Hokkaido Photo 4/30
Nikon D5000 Nikon AF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G
photo by RIMU
札幌にて
Nikon D5000 Nikon AF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G
photo by RIMU
札幌にて
平成26年4月25日(金) 札幌の京王プラザホテルにて行われました。
総会前の削蹄研修会では、『乳牛の肢蹄の実態と改善に向けて』と題しまして、
根室農業改良普及センター 主査 吉田忠様より講演があり、改めて肢蹄の大切さと
ルーメンアシドーシスと蹄の関連性を知ることができました。
そして、総会終了後の懇親会結びの挨拶は、なんと当社の松原駿くん!!
緊張していましたが、掛布~、バース、金本~、の掛け声の中しっかりと勤め上げました!
photo by rimu
Nikon D5000 Nikon AF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G
photo by RIMU
幌延町にて
今回は、全国乳用飼育頭数です。
現在、全国では約1.423.000頭の牛が飼育されています。
都道府県別でトップ3は何処でしょうか??
[平成25年2月1日調査]
第1位 北海道 約806.800頭
第2位 栃木県 約53.500頭
第3位 岩手県 約45.500頭
北海道は全国で56%を占める乳用飼育数なんです。
さすがは、でっかいどう!!
酪農王国北海道ですね。
ちなみ世界では約131885(千頭)で、インドでの飼養頭数が30%以上を占めています。
話しがずれますが、全国の牛乳生産量は北海道がだんとつで、全国生産量の約半分は北海道です!
さすがは北海道!!
参考データ:農林水産省
写真素材:牧場の牛の写真素材
bySAGA
Apple iPhone 5
photo by SHUN
兵庫県にて
Nikon D80 Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
photo by sugaWara
Apple iPhone 5
photo by SHUN
兵庫県にて
4月ですね。今年は春が早いような気がしますが、皆さんのところではどうですか?早く雪が溶けて、桜が咲いて、花見で一杯と行きたいですね。
さて、さっそくですが今回はPDDについてお話したいと思います。
写真 1 典型的な趾皮膚炎の病変
写真 2 毛のような皮膚の増殖を伴った趾皮膚炎
PDDはPapillomatous=いぼ状のできもの、Digital=指や趾、Dermatitis=皮膚炎の頭文字をとったもので、日本語では、いぼ状皮膚炎とか趾皮膚炎と訳されます。またDDと略されている本も有ります。(写真1、2)
PDDは1970年代にイタリアで初めて報告された蹄病で、その後全世界に広まり最近では日本全国に広まってしまいましたが、私が就職した17年くらい前には宗谷ではほとんど発生が見られず(私が不勉強だったせいかもしれません)、その後数年で一気に広がってきたという印象があります。その就職当時、オホーツク方面の同期の獣医師から『趾皮膚炎って知っているか?大して酷そうな病変ではないんだけど、痛みがすごくてしかも伝染性がすごい蹄病があるんだぞ。まだ見たことないならオホーツク方面の牛を導入するときは気をつけた方がいいぞ。』なんて言われたのを未だに覚えています。(オホーツクの方々ごめんなさい。)
このようにPDDは伝染力が非常に強く、PDDに罹患した牛を導入することにより汚染された土壌やスラリーを介して、牛から牛へと感染が広がっていきます。また、痛みも非常に強くPDDに罹患した牛は乳量が30~45%減少するという報告も有ります。
写真 3 趾皮膚炎の顕微鏡画像(糸くず状に見えるものがトレポネーマ)
PDDの原因菌については未だにはっきりしてはいませんが、トレポネーマと言う細菌が病変の形成の主役を担っていると考えられています。(写真3)
トレポネーマは人の歯周病の原因菌と類似していると言われており、どちらも慢性の炎症を起こす細菌という点でも共通しています。ただPDDはトレポネーマ単独で起こるものではなく、ある環境下で他の細菌と競合して発症させると言われています。つまり不衛生でドロドロの牛床では蹄球や趾間にスラリーがこびりつきます。そうすると趾の皮膚はスラリーの水分やアンモニアでふやけたり、細菌で傷んだりします。そこにスラリーの中で増殖したトレポネーマが傷から侵入し病変を形成するのです。
ここで重要なのはすべての牛が同じ環境にいたからといって、同様に発症する訳ではないということです。その環境にいる牛の免疫状態や乳期、年齢などにより発症のしやすさが決まるらしく、一般に初産牛が最も発症しやすいと言われています。
また正常な牛の皮膚には外界から感染を守るバリアー機能があります。勿論このバリアーは趾皮膚にもあるため、健康な牛にはトレポネーマを感染させてもPDDは発症させることはできません。このバリアーにはビタミン(代表的なものとしてビタミンHといわれるビオチン)や微量ミネラル(亜鉛など)によって維持されています。このビオチンは亜鉛と競合して爪や皮膚などの蛋白質を合成するという重要な役割を担っています。牛の場合はビオチンに限らずビタミンの多くをルーメン内の細菌が作り出すことができます。しかし牛がルーメンアシドーシスになり、ルーメン内の細菌が減少している場合にはビオチンが作られずこのバリアー機能を発揮させることができません。つまり容易にトレポネーマの感染が成立するという訳です。さらにルーメンアシドーシスによる軟便はトレポネーマの増殖しやすい環境を作りやすくしてしまいます。やはり牛のルーメンアシドーシスは百害あって一利無しって事ですね。
次回もPDDについてお話します。
今回の写真はテレビドクター3から引用させていただきました。
by とある獣医師