北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

効果的な蹄浴による費用の低減と跛行の減少

効果的な蹄浴による費用の低減と跛行の減少
オルトゥロ・ゴメス博士、獣医師
ジンプロコーポレーション

農場において、趾皮膚炎やヒゲイボとして知られている感染性の蹄病によって引き起こされる経済損失は、大きなものとなっています。これら感染性蹄病の新規発生の予防と、慢性病変をコントロールするために、蹄浴が一般的に行われています。趾皮膚炎はすぐに病態が変化していく疾病です。わずか10日間で小さな潜在性の病変(直径2cm以下)から進行性の急性潰瘍病変(直径2cm以上)に進行してしまいます。アメリカでは治療のために$300/頭かかるとされているために、予防が非常に重要です。

忘れてはならない蹄浴の目的
蹄浴の目的は感染性の蹄病の予防とコントロールであることを決して忘れないでください。臨床症状が出ている牛の治療のために蹄浴を用いるわけではありません。農場において、すでに趾皮膚炎治療のために相応のお金をかけているとしても、効果的な蹄浴プログラムを確立することで、慢性病変が再度臨床病変に進行することを防いだり、健康牛の新規罹患を予防することが期待されます。蹄浴プログラムの中で、デザイン、設置場所、管理を最良にするよう注力することで、蹄浴を行う頻度を減らしたり、治療費用を大きく減らすことが出来ます。

牛の肢蹄の問題を予防する上でデザイン、設置位置、管理方法が重要
蹄浴は農場において、個別の牛1頭1頭に対して行う処置ではなく、群全体に対する対策として扱われます。蹄浴に用いる薬剤の検討よりも、蹄浴槽のデザイン、設置位置、管理方法がより重要な検討項目です。

蹄浴の効果を高めるために忘れてはいけないポイント
・パーラーの戻り通路のように、牛が日常的に通過する場所の水平な地面に蹄浴槽を設置する。全頭の全肢が、蹄浴槽全体を使って薬液に浸かることを確認する。

・蹄浴槽は長さ3〜3.7m、幅0.5〜0.6m、深さ25cmのものが推奨される。

・薬剤が好発部位に十分に付着するために、薬液の深さは最低でも10cm以上とする。

・下肢の衛生スコアに基づいて、各週で日を開けずに蹄浴を行う。下肢の衛生スコアは、蹄浴頻度を決める目安となる。汚れている牛が多い場合、より蹄浴頻度を増やさなければならない。

・現在多くの農場において、一般的には100〜300頭が通過したら蹄浴の薬液を交換している。牛体の衛生状態や天候、薬剤の種類や濃度によって、薬液の交換頻度は異なる。

・新しい薬液を補充するタイミングを調整し、各群の牛たちが新鮮な薬液に肢を浸けることが出来るようにする

・新しい薬液を投入する前に、古い薬液を完全に排水し、水で蹄浴槽を洗う

・蹄浴槽を通過後、清潔で乾燥した場所を歩かせる

・薬液を用いない日でも、石鹸浴(水100リットルに対して、洗剤1リットルを投入)を行うことで、衛生状態を保つ。

・固定式の蹄浴槽を用いる場合、蹄浴を行わない日は、蹄浴槽上を歩かない迂回路を設けることが推奨される。

上記のポイントを満たす様に蹄浴槽のデザイン、設置場所、管理方法を検討する事が、最良で効果的な蹄浴プログラムを運用する事に繋がります。それによって趾皮膚炎のような感染性の蹄病の予防及び治療にかかる費用を共に減らすことが出来ます。

引用記事:ZINPRO

2023-10-2 | コメントは受け付けていません。

蹄のケア用品のご紹介

当社で使用している蹄のケア用品をご紹介します。



より良い蹄の状態を目指し、削蹄時のケアに努めています!

by WASHIMI

2012-10-11 | Leave a Comment

おすすめ除菌剤「二酸化塩素」






当社でも使っている除菌剤「二酸化塩素」です。

常に清潔な状態で作業に取り組んでいます。

by WASHIMI


2012-4-18 | 2 Comments

蹄底ブロック(ゲタ)について



牛の爪を削る削蹄ですが、削蹄時に蹄(ひづめ)の状態が良くない牛がいます。
普段の削蹄では悪い部分の爪を取り除いて解決しますが、どうしても牛の歩行が思わしくない場合もあります。
そんな時は蹄底ブロック(ゲタ)の使用で牛の負担を軽減!!

牛の蹄は偶蹄類なので蹄の底面が2つに分かれているんですね。
その正常な方の蹄に蹄底ブロックを行い対応!

蹄底ブロックは蹄の形に合わせた厚さ1.5cmほどの木と強力ボンドで蹄と接着します。
そうすることで、痛いほうの蹄は宙に浮くことになるので、痛みは軽減され牛さんも一安心でした^^

by EITARO(sato)

2012-2-8 | Leave a Comment

皮膚炎(PDD)の予防



蹄のことはぜひ当社「菅原道北削蹄所」まで!

by WASHIMI

2012-2-2 | Leave a Comment

爪(蹄ひづめ)って?



蹄のことはぜひ当社「菅原道北削蹄所」まで!

by WASHIMI

2012-1-27 | 4 Comments

爪の豆知識 ~血液のポンプ効果~


毎日目にしている人間の爪。なぜ生えているんだろうとあらためて考えると、
・爪は指先の保護のためにある
・物をつかみ易くするためにある
・単に皮膚の延長
と思いがちです。

実は爪の下には毛細血管が集中しており、動脈と静脈の末梢部分が交差しているのです。
そして指を動かすことで爪がポンプの役割を果たし、静脈血を戻りやすくします。
なので爪を健康な状態で指先をよく動かすと血流がよくなって全身状態の改善につながります。
爪の生え際をマッサージするだけでもポンプ効果により血行がスムーズになるのです。
人間の爪は意外な役目をもっているんですね。


実は牛も同じなのです!
心臓から遠く離れた蹄は、どうしても血液の巡りが悪くなりがちです。
そこで蹄自体が歩くたびに負重による伸縮を繰り返し、ポンプの役割を果たし蹄の血液循環を促進しています。
蹄が伸び過ぎたり、変形したり、あるいは牛の運動量が少なくなると第二の心臓とも言うぺきこのポンプ作用も低下します。
その結果、蹄の健全性が損なわれて、様々な蹄病やトラブルが発生しやすくなります。

「蹄を伸ばしていても歩けているからそのままでもいいだろう・・・」
伸びた硬い蹄だけを見ていてはやはりそう思ってしまいますよね。
蹄と血行には相互関係があったのです。

健康な牛の成長には定期的な削蹄を、そして信頼できる認定牛削蹄師におまかせください!

by WASHIMI

2011-10-14 | 2 Comments

口蹄疫とは

口蹄疫は、牛、豚、羊、山羊、水牛等がかかり、伝染力が非常に強い家畜伝染病で、ひとたび発生すると家畜の生産性の低下や死亡等により甚大な被害を受けます。

平成22年4月に宮崎県で発生した口蹄疫では、多数の牛、豚等が被害に遭いました。また、現在も韓国、中国、モンゴル、ロシア等近隣諸国で口蹄疫が発生しています。

このため、生産者、行政、関係者が一体となった万全の対策で浸入防止に心がけ、早期発見、迅速な防疫措置(発生地域の家畜移動制限、発生農場や車両の消毒及び感染家畜のとう汰と埋却等)に努めることが必要です。

症状は、牛、豚、羊に共通して、急に熱を出す、食欲がなくなる、複数の個体が異常を示す他、以下の変化がみられます。

●牛の場合
症状の写真はこちら

・よだれを沢山たらす(写真1)。
・唇、歯ぐき、舌、蹄及び乳房周囲の皮膚に水庖ができ、すぐ破れてびらんや潰瘍になる。
 ①唇や歯ぐき、舌に水庖(写真2)や潰瘍(写真3)ができると、痛くて物が食べられなくなる。
 ②蹄の周りに水庖、潰瘍(写真4)ができると、痛くて歩くのをいやがる。
 ③乳房に水庖(写真5)、潰瘍(写真6)ができると、泌乳量が急激に減少する。

なお、感染しても症状は多様で、必ずしもこのような症状や病変が見られない場合もあります。

出典:社団法人 中央畜産会 口蹄疫から家畜を守るために

2011-3-20 | Leave a Comment

牛の体調のバロメーター

人間の三大疾病は「がん、急性心筋梗塞、脳卒中」と言われています。
食生活や生活習慣の乱れ、そして免疫力が落ちるとめぐりめぐり心臓や脳やガンと繋がってゆきます。


では牛の場合どうでしょう。


牛の場合胃の中のpH(ペーハー)、つまり酸性かアルカリ性かによって体調が左右されます。
ふつうは中性に近いのですが、牧草飼料以外に乳量アップのための濃厚飼料(穀物類)が多くなると、
酸性が強くなってゆきます。


胃の中の酸性が強くなると体のバランスが崩れはじめます。


酸性の影響が血液に乗り全身をめぐり、症状として真っ先に爪先、蹄(ひずめ)に様々なかたちで現れてきます。
それほど蹄はデリケートでもあり、体調を表すバロメーターなのです。


蹄に現れた症状だけを削蹄で切除しても牛の健康状態は改善してゆきません。
それは人間も同じですね。


爪先を定期的にチェックし同時に環境や体調、そして免疫力をアップさせることで一つずつ解決してゆきます。


当社で削蹄した牛は、人間が医者にかかるのと同じく一頭一頭カルテ管理しております。
牛の体調経過と解決策もご提案してゆくのも、わたくしたちの大切な仕事の一つです。


by WASHIMI

2010-12-10 | 2 Comments

削蹄と消毒への心がけ

今年は口蹄疫が流行した年でした。
ニュースでも大きな話題になっていましたので一度は聞いたことがあると思います。


もし感染した場合その動物は、熱や口の中や蹄の付け根に水ぶくれができるという症状が現れ、
感染した肉を食べたり、牛乳を食べてもヒトにうつることはありません。


口蹄疫を聞いたことがあってもそれが何か詳しくは知らない方が多いと思います。


★口蹄疫とは?
動物の爪先が二つに割れている、蹄(ひづめ)が二つになっている動物がかかる病気です。
一度感染するとその動物は殺さなければいけないという世界的な決まりがあります。
それは完全に治癒できる方法がまだ見つかっていなく、
根本的な解決方法がないため感染が広がってしまうためです。




日本では近年聞く病名ですが、ヨーロッパでは100年以上昔から口蹄疫との戦いの歴史でした。
北海道では10年前に1件のみ発見されましたが、今年はまだ北海道では発見されておりません。


当社でも清潔を心がけるために、ユニホームの衣類やカッパ、工具などの牛と触れる所の消毒を今まで以上に徹底していきます。
消毒薬は「クレンテ」または「パコマ」を使い細心の注意を払っております。


爪切りだけではなく、万全の体制で作業にのぞむのも当社の大切な仕事の一つです。


by WASHIMI

2010-11-26 | 3 Comments

つめの病気「ヘアリーアタック」とは

牛のつめの病気「蹄病」と一口にいっても様々なものがあります。
なぜ蹄病になるのでしょうか?


・元々野生の牛が牛舎など硬い床や雑菌の多い場所で飼うこと
・本来の牧草飼料から穀類などの配合飼料への変化


今の牛たちの蹄病はこの2点が主な原因だと思われます。
皆さんが思っている以上に足はとてもデリケートになりつつあります。
食べ物が豊になると病気になりやすいのは人間でも同じですね!
牛はそれが足の先、蹄病へと形になって現れてきます。


ここ最近急増しそして比較的新しい蹄病が「ヘアリーアタック」という病気です。
ヘアリーアタックを簡単に説明すると、
PDD(皮膚炎)の原因菌が蹄真皮、蹄骨の侵食(食い荒らす)というものです。


他の病気で爪の真皮(これから爪になろうとする部分)が露出していると、そこから原因菌が侵食してゆきます。


牛は蹄病になったとしても本来備わっている自然治癒力で回復することができます。
それは大昔の自然放牧、そして獣医や削蹄師のいない当時は自然なことでした。


あらためて日々の飼料や環境を見直すことで本来の免疫力が回復し、
牛にも人にもやさしい環境づくりをご提案させて頂いております。


ただ爪を削蹄するのではなく、病気のある爪は適切な処置を施し、
牛への負担を軽減するのもわたくし達のお仕事です!

2010-11-5 | 3 Comments

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