北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

~鯨偶蹄目~

「クジラ偶蹄目、聞きなれない言葉です。以前はクジラ目、ウシ目と別のグループと認識されていました。
近年、遺伝子解析によって、この2つのグループは同じ仲間てあるとされ、クジラ偶蹄目というグループに分類されました。
祖先が同じでありながら、水中から陸上に適応し陸上生活を選択したウシ目、水中生活を選択したクジラ目。
感覚的には、ウシとクジラが同じ仲間とはなかなか想像しがたいですが、同じ祖先からそれぞれ進化した仲間なんですね。

写真素材:GATAG|フリー画像・写真素材集 3.0

by SAGA

2015-2-25 | 2 Comments

求肥(ぎゅうひ)の元の漢字は??


求肥は平安時代に唐から伝わってきた。漢字で牛皮牛肥とも表記するが、これは古い時代の求肥が餅米の玄米を用いて作られたために色が浅黒く、牛の皮に似ていたためと言われる。日本では獣食を忌む傾向が強かったため、後に求肥の字を当てたとされています。

求肥とは??
求肥は粉にしたもち米に水と砂糖を足して火にかけて練ることで粘りを出す。生地粉に対して大量の砂糖や水飴が使用されているため(白玉粉または餅粉1に対して砂糖2、水飴1の配合が多い)、糖のもつ保水性により製造してから時間が経過しても柔らかく、食べる際の加熱調理が不要である。和菓子やアイス菓子など、常温あるいは低温で食す菓子類に広く利用されています。

求肥-Wikipedia

2015-2-16 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言24

インフルエンザが猛威をふるっていますね。何を隠そう私も年明け早々にインフルエンザになりまして、出勤停止となってしまいました。ほぼ十年ぶりの発症です。実はインフルエンザと診断されたのは生まれて初めてで、それゆえインフルエンザ薬なるものも初めて処方していただいた訳なのですが、今はタミフルやリレンザではなくイナビルとか言う鼻から吸引する薬が主流だそうです(田舎の村の病院にも有りました)。これが非常に良く効きます。インフルエンザ恐れるに足らずですね。一般にインフルエンザは型も多く、また変異もしやすいため冬になる前に流行する型を予測してワクチンを選択するそうです。この予測がなかなか当たらないため毎年『ワクチン接種したのにインフルになったと』いう話を良く耳にします。しかしワクチン接種ではなく発症して作られた抗体は交差免疫として他の型のインフルエンザにも効果があると言われています。数年前に大流行した新型インフルエンザが熟年層に患者が少なかったのは交差免疫のおかげだったと言われています。詳細はまだ解明されてはいないようですが、今回のインフルエンザの発症で私も数年はインフルエンザにならないはずですが、どうでしょうかね。
 前置きが長くなりましたが、今月からは乾乳の管理と子牛の免疫力についてお話ししていこうと思います。

乾乳期の栄養と出生子牛の関係

①妊娠後期の胎児の成長曲線
乾乳期は経産牛ではボディコンディションを調整し、泌乳期に酷使した消化器特にルーメンを休ませ、乳腺を回復させるとともに、胎児を順調に成長させる重要な時期です。表1で妊娠日齢と胎児の体重、羊水と胎膜、子宮の成長曲線を示してみました。胎児は乾乳期に入る妊娠220日前後から急激に大きくなっているのが分かると思います。この時期に母牛が低栄養に陥ると胎児の成長が止まり、早産などによる低体重児が生まれてくることがあります。乾乳期は泌乳を基本的にはしないため、エネルギー源である糖質よりも胎児の成長に重要なタンパク質を必要とします。牛の利用するタンパクのおよそ50%は一胃の微生物の体タンパクと言われています。そのためには、良好なルーメン発酵が重要であり、そのためには良質な粗飼料と適度な穀類が不可欠と言えます。場合によってはバイパスタンパクの利用も考えても良いかもしれません。昔は泌乳しない=稼がないと考え乾乳期には粗悪な粗飼料を与える傾向がありましたが、非常に悪い考え方です。乾乳期は先ほども述べましたが、一胃と乳腺の回復と胎児の成長をさせる重要な時期です。今後の経営を考えるならば、一番良質な粗飼料は未来がある育成牛に、次に良質な粗飼料は今後1年の泌乳量が決まる乾乳牛に与えるべきです。
また一方でルーメンアシドーシスも出生してくる子牛には悪影響を与えます。アシドーシスは母牛を低タンパク状態にしてしまう事で胎児の成長を阻害します。近年、分娩直後の爆発的な泌乳の開始を狙って、乾乳後期に多量の穀類を与えられる事により、ルーメンアシドーシスに陥っている牛群を見かけます。この管理は最も間違った管理です。この管理をすると泌乳開始時の乳量は確実に上がります。しかし母牛のタンパク不足からくる低体重児の出生、胸腺の未熟な子牛や初乳の質の低下による病弱な子牛の出生を招きます(初乳や胸腺の話は来月を話しします)。また、アシドーシスによるルーメン微生物の死滅がエンドトキシンを産生し、早産を引き起こすことも報告されています。(泌乳の方も一時的なだけで周産期病や蹄病になり最終的な乳量も期待できません)さらには乾乳期もTMRで管理している牛群は飼料の混ぜ過ぎにも注意が必要です。攪拌しすぎることによって粗飼料の線維が砕けて反芻が起こらず、アシドーシスになっている場合も考えられます。下痢をしているような場合はまずはアシドーシスを疑ってみてください。乾乳牛の糞は本来触っても手に汚れが移らないような硬い糞なはずです。
このように乾乳中の悪質な粗飼料給与も泌乳生理を無視した乾乳期の飼料の給与も線維不足も胎児には悪影響しか与えないと言う事です。

本当はインフルエンザの免疫に絡めて、乾乳の管理による初乳や胸腺による免疫の話をしていこうと思ったのですが、またルーメンアシドーシスの話が長くなってしまいました。来月は胸腺や初乳役割と子牛の免疫についてお話しします。来月もお付き合いよろしくお願いします。

byとある獣医師

2015-2-5 | Leave a Comment

~乳牛祭り~


先日、インターネットで牛に関するお祭りを検索していたら面白そうなお祭りがあったのでご紹介します。
お祭りの場所は南オーストラリア州の小さな村コンパスで開催されています。
乳牛祭りの歴史は39年で牧場主たちが集まり子供からお年寄りまでみんなにもっと牛乳を好きになってもらおうと始めたのが この祭りの起源だそうです。
お祭り会場では出店、動物と触れ合える場所、エンジンの展示などがあります。
お祭りで盛り上がるイベントが3つあるのでご紹介します。
■その1
COW RACE
5人でチームを組んで牛の背中に誰かが乗り、ゴールに辿り着けば勝利!

その2
牛乳早飲み競争
屈強な男たちが1リットルの牛乳を2本飲み干し、ゴールを目指す花形競技。

その3
長靴障害物レース
左右不ぞろいのしかもサイズの合わない長靴をはいて全力疾走!! 様々な障害物を潜り抜ける。

どの競技も面白そうですね♪
余裕がある方はぜひとも参加してみてはいかがでしょうか??

写真素材:夏祭り

byRIMU

2015-1-28 | 3 Comments

牛の知識

牛の知能で検索すると、興味深い記事がありました。
牛の知能は、チンパンジー並み(東京新聞)英国獣医学研究所が、牛の知能はチンパンジー並みに高いことを突き止めていたことが分かった。人間の言葉の一部は理解し、感情も豊かだと言う。MRIを利用し脳のどの部分に血流が増加するか測定すると単語を聞いた際に牛の脳の言葉を認識する領域が激しく反応し、トラックで運ばれる子牛を見たときには、人間の切ないという感情とよく似た血流の動きが見られたというのである。
また牧場の牛の数がへると、前頭葉に血流が集中して、考え込む状態になることから、数の認識も持っている可能性があるというのである。

写真素材:自由に使える無料写真素材
bySAGA

2015-1-15 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言23

明けましておめでとうございます。今年もこのコラムを読んで下さっているみなさんの牛が健康になり、少しでも皆さんのお役に立てるような記事を書いていこうと思っていますので、また一年間よろしくお願いします。
今シーズンは厳しい冬ですね。私の住んでいるところはすでに二回も国道が通行止めになり、陸の孤島になってしまいました。たしか気象庁が今年の長期予報で『エルニーニョの影響で暖冬になります』なんて適当な事を言っていたのを、今更ながらにがにがしく思いだしています。
さて本題です。今回は先月に続き子牛が摂取した飼料がルーメンの発達にどのような役割を果たすのかをお話しします。

◎乳(生乳、代用乳)
   生乳や代用乳は牛が生涯摂取する飼料の中でもっとも効率の良い飼料として知られています。その理由は固形飼料ではないため消化液や消化酵素で細かくする必要がなく、さらにその成分は良質なたんぱく質やアミノ酸、最もエネルギーとして利用しやすい糖が多量に含まれているためです。この栄養分はルーメンに入ってしまうと微生物の影響を受け分解されてしまうため、牛は食道第二胃溝反射を起こしてルーメンには流し込まないようにします。ですから乳はルーメンの発達には全く関与していないことになります。

◎スターター(人工乳)
   子牛が出生して乳の次に摂取するものがスターター(人工乳と言うと代用乳との区別が付きづらいのであえてスターターと言わせてもらいます。)です。スターターは哺乳子牛用の配合飼料です。出生した直後の子牛のルーメンは無菌です。無菌の状態ではスターターを消化できません。では、その細菌がどこから来るのでしょうか?それは牛舎内の母牛や他の牛が飛ばす唾液の飛沫や微生物が含まれたエアロゾル粒子だと言われています。また、敷料、初乳、スターター自身にも微生物が付着しており、これらがルーメンに定着しルーメン微生物となります。出生後ただちに少数の微生物が出現し、二日後にはほぼ成牛と同じ密度の細菌数まで増殖するそうです(ちなみにルーメンの内容物1gに100億個の菌)。
スターターには麦やコーンのデンプン質が含まれています。これらがルーメン内の微生物の影響をうけて揮発性脂肪酸(VFA)に変化します。このVFAこそがルーメンの絨毛を成長させる物質です。主なVFAは酢酸、酪酸、プロピオン酸ですが、このうち絨毛を成長させる作用は酪酸>プロピオン酸>酢酸の順に弱くなっていきます。酪酸、プロピオン酸はデンプン質が分解されたときにできるのでスターターは牛にとって極めて重要な飼料と言えます。忘れてはいけないのがスターターを消化するのには水は不可欠です。ただし、水が一胃ではなく四胃に入ってしまっては、乳の消化に悪影響を与えるので哺乳直後に与えるのは禁物です。特にバケツ哺乳の場合は牛の胃がミルクと勘違いして四胃に送り込む恐れがあるので哺乳後最低30分は開けてから水のバケツを置くようにしてください。

◎乾草
   乾草の主な栄養源は線維分です。線維分はデンプンよりも分解に時間がかかり、分解されてできるVFAも7割が酢酸のため、絨毛を伸ばすという意味ではスターターほど影響はありません。ですから乾草は離乳した後の給与でも良いのではないかという意見も有ります。しかし一方で乾草が給与されないとルーメン壁に飼料が付着したり、ルーメン内に毛玉が溜まったりするとの報告も有ります。ですからブラッシング材として給与するのがよいとされています。またスターターは配合飼料であるため多給するとルーメンアシドーシスの原因にもなります。ですから反芻を誘発するための物理刺激としての乾草給与はやはり重要であると考えます。ただ、消化は非常に悪い為十分な哺乳をさせないで乾草を与えると、空腹に耐えかねた子牛が多量に乾草を食するため消化できず、四胃に溜まり乳の消化に影響をきたす場合があります。ですから哺乳期中は数センチに切断した良質な乾草を適度に(概ね100~200g程度)を与えるのが良いとされています。


このように哺乳期からの飼料の給与の仕方がルーメンの発達に大きく関与し、このルーメンの発達こそが今後の牛の一生を決めると言っても過言ではありません。

今月もお付き合いありがとうございました。

by とある獣医師

2015-1-5 | Leave a Comment

年末のご挨拶

今年もお蔭様で、大きな怪我もなく、忙しい中にも充実し、皆がまた少し成長できた一年になりましたこと、皆様に感謝いたします。
各地域で参加させて頂いた研修会、講習会で学んだことを、今後も牛の為に活かしていきたいと思います。
来年もスタッフ一同、より一層の心をこめた 『牛の喜ぶ』 削蹄に努めてまいりますので、
変わらぬご愛顧を頂けますようお願い申し上げ、年末のご挨拶とさせていただきます。
皆さまの2015年が幸多き年となりますように・・・

菅原洋充


2014-12-30 | Leave a Comment

牛の胃の中には??


牧場に放牧されている牛は、磁石を飲み込んでいるってご存知ですか?
牛はどういうわけか、キラキラ光る金属が大好きみたいで。牧場に落ちている釘や金物を拾い食いしてしまいます。こんなことして、おなかが痛くならないのでしょうか? 
釘などで胃を傷つけたらたいへんです。そこで、牛用に特別に作られた長さ6cmくらいの「カウマグネット」という磁石を、特殊なパイプを使って胃の中に入れて、飲み込んだ釘などが胃を傷つけないようにします。
さて、たくさん釘などを引き寄せたこの磁石を取り出すのは、どうするのでしょうか?実は、もっと強力な磁石を胃に入れて引っ張り出すのだそうです。磁石には特殊なコーティングがされていて、牛にとって安全なものみたいです。

写真素材:GATAG|フリーイラスト素材集
参考文献:雪印メグミルク株式会社
by RIMU

2014-12-17 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言22

12月ですね。師走は何をするにも慌ただしくて、個人的にはあまり好きではありません。今年はまだ積雪には至っていないのが救いですね。このまま雪が積もらないで春になってくれればと虫の良い事を願っている毎日です。では本題です。
草食動物は植物の線維をエネルギー源として利用しますが、人や他の肉食動物と同様に線維を分解する特別な酵素を持っているわけではなく、微生物に棲息可能な場所を作り、そこで微生物によって線維を分解してもらいエネルギーとして利用するという画期的な体を作り上げてきました。単胃動物であるウマやウサギは、盲腸を大きくしてそこに微生物を住まわせました。一方牛を含めた反芻獣は人で言うところの胃の前に食道を変形させることにより3つの部屋を作り、その中で一番大きな場所を細菌に提供することによってエネルギーを得ることにしました。それがルーメンです。このルーメンですが、生まれてきてすぐ機能しているわけではなく、むしろ牛は生まれてすぐは我々人間と同様に胃(牛では四胃)に頼って成長していきます。今月からはこのルーメンの発達の仕方と発達に影響を与える要因についてお話ししていこうと思います。

ルーメンの発達
   ルーメンの発達には大きく二つあります。一つは胃全体に占めるルーメンの容積割合が大きくなる事。もう一つはルーメンの絨毛が伸長することにより栄養の吸収が可能になる事です。

1、容積割合

写真 1 出生直後の胃全体


写真 2 49日齢の胃全体


写真1は生まれたばかりの牛の胃です。この時期の一胃は四胃と同じかむしろ小さいくらいの大きさしかありません。しかし7週齢(49日齢)経った時点のルーメンは明らかに他の胃よりも大きくなっています。(写真2)成牛の胃の中で一胃の占める割合は80%と言われていますので、生後7週齢でほぼそれに近い割合になっていることが分かります。

2、絨毛の伸長

写真 3


写真3は写真1と写真2のルーメンを切り取った内部で、左側が0日齢、右側が49日齢です。0日齢は色が白く表面は若干の凹凸がある程度ですが、49日齢では、色が黒ずみ表面に明らかな突起物が見られます。これがルーメンの絨毛です。牛はこの絨毛から細菌が作り出した酢酸、プロピオン酸、酪酸などのVFA(揮発性脂肪酸)を吸収してエネルギーとします。そのため絨毛が長ければ長いほど表面積が広くなりより多くのエネルギーを吸収できるわけです。ですから、将来的に乳量が出るか出ないかはこの時期の絨毛をいかに発達させるかにかかっているとも言われています。
 来月は飼料によってどうルーメンが発達するかについてお話していきたいとおもいます。(今月の写真はルーメン8 ~いつでも、誰にでも、基本は基本~から引用させていただきました。)

このコラムを読んでくださっているみなさん、一年間ありがとうございました。来年もさらに皆さんの興味の沸くような話をできるだけわかりやすくお話ししていけたらと思っております。またよろしくお願いします。少し早いですがよいお年を!

by とある獣医師

2014-12-9 | 2 Comments

北海道酪農技術セミナー2014 参加

2014年11月5日~6日
北海道帯広市で開催され今年も猿払の塚田獣医師と参加してきました。
獣医師、生産者、関係者、削蹄師、500名もの参加者!
今年も勉強になりました。


photo by sugaWara

2014-12-1 | Leave a Comment

牛乳を飲んで・・・・



カルシウム不足の日本人ですが・・・
日本人の成人1日あたりのカルシウム推奨量は、600mg〜800mgと言われています。
しかし、現代の日本人の平均摂取量は531mgと、大変低い数値になっています。
これは主に、肉料理やインスタント食品中心の食生活が原因として考えられています。
カルシウム不足になると、身体は様々な症状を引き起こします。

1)骨や歯がもろくなる

2)イライラする

3)骨粗そう症

4)十分に成長しない

などの症状が現われるみたいです。
牛乳 コップ1杯(200g), 220mgのカルシウムの摂取ができます。
一日に牛乳を3杯~4杯飲むと一日のカルシウム摂取量に達することができますね!!
ちなみに私は毎朝欠かさず牛乳を飲んで健康な体づくりを心掛けています。

写真素材:イラストポップ

by RIMU

2014-11-29 | Leave a Comment

第56回全国牛削蹄競技大会

26年11月13日木曜日の水戸市鯉淵学園農業栄養専門学校様で
第56回全国牛削蹄競技大会が開催されました。

競技大会の成績は以下のとおりです。

『総合順位』
最優秀賞
宅見 慎吾 (北海道牛削蹄師会)

優秀賞
小角 慶三 (山形県牛削蹄師会)

第三位
中野目 正明 (福島県牛削蹄師会)

『 部門賞』
判断競技 優賞
岩渕 孝幸 (岩手県装削蹄師会)

牛削蹄競技 優賞
宅見 慎吾 (北海道牛削蹄師会)


実技の牛削蹄競技では
東海林選手(江別の久津間装蹄所)が三位

弊社から出場の倉口 亮太は四位と大健闘でした。

選手はじめ関係者の皆さん大変お疲れ様でした。

応援して頂いた皆さん、ありがとうございました。




北海道牛削蹄師会 左から倉口選手(名寄)、佐野選手(北見)、宅見選手(七飯)、東海林選手(江別)


判断競技の様子


全国大会競技委員の久津間指導級(左)と道見指導級(右)



最優秀賞の宅見選手


余裕の倉口選手




sony rx-100
photo by sugaWara


2014-11-15 | 2 Comments

とある獣医師の独り言21

冬ですね…。これから日は短くなるし、寒さは厳しくなるし、雪は積もってくるし、いやなことばっかり考えてしまいます。これから先の楽しみは忘年会ぐらいしかないですかね(笑)。
今月は牛の消化のまとめです。牛はルーメン発酵で生命を維持している事は何度もお話してきましたが、発酵とはそもそも何でしょうか?一般に肉や野菜、穀物などの有機物は死滅すると微生物の影響を受けて分解・転換されます。この産生物が人にとって都合が良ければ“発酵”と都合が悪い場合は“腐敗”と言われます。つまり発酵と腐敗は同じ事が起こっているわけです。具体的に発酵によってできるものは、ビール・ウイスキー・ワインなどの代表されるアルコールが生成される発酵や、醤油・味噌・キムチ・チーズなどアミノ酸(うまみ成分)が生成される発酵、ヨーグルトなど酸が生成される発酵など多種多様に存在します。人は太古の昔から試行錯誤重ね、微生物の助けを借りて発酵させる事のより食料の長期保存を実現させてきたのです。同じように発酵は酪農の分野でもサイレージとして活用されています。サイレージとは植物を刈り取り低酸素状態で保存することで、植物が元から持っている乳酸菌が発酵を起こしpHを下げることにより、タンパク分解菌などの腐敗菌の増殖を防ぎ長期保存を可能にしたものです。このように酪農は発酵とともにあると言っても過言ではありません。
そしてさらにこの発酵の究極な形が“ルーメン発酵”だと言えるかもしれません。その理由としてすべての発酵がルーメンという限局された場所で起こり、その生成物はすべてルーメンの持ち主である牛が利用できるようになっているからです。ルーメン発酵の最終産物は揮発性脂肪酸(VFA)でこれが牛のエネルギー源である事は何度もお話してきました。牛はVFAで全体の7割のエネルギーを得ていると言われています。馬やブタはルーメンを持たない代わりに大腸で発酵しています。そこで生成されたVFAはそれぞれ5割と2割程度の生命維持エネルギーとなり、不足分は人と同じように小腸からのブドウの吸収に頼っています。それを考えると牛はいかにルーメン発に頼っているかが分かると思います。表1に解剖データによる動物別の発酵が可能な消化管の容積の割合を載せてみました。


これをみると牛や羊などの反芻獣がいかにルーメンに依存しているかが一目瞭然です。さらに発酵によって増殖した微生物は小腸に流れ込み重要なタンパク源になります。一方馬やブタでは大腸で発酵するため増殖した微生物は糞として排泄されるだけのため、無駄でしかありません。この事を考えてもやはりルーメン発酵は究極の発酵システムと言えると思います。またウサギやモルモットも盲腸で発酵させることによりVFAを利用しますがその割合は5割程度に過ぎません。他は小腸からの吸収ももちろんありますが、食糞する事によって貴重な栄養源を再利用します。通常はころころの糞をしますがときどきねっとりとした盲腸便と言われる糞をします。これをもう一度食べることによって無駄をなくしているわけです。立派なリサイクルですね。ただし、お尻から直接食べるのであまり見たことがないとは思いますが。ちょっとした余談でした。
これまで数回にわたって牛の消化とくにルーメンに重きを置いてお話ししてきました。線維不足や穀類の多給によって引き起こされるルーメンアシドーシスは発酵ではなく腐敗です。ルーメンが腐敗していてはエネルギー不足になるのはもちろん様々な感染症を起こしさらには突然死を引き起こすリスクも高まります。乳量を追うために穀類を多給することは牛に腐ったご飯を与えるのと同じ事です。人は腐ったものは決して口にはしないはずです。冒頭に発酵と腐敗を決めるのは人の都合だと言いましたが、せめてルーメンの発酵くらいは人の都合で決めるのではなく牛の都合できめてあげたいものですね。
今月もお付き合いありがとうございました。


byとある獣医師

2014-11-5 | Leave a Comment

毛を剃ったら……

ウシは地肌にも黒い模様があります。
たいていの動物は、毛と皮膚の色素が違うので、毛皮に模様があって地肌には模様がないのですが、ウシの場合は、皮膚にも毛と同じ色素があろうと考えられています。

では、その他の毛が白と黒の動物はどうなんでしょう??
パンダやシマウマにも、体毛に白と黒の模様があるが、毛を剃ってしまったらどうなのだろうか?やっぱりシマウマは白と黒のシマ模様のままなのだろうか?
実際にパンダやシマウマの毛を剃ってみると、パンダの皮膚はピンクっぽい色で、シマウマは灰色であった。人間も髪の毛は黒いが、肌の色は黒くない。年をとって白髪になっても、皮膚の色は変わらない、それと同じだということである。
毛の色は、毛の毛根にある色素細胞で決まるものである。だから、皮膚の色と毛の色とは、全く関係がないものなのである。では、なぜシマ模様や、はんてん模様の動物がいるのどろうか?
このシマ模様や、はんてん模様は、保護色というものであり、身の安全を守るために、敵にみつからないようにしたり、獲物に気づかれないようにしたりするために、周りの色に合わせて模様が決まっている。
例えば、シマウマの場合は、林の木立のなかでは木立にまぎれてしまう。パンダも、中国の奥地で、雪が積もったり、解けたりしたときの、山肌の様子にとけ込んでしまうように白と黒の模様なのである。

参考文献:Zoo-Animal
参考文献::雑学・豆知識情報室
写真素材:かわいいフリー素材集 いらすとや


by EITARO(sato)

2014-10-15 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言20

寒いですね。ここ数年は9月でも夜に外でバーベキューなんかできましたが、今年は本来の北海道に戻ったようですね。その割にはオホーツク海の水温が高く釣りはいまいちの結果が続いています。今年の釣りも楽しめるのはせいぜいあと一カ月、何とかいい思いをしたいものです。
では本題です。今回は前回少しだけ話をしたMUNについて、もう少し詳しくお話したいと思います。



①MUNとは
Milk Urea Nitrogenの頭文字で乳中尿素窒素の事です。牛が採食したタンパク質は一胃で分解されやすい分解性タンパク質(RDP)と非分解性タンパク質牛(UDP、バイパスタンパクとも言われます。)に分けられます。UDPは直接四胃に流れ小腸で吸収されますが、分解性タンパクは前回もお話した通り、一胃の細菌により最終的にアンモニアにまで分解され、できたアンモニアから自らの菌体タンパクを合成し、牛はその菌体タンパクをタンパク源として利用しています。その過程にはエネルギー源として炭水化物が必要となります(図1)。このタンパク質の分解の過程でできたアンモニアは非常に毒性が強く牛の体に害を与えるため一胃の表面から吸収されたアンモニアは速やかに肝臓で無毒化され尿素体窒素(BUN)として血液中を流れます。牛乳は血液から作られるので乳汁中にもBUNが入り込んできます。それがMUNです。
②MUNと乳タンパク率の関係   乳量旬報や乳検速報に記載されているMUNと乳タンパクを利用することで牛群の栄養状態を知ることができると言われています。下の表はバルク乳でのMUN・乳タンパクと飼料のエネルギー・タンパク質バランスの関係を表しています。
◎MUNの上昇の原因
1)アンモニアの過剰生産
   タンパク質飼料の多給で起こります。また放牧初期の牧草はタンパク質が高い為MUNが上昇することがよく見られます。



2)一胃の細菌不足
ルーメンアシドーシスによって細菌の絶対数が減少するとアンモニアが利用されずMUNの上昇が見られます。言いかえると炭水化物の多給によってアシドーシスとなりMUNが上昇することがあります。
3)エネルギー不足
一胃の細菌がアンモニアを利用するためにはエネルギーとなる炭水化物が必要です。ですからエネルギー不足ではMUNの上昇が見られます。
   
◎MUN低下の原因
タンパク質特に分解性タンパクの給与不足で起こることがあります。しかし実際には低下が問題になる事は少なく、乳タンパクが正常範囲であればMUNが一桁の値だとしてもなんら影響はありません。逆に一胃での細菌の増殖が盛んである証拠とも言えるのです。
 
MUNはアンモニアの利用状況を反映しています。アンモニアは非常に毒性が強く胚の早期死滅による受胎率の低下や、アンモニアの解毒のために肝機能障害を起こします。またタンパク不足に陥るため牛は痩せてきます。
最近は飼料設計がしっかりしているためタンパク過剰によるMUNの上昇は起こりにくいと言われています。むしろルーメンアシドーシスによるアンモニアの利用障害による上昇の方が問題です。ですからMUNの数値のみで判断するのではなく、乳タンパクを含めた乳成分(特に繊維の採食状況に関係する乳脂肪)、糞の状態、反芻の回数、ボディコンディションなど総合的な判断が必要とされています。
今月もお付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

2014-10-6 | Leave a Comment

乳製品の『記念日』

先日、インターネットを見ていたら乳製品の記念日がありましたのでご紹介します。



5月9日
アイスクリームの日

5月15日
ヨーグルトの日

6月1日
牛乳の日

9月6日
生クリームの日

11月11日
チーズの日


乳製品にも記念日があるんですね。
ぜひ、記念日には記念日の乳製品を食べてお祝いするのも良いかもしれませんね♪

参考文献:一般社団法人 Jミルク
写真素材:一般社団法人 Jミルク

byRIMU

2014-9-27 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言19



秋です。宗谷にも待ちに待った鮭釣りのシーズンがやってきました。このように竿がずらりと並ぶとむずむずし出します。この時期は全道各地から鮭を求めてたくさんの人が集まります。中にはテントで寝泊まりしたり、車中泊をしながらシーズン終了まで釣り三昧の人もいるようですが、我々勤め人は休みの日を今か今かと心待ちにしています。早くコラムを書きあげて仕掛けの準備をしなきゃ(笑)。

今月は飼料成分別のルーメン微生物の利用法についてお話しします。飼料成分は大まかに炭水化物(糖質や繊維)、タンパク質、脂質に分けられます。


①炭水化物の代謝
炭水化物はルーメンの細菌の利用のしやすさ(分解速度の速さ)から易発酵性(いはつこうせい)基質と難発酵性基質に分けられます。易発酵性基質はいわゆる糖質と呼ばれる糖類やデンプンのことで、難発酵性基質とは食物繊維のことです。牛はルーメン内の微生物によってセルロースやヘミセルロースのような食物繊維も分解してグルコース(ブドウ糖)やキシロースとして利用しているのです。チモシーを例に考えると、チモシーの易発酵性基質は10%程度しかなく、半分以上は難発酵性基質となります。人間では1割しか栄養にならないものを牛が食すると6割以上を食料として利用できることになります。
またルーメン細菌は基質の利用性によってセルロース分解菌、デンプン分解菌、ヘミセルロース分解菌などに分けられます。一般的にセルロース、ヘミセルロースなどの繊維からは酢酸が合成され、これは乳脂肪となります。また、デンプンや糖類などの糖質からは乳酸が生成され、乳酸は乳酸分解菌によってプロピオン酸に合成されます。このプロピオン酸は酢酸や酪酸を産生するよりエネルギーロスが少ないため(話が難しくなるのでその理由についてはここでは話しません。決してわかんない訳じゃないですよ。念のため。)、牛が利用できるエネルギーが増えることにより乳量が増えることになります。このことは非常に良いことに思えますが、デンプンが乳酸利用菌の処理能力を超えて供給 されてしまうと、乳酸によるルーメンアシドーシスへと繋がっていきます。

②タンパク質の代謝
タンパク質はルーメン細菌でペプチドやアミノ酸、さらにアンモニアや有機酸まで分解されます。この分解物から新たにタンパク質が合成される話は以前にもしましたが、ルーメン細菌で最も特徴的な事はアンモニアからでもタンパク質を合成できる菌が存在すること事です。タンパク質の多給によりルーメン内でのアンモニア生成速度が利用速度を上回った場合は、ルーメン壁からアンモニアが吸収されルーメンアルカローシスとなります。症状としては食欲減退、削瘦、繁殖障害などアシドーシスとよく似ています。タンパク質給与の指標と言われるのがMUNで一般的に10~15mg/dlが正常値だと言われていますが、炭水化物の給与状況やルーメンの細菌との兼ね合いなので一概に高値だから多給、低値だから少給とは言えないと思います。たとえば、アシドーシスでルーメン細菌が減少していればアンモニアは利用されず高値を示しますが、決してタンパク質の多給ではないですし、逆にルーメンの状態が良ければ低値を示しても特に問題は無い訳です。すべては牛の糞の性状や腹の張りなど健康状態を見ながら総合的に判断するべきです。

③脂質の代謝
 脂質はほぼ90%ルーメン微生物によって分解され脂肪酸とVFA(ほぼプロピオン酸と酪酸)に分解されます。脂肪は多給すると細菌自体がコーティングされルーメンの発酵が悪くなると言われています。

今月はルーメン内での飼料の代謝について少し掘り下げてお話ししました。今月もお付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

2014-9-12 | Leave a Comment

第21回北海道ブロック牛削蹄競技大会レポート

平成26年9月1日・2日の二日間にわたり江別市 永田牧場で開催された、第21回北海道ブロック牛削蹄競技大会。
フォトで大会の様子をお伝えします。






















その後場所を移し懇親会が行われました。
























そして2日目。競技当日を迎えました。
天候に恵まれた中、競技大会が始まりました。




選手宣誓は江別市 東海林 優さんです。


単独保定の競技です。
























枠場保定の競技です。
























結果発表です。






単独保定の部
優勝 北見市 佐野 正


枠場保定の部
優勝 北見市 竹内 秀二郎


枠場保定の部
準優勝 中札内村 鳥倉 哲也


枠場保定の部
3位 清水町 松井 克広


単独保定の部(写真左から)
優勝 北見市 佐野 正
2位 七飯町 宅見 慎吾
3位 名寄市 倉口 亮太
4位 江別市 東海林 優

当社倉口が3位入賞しました!
1位から4位までの選手が11月に行われる全国大会へ出場できます。



皆様おつかれさまでした。

by RIMU

2014-9-2 | 3 Comments

牛柄トラックと削蹄枠の色塗りをしました

牛柄トラックと削蹄枠の色塗りをしました。
















定期メンテナンスも無事完了。
牛柄トラックが削蹄枠と一緒に北の大地北海道を駆け巡ります!

by RIMU

2014-8-29 | 1 Comment

牛削蹄判断講習会に参加しました

平成26年8月3日(日)9:00~
開催場所:帯広畜産大学 主催:北海道牛削蹄師会
講師:小出 廣春氏による削蹄判断講習会に参加しました。
小出氏(神奈川県牛削蹄師会々長)は日本装削蹄協会 技術検討委員会牛削蹄部会 委員長です。






















photo by RIMU

2014-8-18 | Leave a Comment

2024 菅原道北削蹄所|北北海道を幅広くエリアカバーする牛削蹄所です . | Blue Weed by Blog Oh! Blog