牛乳を飲むことで睡眠の改善


必須アミノ酸の1つであるL-トリプトファンは、1980年ごろから睡眠改善効果について調べられています。いくつかの研究で、L-トリプトファンを就寝前3g以上投与すると寝つきが良くなることが確からしいとされています。
ただし、L-トリプトファンを3g以上と多量に摂れる食材は存在しないため、就寝前におけるL-トリプトファンを含有する食材の一過性の摂取では睡眠改善効果はありません。しかし、習慣的なL-トリプトファンを含む食材の摂取による睡眠改善効果についてはさまざまな報告があります。
例えば、大学生249名の調査では、朝の時間帯(6~9時)に牛乳を飲む学生は朝型で、休日の起床時刻が早いという結果が報告されています。また、牛乳を週5回以上飲む学生は熟眠型と中間型のみでしたが、それ以下の頻度の学生では熟眠型が少なく不眠型の学生も見られました。イライラする頻度も、牛乳の摂取頻度の低い学生で多かったことが分かっています。さらに、2~5歳の幼児613名を対象にした調査では、毎日牛乳を摂取する習慣のある幼児は、摂取しない幼児より朝型でした。
朝型の子のほうが夜型の子より睡眠の質が良いことが明らかになりました。
これらの研究は、トリプトファンを多く含む牛乳乳製品の時間帯を考慮した常用が、睡眠を質的に改善する可能性のあることを示唆しているものです。朝の牛乳乳製品の習慣的な摂取が睡眠を改善する可能性があります。夜の睡眠においてはメラトニン、セロトニン、トリプトファンなどが必要になってきますが、それを朝に摂取することによって夜に十分に供給されるためではないかと考えられます。

引用記事:Jミルク
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