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牛乳の栄養的特性と摂取効果について

■牛乳は「体にいいのか?」~牛乳の機能性~
2012年に農畜産業振興機構が幅広い年齢層の3,200人を対象とした牛乳摂取に関するアンケート調査の中で、およそ半数が「牛乳には、カルシウムやたんぱく質など体に必要な栄養素がバランス良く含まれている」ということを聞いたことがあると答えました8)。また、「牛乳にはカルシウムの吸収を助けて骨粗しょう症を防ぐ成分が含まれている」、「牛乳に含まれるカルシウムは、骨を丈夫にし、子どもの身長の伸びを助ける」ということも約4割が耳にしているとのことです。小学校などの若年時から牛乳の摂取が習慣化し、同時に栄養教育なども十分にされた結果なのでしょう。多くの消費者にとって、牛乳摂取は単にのどが渇いたから、あるいは料理の原材料だからというのみにとどまらず、「必要な栄養素の補給効果」、「カルシウム補給による骨粗しょう症の予防効果」、そして「子どもの身長をより伸ばす効果」をも期待していると考えられます。これらを含めて、いくつか牛乳・乳製品について健康効果を紹介したいと思います。

(1)必要な栄養素の補給・バランス補正効果
1杯(200ml)の牛乳には138kcalのエネルギーがあります。このエネルギーは成人女性(18~29歳、身体活動レベルI)の1日に必要な推定エネルギー量1,700kcalの約8%に相当します。牛乳は、分刻みで時間に追われるような忙しい社会生活の中にある社会人にとって、手軽に補える適度なエネルギー補給源としての有力な選択肢のひとつです。1日の活動が開始する前に、規則正しく朝食と牛乳を摂ること、それは、働く者にとっての一日の活力、重要なエネルギーの補給となります。
われわれヒトが食事として取り込んだたんぱく質は、栄養成分として吸収され、臓器、筋肉、あるいは皮膚など、体を構成する成分として用いられます。また、生体の代謝に必要な体内酵素・ホルモンもたんぱく質でできています。牛乳には約3.3%のたんぱく質が含まれています。摂取する食品中に含まれるたんぱく質が良質かどうか判断する際に用いられる指標として、“アミノ酸スコア”があります。生体を形成するために摂取しなければならないアミノ酸(たんぱく質のもと)の含有率をもとにした指標で、牛乳は全卵や大豆などと共に最高値の100を示します。ちなみに炭水化物の代表である精白米や小麦は主食となることが多い反面、アミノ酸のうち「リジン」が割合として少なく、アミノ酸スコアが低値を示します。リジンは体内では合成できない必須アミノ酸で、通常は考えられないですが、精白米や小麦だけを食糧とすると、必要量を確保するために大量にこれらの食品を摂取するか、別の食品からリジンの供給を頼る必要が出てきます。牛乳はリジンも適度に含み、摂取するアミノ酸バランスの偏りは生じにくい食材です。なお、“牛乳だけで栄養補給がOKである”ということを言っているのではないので誤解なさらないでください。どのような食事にも栄養的に合うということです。普段、米食、あるいはパン食が習慣化していたとしても、牛乳を摂取することは栄養バランスの偏りを矯正するのに都合がよいということです。

(2)カルシウム補給による骨粗しょう症の予防効果
牛乳にカルシウムが多く含まれることは、よく知られています。骨・歯をつくる成分であるカルシウムは、牛乳コップ1杯(200mL)の中に227mg含まれています10)。日本人の食事摂取基準2015年版(厚生労働省)から計算すると、成人が1日のうち取り込むべきカルシウムの推奨量の約3分の1~4分の1がコップ1杯に含まれていることとなります(表1)。カルシウム摂取は、成人以降は摂らなくてもよくなるどころか、むしろ歳を重ねるにしたがって、摂る量を意識的に増やしてゆかなければいけないということが示されます。とくに老齢期は骨密度が低下し、骨粗しょう症の発症リスクが高い状況にあります。老齢期における消化吸収能力の低下しがちです。しかしそういった傾向は、体内のカルシウム不足を誘発します。牛乳はカルシウム給源として有用です。
成長期は、体が大きくなってゆくにしたがい、骨も丈夫になり体積も増してゆきます。ヒトの骨は、女性が20歳前後、男性では30歳前後まで太く、密度も高くなってゆきます。しかし、骨の新陳代謝は成長の頂点であるその時点でストップするのではなく、実は一生涯続きます。骨の新陳代謝とは、骨の主成分であるカルシウムが血液へ溶け出すこと(骨吸収)と、血中のカルシウムが骨組織へ沈着すること(骨形成)という真逆の作用が同時に行われることです。成長期の頂点までは、骨成分のカルシウムは血液に溶出する量より血液中から骨へ沈着する量が多く、結果的に骨量として増大してゆくのですが、成長期を過ぎると、そのバランスは逆転します。つまり、骨を形づくるカルシウムの量が少なくなってくるということです。骨量の低下は骨の脆弱性を増大させ、骨折のリスクが増加する「骨粗しょう症」へと発展してゆきます。この病症は、分泌されるホルモンのバランスが変化する閉経後の女性、カルシウム吸収が低下する老年期の男女、あるいはビタミンK摂取低下などで発生することが知られています。骨折は生活の質、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるため、予防医学の面では骨粗しょう症の回避が盛んに叫ばれ、骨折の原因である骨粗しょう症の予防には、①立位での運動②適度なビタミンDやKの摂取③日光を適度に浴びる④若年期からのカルシウムを摂る―といったことが効果的とされています。表1からもわかるように、牛乳1カップのカルシウム量は、15~69歳の女性が推奨されるカルシウム摂取量(650mg/日)の約3分の1をまかなうことができます。カルシウム製剤というものが市販されていますが、特に病気を患っているのでなければ、朝の牛乳1杯で、十分にカルシウム補給の一助となるのではないでしょうか。無論、カルシウムは魚や野菜などほかのものからもバランスよく摂ることをお勧めいたします。

(3)子どもの身長をより伸ばす効果
子どもの成長に関わる牛乳摂取の影響について日本(静岡県)における研究例4)を紹介します。9~10歳(小学4年生)の子供たちに対して、牛乳摂取習慣と身長・体重の関係を3年後のデータと比較したデータです。3年間で伸びた身長は、1日500ml以上牛乳を飲む子供は21.3±1.1cm程度、そうでない子供は18.8±0.5cm程度と、両者間で約2.5cmの差がありました。しかし、驚くべきことに、体重は両者ともほぼ変わりませんでした。この結果は、牛乳摂取により、身長に何らかの影響をもたらすことを示しています。また、この報告では、牛乳摂取が多い例では、肥満度、総コレステロール値が低下する傾向も認められたとあります。おそらく牛乳摂取は動脈硬化を促進する要因にはなりにくく、子供の成長に重要な栄養源であると結論付けています。しかし、注意しなくてはならないのは、このデータが500mlという量で仕切られていることです。牛乳1杯は約200mlですから、500mlは2杯半ということになります。子供は牛乳を飲みすぎる傾向にあります。あまり感じにくいのですが、牛乳には糖分が多く含まれています。牛乳を飲みすぎたことで満腹になり、ほかの食事に手を付けられないということでは、元も子もありません。でも、日々の生活の中では十分に起こりえます。お子さんがおられるご家庭では、通学されている学校で給食が出ているのであれば、牛乳1本が出ているでしょう。その量を踏まえて、家ではちょっと多めの牛乳1杯を飲むくらいで、十分です。育ち盛りならば、極端な量の牛乳を飲まなくとも、食材を意識するだけでカルシウムは十分に補給できるようになります。

(4)血圧を下げる効果
牛乳はこれまで示してきたように、比較的カルシウムが多く含まれる食品であることがわかります。このカルシウムという成分は、ヒトの血圧に影響を与える要因の一つです。具体的事例を示すと、高カルシウム摂取と血圧の値との間には負の相関関係があることは、古くから知られています。乳中のカルシウムが同じく乳に含まれるカリウムと協調して、血中のナトリウムの排出を促す効果です。牛乳の主要たんぱく質であるカゼインは、互いに結び付け合ってカゼインミセルという巨大物質(と言っても、ヒトの目には見えませんが、直径で約10~300nm(ナノメートル))として存在していますが、このカゼインとカゼインを結びつけるのがカルシウムです。口の中から乳が入ると、胃でミセルが胃酸に触れ、また、消化酵素の作用でミセルが分解されたら、カルシウムがミセルから離れ、遊離状態になり体内に取り込まれるようになります。なお、ヨーグルトの上に浮いている透明な液体(ホエイ)にもカルシウムが多く含まれています。ですから、ヨーグルトを食べるときは決して捨てないようにしましょう。
また、牛乳中に含まれるカゼインやホエイたんぱく質も、分解されることで血圧低下に関する生理活性ペプチド3)を生み出す重要な給源です。発酵乳由来のこのペプチドは、血圧を上昇させるために常時生成されるアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)を抑制する効果があります(図1)。チーズなどでは比較的積極的に血圧抑制活性が調べられています。中でもしっかり熟成をしたゴーダ(熟成8カ月以上)やゴルゴンゾラに高いACE活性が見出されているようです1)。牛乳だけで血圧が下がるわけではありませんが、少なくとも血圧上昇につながるような要因は牛乳にはないようです。

(5)乳製品の虫歯予防効果
牛乳からつくられるチーズは、その多くが乳中のホエイ(乳清)を除いて作られています。ホエイには筋肉などになりやすいアミノ酸が多く含まれ、ホエイプロテインとして栄養ドリンクの材料になっています。水分の比較的少ないチーズの場合、製造工程の中で、虫歯の原因である糖分の大部分が除かれています。そのため、チーズにはむし歯の予防効果があるとの指摘が報告されています2)。
むし歯の原因は、喫食後の歯牙の間に残るプラーク内に潜在的に残る虫歯菌(S. mutansなど)が出す酸です。酸は歯の表面を覆っている硬いエナメル質・セメント質を溶かし、歯の内側の象牙質を侵蝕してゆきます。むし歯は歯が欠損してゆく誰にでも起こりうる疾患の代表例です。図2は、脱脂乳、チョコレート、ミルクチョコレート、砂糖、白いパン、チェダーチーズを口にした時の、歯垢pHの変化観察した研究例を示しています。歯垢pHは低いほど酸性化している状態を示します。pHが5.7 を下回ると、歯のエナメル質が溶けやすくなるとされています。砂糖、チョコレート、パンなどは食べた後、速やかにpHが下降し、エナメル質が溶けやすいとされるpH5.7を下回ります。一方、乳製品のひとつである脱脂乳は、飲んだ後一旦pHが低下しますが、5.7を下回らないで踏みとどまり、再度上昇しています。またおなじく、チーズ(チェダー)では摂取直後から、反対に歯垢のpHが高くなりました。このことから、チーズを食べることが、口腔内で酸を作りにくくし、むし歯になりにくい状態になるという可能性が示されたことになります。食後にひとかけら食べることで、むし歯の予防の一助になるのではと考えられます。

(6)睡眠の質とホットミルク飲用の関係
寝る前のホットミルクの飲用は、よりよい就眠につながるとか、リラックス効果があるなどといわれていますが、詳しいところはわかっていないのが実情です。2002 年にJ-milk が公表した報告書5)によると、200mL のホットミルク飲用で、寝つきや睡眠効率(就床時間に対する睡眠時間)が対照(寝る前に何も飲まない)に比べると高値を示し、睡眠の質が向上することを示されました。アルコール飲用は睡眠の質を低下させることは経験的にも理解できますが、しかし、飲酒の際にホットミルクも飲用することで、睡眠の質低下を食い止め、朝の目覚め時の負担感が軽減されることがデータ的に示されています。

引用文献:酪農ジャーナル電子版酪農PLUS

2022-6-10 Category コラム, 牛コラム | コメントは受け付けていません。

Hokkaido Photo 6/10



稚内にて

2022-6-10 Category rimu, 風景フォト | コメントは受け付けていません。

当社、新人スタッフを追加しました。

2022-5-23 Category サイト更新情報 | Leave a Comment

~道北護蹄会~道北護蹄会会長のあいさつを更新しました。

新年の御挨拶





あけましておめでとうございます。


本年もより一層の心をこめて牛の健康促進の為、誠心誠意『牛の喜ぶ』削蹄を一牛一牛努める所存でございます。


昨年中のご愛顧に心よりお礼申し上げますとともに、本年度もより一層のご支援を賜りますよう、スタッフ一同心よりお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。


㈱菅原道北削蹄所 菅原 洋充

2022-1-1 Category コラム, 当社 | コメントは受け付けていません。

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