「値段が高い牛乳」と「値段の安い牛乳」の差

「高い牛乳」と「安い牛乳」の差は何?
スーパーの牛乳売り場を見てみると、同じメーカーなのに、約250円の牛乳と約200円の牛乳がある。50円もの差があるのはなぜ?
これは、牛乳に含まれる乳脂肪分の量の差。
牛乳パックの側面には、その牛乳がどういうものなのかという情報が記載されている。この情報を見てみると、「高い牛乳」は「乳脂肪分3.7%以上」と書かれており、「安い牛乳」は「脂肪分1.6%」と記載されている。乳脂肪分が2.1%も違うことになる。

乳脂肪分とは何?
乳脂肪分とは、牛から搾った生乳をしばらく置いておくと現れる、色が濃くなっている部分。この乳脂肪分があることで牛乳にコクが出る。

なぜ乳脂肪分に差が出るのか?
同じ牛から採っているのに、なぜ乳脂肪分に差が出るのか?
「高い牛乳」のパックを見ると、「成分無調整」と書いてある。

一方、「安い牛乳」のパックを見ると、「成分調整牛乳」と書いてある。

つまり、「安い牛乳」は手を加えて乳脂肪分を取り除いた牛乳ということ。

「成分調整牛乳」は一手間増えているのになぜ値段が安い?
牛乳とは、牛から採った生乳を殺菌したもの。

生乳を殺菌しただけで何も手を加えていないのが「成分無調整牛乳」となり「値段が高い牛乳」、生乳を殺菌して乳脂肪分を取り除いたのが「成分調整牛乳」となり「値段が安い牛乳」となる。

「成分調整牛乳」の方が安いのは、取り除いた「乳脂肪分」に秘密がある。取り除いた乳脂肪分からバターや生クリームを製造し、販売することで利益を得られるため、「成分調整牛乳」は安く販売できる。

「成分無調整牛乳」と「成分調整牛乳」の味の差は?
「成分無調整牛乳」は本来の牛乳の味で、コクや甘みがある。

しかし、約2%の乳脂肪分の差があるにも関わらず、あまり差がないという声も多い。これは、企業努力によるもの。牛乳のコクが味わえるギリギリの乳脂肪分である1.6%を保つことであまり味に差を感じない「成分調整牛乳」ができている。

脂肪を抑えてカロリーを抑えたいという時代のニーズによって「成分調整牛乳」は誕生した。

「低脂肪牛乳」とは?
「低脂肪牛乳」とは、「成分調整牛乳」よりも低い乳脂肪分1.5%以下の牛乳のこと。

乳脂肪分1.6%の「成分調整牛乳」よりさらに安く売られている。

もうひとつある?!値段に差が生まれるポイント!
同じメーカー、同じ「成分無調整牛乳」でも、値段が「高い牛乳」と「安い牛乳」がある。「高い牛乳」のパッケージには、「低温殺菌牛乳」と書かれている。

牛乳のパッケージ側面には必ず殺菌温度が記載されており、「安い牛乳」には「130℃・2秒間」と書いてあり「高温殺菌」のこと、「高い牛乳」は「66℃・30分間」と書いてあり「低温殺菌」になる。

「高温殺菌」の場合、徐々に温度が上がった牛乳が130℃のパイプに到達すると2秒間で一気に通過し殺菌される。高温で殺菌することで賞味期限が約2週間となり長期保存が可能になる。

「低温殺菌」の場合、65℃のタンクの中で30分間殺菌される。低温で殺菌することで、賞味期限は短いが牛乳本来の味を壊さない。

「高温殺菌牛乳」と「低温殺菌牛乳」の味の差は?
この2つは飲み比べると味の差がはっきり分かる。「低温殺菌牛乳」は、牧場で飲む絞り立ての牛乳に近い味。

引用:minnano