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とある獣医師の独り言10

今月は先月に続き白線病の後半のお話をしたいと思います。【図1】の2、3、4の部位に白線病ができた場合には蹄鞘と蹄骨の間が狭く、膿が広がる隙間が少ないため、強烈な跛行(びっこ)を示す話は前回もしました。

【写真1】は白線部に出血跡が見られそこを削切していくと排膿が見られた写真です。この場合は膿を排出させた後、坑道が形成された角質を丁寧に除去することにより治癒します。【写真2】参照





また、蹄尖部にできた白線病を放置しておくと、蹄真皮(A)が広範囲に破壊され蹄骨(B)が露出してしまうことがあります。【写真3】を参照

このような場合は黒く見えている蹄真皮を出血するまで削り新鮮な肉を露出させ(デブリドマンといいます)、さらには蹄骨も同様に変色している部分を削り白い骨を露出させます。傷の治癒には血液が必須なため、荒療治に思えるかもしれませんが重要です。

そして最も重要なことは健康な方の蹄(【写真3】では右の蹄)に蹄ブロック(下駄)をつけ患部に負重させないようにすることです。傷はぶつけることにより炎症が広がるため、反対側の蹄を高くすることで床に当たらないようにしてあげることで治癒を促進します。

これは白線病に限ったことではなく、すべての蹄疾患に言えることです。



また、白線病を見つけ角質の除去と排膿によって一時的に跛行が改善されても一週間後に再発することが良くあります。そのような蹄を再検査すると【写真4】のように黒っぽい肉芽組織が飛び出している事があります。



また蹄冠部のあたりが赤くはれ上がっているのが分かると思います。これは坑道の角質(変質した角質)の除去が不十分なために起こる症状で、治すためには飛び出した肉を切除し、角質を【写真5】のように広く削切する必要があります。この際にも蹄ブロックの装着は非常に有効です。



白線病はただでさえ他の蹄病より治癒に時間が係るうえに放置しておくと深部感染を起こし抗生物質による治療さらには断蹄が必要となることしばしばです。

【写真6】はとう嚢、とう骨、屈腱まで化膿が波及している写真です。こうなる前に治療を開始したいものですね。
どの蹄病にも言えることですが蹄病は早期発見、早期治療が大原則です。

今回も写真はすべて牛のフットケアガイドより引用しました。

by とある獣医師

One Response to “とある獣医師の独り言10”

  1. sugaWara

    とある獣医師さん
    コラムいつも有難うございます!

    次回は実技を是非ご一緒させてください!
    楽しみにしています。



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