのは人間でも牛でも犬でも変わりはありません。ただ、人や犬はたんぱく質として肉を食べますが牛は肉を食べません。人や犬はご飯やパンを食べますが、牛も多少トウモロコシなどを食べますがあの体を維持するほどの量は食べません。牛は我々が食物繊維としてしか利用できない “草”しか食べなくても炭水化物とタンパク質を賄うことができる非常に優れた生き物です。高水分サイレージとSARAについてお話しする前に過去にもこのコラムでお話していますが、もう一度牛の炭水化物とたんぱく質の消化について人と比較しながらおさらいしておきましょう。

炭水化物の消化(人の場合)
炭水化物はブドウ糖がたくさんくっ付いた形です。これを酵素などの働きを借りて最終的にブドウ糖にまで分解して体に吸収させるのが炭水化物の消化吸収です。人は米やパンなどの炭水化物を食べると口の中で咀嚼することで唾液と混ざり、唾液の中の消化酵素、唾液アミラーゼによってデキストリン(ブドウ糖の重合体、炭水化物より小さい)に分解されます。これが胃に流れますが、胃には炭水化物を消化する酵素が無いのでそのまま十二指腸に流れ込み十二指腸で膵臓からの膵アミラーゼで更に分解され、その後、最終的に小腸でマルターゼやスクラーゼの作用を受けてブドウ糖に分解され腸壁から吸収されます。
通常は吸収されたブドウ糖は筋肉や肝臓に取り込まれそこで利用され、残りは貯蔵し、さらに余った分は脂肪細胞に取り込まれ中性脂肪として蓄積されます。このブドウ糖の吸収に必要なホルモンがインスリンです。ですからインスリンが正常に出なくなると臓器に取り込まれずに血糖値が上昇し糖尿病を発症することになります。

次回は牛の炭水化物の消化吸収をおさらいしましょう。

byとある獣医師

とある獣医師の独り言58

新年あけましておめでとうございます。しばらくこのコラムをお休みしておりましたことをお詫びいたします。また少しずつ更新していこうと思っていますので、お暇なときにでもお付き合いをお願いします。
さて、平成も残すところあと4か月となりました。この平成と言う時代は乳牛にとって非常に過酷な時代でした。泌乳期には乳量を増やすために粗飼料を減らし、濃厚飼料を多給される。乾乳期には稼がないからと言って濃厚飼料は与えられず、質の悪い粗飼料のみが与えられる。このような管理で牛が一年を通してまともに餌を食べられるわけもなく、病気や繁殖率の低下などでどんどんと淘汰され、牛の平均産次数が3産を切った農場も多くありました。しかし、ようやく平成も終わる最近になって乳牛に合った飼養管理と言うものが考えられるようになって、少しずつではありますが病気が減り、長命多産を目指せる状況になってきました。相変わらず乳代も個体販売も肉値も高止まりが続いています。こんな時こそ病気を減らして、牛を健康に保つことこそが肝要です。『このコラムを通して経営安定化を』とまで大それたことを言おうは思っていませんが、少しでも病気を減らすために役立てていただければと思っております。
ここ数年は温暖化の影響なのか私が診療している宗谷地方では夏場の粗飼料収穫時期に長雨が続く傾向があります。その影響でサイレージの水分が高い状況が続いています。この高水分サイレージを食べることによってSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)を起こすやすくなります。なぜでしょうか。来月からは手始めにそこをお話ししようと思います。

byとある獣医師

2019-1-7 Category とある獣医師の独り言, コラム | コメントは受け付けていません。

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