北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

令和4年北海道牛削蹄研修会が開催されました。

令和4年11月21日、22日北見市にて北海道牛削蹄研修会が行われました。

21日(月)14:00~
NOSAI北海道オホーツク統括センター 2階 大会議室にて
ゆうべつ牛群管理サービス 安富 一郎 氏による『大規模牛群で目にするフットケアの変革』の講演が行われました。

北海道牛削蹄師会 会長 片山 正幸 氏


ゆうべつ牛群管理サービス 安富 一郎 氏




その後懇親会が行われました。




22日(火)8:30~
訓子府町 北見管内畜産総合施設にて削蹄実習が行われました。

普段削蹄で牛の大きさや環境によってさまざまで削切量に戸惑うこともあると思います。
そこで削蹄実習では死蹄を使い、様々な状況を想像し削蹄を行いました。
また、後半の削蹄実習では9つのグループに分かれて技術者を決め削蹄をし
決められた部分の厚さと蹄角度・蹄縦径を計測し考察をまとめました。




























皆様お疲れさまでした。

2022-11-24 Category コラム, 削蹄師会 | コメントは受け付けていません。

第28回北海道ブロック牛削蹄競技大会

令和4年年9月5日・6日の2日間にわたり北見市 ホクレン訓子府実証農場で開催された、第28回北海道ブロック牛削蹄競技大会。
フォトで大会の様子をお伝えします。















選手宣誓は北見市の加藤選手でした。




















単独保定の部(写真左から)
優勝  新知幸 江別市
準優勝 大西輝 北見市
3位  東海林優 江別市
4位  岡元義光 帯広市
(4位まで全国大会出場)

枠場保定の部
優勝  天野翼 北見市
準優勝 松原駿 名寄市
3位  倉本真吾 興部町


各部門優勝者の記念撮影です。
単独保定の部 優勝 江別市 新 知幸 (写真左) 
枠場保定の部 優勝 北見市 天野 翼(写真右)


当社松原が枠場保定の部準優勝!!しました!!
単独保定の部1位~4位の選手は11月の茨城で行われる全国大会に出場できます。

皆様お疲れ様でした。

byRIMU

2022-9-25 Category コラム, 削蹄師会 | コメントは受け付けていません。

牛乳摂取はコレステロールの低下に関係し、冠動脈疾患リスクを 低減する ~英国で行われた遺伝疫学研究から~

牛乳乳製品の摂取と心血管代謝疾患との関連については多くの研究が行われてきており、牛乳摂取はこれらの疾患のリスクを高めるとして、低脂肪乳の摂取が推奨されてきました。しかし、最近行われた大規模なコホート研究やメタ解析の結果では、むしろ循環器系疾患のリスクを下げることが報告されています。
今回は、英国のレディング大学などが約 200 万人のデータをもとに行った研究で、International Journalof Obesity に掲載された論文「1,904,220 人を対象とする 2 標本メンデルランダム化解析を活用した牛乳摂取と心血管代謝疾患との因果関係研究」1)について解説します。この研究では、「メンデルランダム化解析」という新しい疫学的解析手法を用いて、乳糖分解酵素(ラクターゼ)遺伝子変異(乳糖不耐に関係)に基づく牛乳摂取の遺伝的アプローチを行い、「より高い牛乳摂取量に関連した遺伝的変異を持つ参加者は、わずかに高い BMI、体脂肪を持っていたが、善玉(HDL)コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールのレベルは低いことがわかり、冠動脈疾患のリスクも有意に低いことがわかった。」としています。
すなわち、脂質コントロールが必要な疾病においても、牛乳摂取を控える必要はなく、むしろ摂取するほうがリスクは低下するという興味深い報告です。

牛乳摂取と疾患リスクの因果関係とは
 現在、肥満、高血圧、脂質異常症、高血糖症は、心血管代謝疾患の大きな原因となっており、世界的にみると高い罹患率と死亡率をもたらしています2-4)。そのため、これらの生活習慣病予防のためには食生活の改善が課題です。心血管代謝疾患の主要な決定要因には、食習慣のなかでも高脂肪食があります。脂質異常症や虚血性心疾患の重症化予防のためには総脂肪量、とくに飽和脂肪やコレステロール摂取を制限す
るよう推奨されています。
 牛乳の摂取は動脈硬化の原因になるという研究報告が過去にはありましたが、牛乳乳製品の摂取によって循環器系疾患のリスクが低減することが、9件の研究(N = 57,256)データのメタ解析によって報告されています5)。ランダム化比較試験(RCT)で得られた知見は必ずしも一貫していませんが、これらの研究では、有益であれ有害であれ、牛乳摂取が明らかな原因とする因果関係を示す証拠は得られていませんでした。

近年注目されているメンデルランダム化解析
食事や運動、アルコール摂取と疾患リスクとの関連については多くの交絡因子(調べようとする因子以外の病気の発生に影響を与える因子)があり、また長期の追跡時間が必要です。
そのため従来の観察研究で報告されたこれらの関連は、RCT(ランダム化比較試験)では結果が一致しないことがよくみられました。観察研究ではビタミンEの摂取が冠動脈疾患のリスク低下に寄与していることを示唆していましたが、RCTでは同様の結果には至らなかった例があります。
観察研究は、交絡因子や選択バイアス(対象者を選定する際に生じるバイアス)など、結果に影響する要因が含まれる場合があるので、因果関係について推論するには十分なものでは
ないということが言われてきました。
 今回の研究で用いられた解析手法は、遺伝疫学の分野で近年注目されているメンデルランダム化解析です。これは、ゲノム情報で予測した形質(髪の色など外に現れる性質や形)と疾病リスクとの関連を推計することにより、従来の観察研究で問題となる交絡因子に対処しようとする方法です。メンデルランダム化解析では、一塩基多型などの遺伝子多型(形質の違いに影響を与えるとされるゲノム情報の違い)がランダムに分配されるというメンデルの法則を利用して、牛乳の摂取量ではなく、ゲノム情報で予測される牛乳摂取量を用いて、心血管代謝疾患リスクを比較します。ゲノム情報で予測された牛乳摂取量の高い集団と低い集団の間では、背景因子が均等になることが期待されることから、従来の観察研究に比べ交絡因子の影響を受けにくく、観察研究に用いるデータであっても因果推論(causalinference)を可能にする手法です。

ラクターゼ遺伝子変異に着目
この論文の筆頭著者であるカラニ教授らは、牛乳の消化に関わる酵素であり、乳糖(ラクトース)の消化を担うラクターゼ酵素のラクターゼ遺伝子に着目しました。ラクターゼ遺伝子の上流に位置する一塩基多型(SNP)rs4988235 が、ヒト集団において、酵素の転写に影響を与え、ラクターゼ活性を抑えることが明らかとなっています(乳糖不耐となりうる遺伝形質)。また、この一塩基多型(SNP)の T アレル(対立遺伝子)はラクターゼ持続性と関連しており、転写因子と結合してラクターゼ遺伝子のプロモーター活性を高めることが知られています(乳糖不耐とはならない遺伝形質)。このように、一塩基多型(SNP)が乳糖の消化に影響を与えることから、一塩基多型は、牛乳摂取と疾患との関係を検討するメンデルランダム化解析において牛乳摂取量の代用として用いられてきました 6-8)。すなわち、ラクターゼ遺伝子変異の T アレルを持つ集団を牛乳摂取が高い集団、その他の変異を持つ集団を牛乳摂取が低い集団として比較することで、交絡因子を考慮しなくても牛乳摂取量と様々なアウトカム(疾患リスクなど)との因果関係の推論が可能になりました。
 最近の乳製品に関するメンデルランダム化(MR)研究は、乳製品の摂取量が多いとBMI が高いという因果関係を明らかにしていますが、循環器系疾患(CVD)との因果関係は示していませんでした9 ) 。そこで、この研究では、肥満、血圧、慢性炎症、脂質、糖代謝のマーカーも含めて、牛乳摂取と循環器系疾患、2型糖尿病,心血管代謝疾患の危険因子との因果関係を包括的に調べました。今回のメンデルランダム化解析は、3つの大型集団研究に参加した417,236人のデータをメタ解析して、さらに複数のコンソーシアム研究のメタ解析から得られた統計データを含めて検討しています。

牛乳摂取量が多いとコレステロールが低い
 1,904,220 人の大規模なメタ解析の結果、牛乳の高い摂取量を示すラクターゼ一塩基多型(SNP)rs4988235 の T アレル(乳糖不耐にならない遺伝形質)の集団は、BMI の高さや総コレステロール、LDL コレステロール値の低さなどの循環器系疾患の危険因子と有意に関連することが明らかになりました。さらに、メンデルランダム化解析(MR)を用いて相関推定値を算出した結果、牛乳摂取量が多いと BMI が高くなり、LDLコレステロール、総コレステロール、HDL コレステロールが低くなるという因果関係が確認できました。現在、牛乳摂取と循環器系疾患リスクとの関連が議論されていることを考えると、このメンデルランダム化解析の結果は公衆衛生上、重要な意味を持つと思われます。

乳糖やカルシウムがコレステロール値の低下に関与
牛乳の摂取量が多いとコレステロール値が下がる理由について、牛乳に含まれるカルシウムと乳糖は、脂質代謝に影響を及ぼすことが知られています。食事で摂取した乳糖がカルシウムの吸収を促進することで血中脂質に影響を与えるほか、ヒトでは乳糖を大量に摂取するとコレステロール値が低下します 10)。次に、食事からカルシウムを摂取すると胆汁酸の排泄を増加させ、肝臓のコレステロールから胆汁酸を再生させるので、最終的にはコレステロール濃度の低下につながる可能性があります。最後に、腸内細菌による難消化性でんぷん(RS)の発酵の結果であるとも考えられています。これらの RS はコレステロールの合成を変化させ、腸肝循環を阻害することで、コレステロール値を低下させることができるからです。

脂質コントロールが必要でも牛乳摂取する方が冠動脈疾患のリスクが低下
さらに、カラニ教授は「より高い牛乳摂取量に関連した遺伝的変異を持つ参加者はわずかに高い BMI、体脂肪を持っていたが、HDL コレステロールと LDL コレステロールのレベルは低く、冠動脈疾患のリスクも有意に低いことがわかった。これらはすべて、心血管代謝疾患の予防に牛乳の摂取量を減らす必要がない可能性があることを示唆している」と語っています。今回の遺伝疫学研究で、脂質コントロールが必要な疾病においても、牛乳摂取を控える必要はなく、むしろ摂取するほうがリスクは低下するという因果関係があることが明らかになりました。このことは、脂質摂取の質から考えると、大変重要な意味をもち、さらに研究が進めば、牛乳はn3 系脂肪酸が含まれる魚油や亜麻仁油等のように積極的に摂取するべき食品と言われる日もそう遠くはないかもしれません。今後の大規模な介入研究をはじめとしたさらなる研究が期待されます。

引用文献:一般社団法人Jミルク

2022-7-22 Category コラム, 牛コラム | Leave a Comment

もっと牛乳を飲もうコンペ

令和4年6月5日(日)12:12~
もっと牛乳を飲もうコンペ 開催しました。
今年も26名の参加いただき大盛況に終わりましたことに感謝いたします。
また多くの協賛企業、協賛者さまに景品協力いただき有難うございました。


by Sugawara

2022-6-15 Category コラム, 当社 | Leave a Comment

牛乳の栄養的特性と摂取効果について

■牛乳は「体にいいのか?」~牛乳の機能性~
2012年に農畜産業振興機構が幅広い年齢層の3,200人を対象とした牛乳摂取に関するアンケート調査の中で、およそ半数が「牛乳には、カルシウムやたんぱく質など体に必要な栄養素がバランス良く含まれている」ということを聞いたことがあると答えました8)。また、「牛乳にはカルシウムの吸収を助けて骨粗しょう症を防ぐ成分が含まれている」、「牛乳に含まれるカルシウムは、骨を丈夫にし、子どもの身長の伸びを助ける」ということも約4割が耳にしているとのことです。小学校などの若年時から牛乳の摂取が習慣化し、同時に栄養教育なども十分にされた結果なのでしょう。多くの消費者にとって、牛乳摂取は単にのどが渇いたから、あるいは料理の原材料だからというのみにとどまらず、「必要な栄養素の補給効果」、「カルシウム補給による骨粗しょう症の予防効果」、そして「子どもの身長をより伸ばす効果」をも期待していると考えられます。これらを含めて、いくつか牛乳・乳製品について健康効果を紹介したいと思います。

(1)必要な栄養素の補給・バランス補正効果
1杯(200ml)の牛乳には138kcalのエネルギーがあります。このエネルギーは成人女性(18~29歳、身体活動レベルI)の1日に必要な推定エネルギー量1,700kcalの約8%に相当します。牛乳は、分刻みで時間に追われるような忙しい社会生活の中にある社会人にとって、手軽に補える適度なエネルギー補給源としての有力な選択肢のひとつです。1日の活動が開始する前に、規則正しく朝食と牛乳を摂ること、それは、働く者にとっての一日の活力、重要なエネルギーの補給となります。
われわれヒトが食事として取り込んだたんぱく質は、栄養成分として吸収され、臓器、筋肉、あるいは皮膚など、体を構成する成分として用いられます。また、生体の代謝に必要な体内酵素・ホルモンもたんぱく質でできています。牛乳には約3.3%のたんぱく質が含まれています。摂取する食品中に含まれるたんぱく質が良質かどうか判断する際に用いられる指標として、“アミノ酸スコア”があります。生体を形成するために摂取しなければならないアミノ酸(たんぱく質のもと)の含有率をもとにした指標で、牛乳は全卵や大豆などと共に最高値の100を示します。ちなみに炭水化物の代表である精白米や小麦は主食となることが多い反面、アミノ酸のうち「リジン」が割合として少なく、アミノ酸スコアが低値を示します。リジンは体内では合成できない必須アミノ酸で、通常は考えられないですが、精白米や小麦だけを食糧とすると、必要量を確保するために大量にこれらの食品を摂取するか、別の食品からリジンの供給を頼る必要が出てきます。牛乳はリジンも適度に含み、摂取するアミノ酸バランスの偏りは生じにくい食材です。なお、“牛乳だけで栄養補給がOKである”ということを言っているのではないので誤解なさらないでください。どのような食事にも栄養的に合うということです。普段、米食、あるいはパン食が習慣化していたとしても、牛乳を摂取することは栄養バランスの偏りを矯正するのに都合がよいということです。

(2)カルシウム補給による骨粗しょう症の予防効果
牛乳にカルシウムが多く含まれることは、よく知られています。骨・歯をつくる成分であるカルシウムは、牛乳コップ1杯(200mL)の中に227mg含まれています10)。日本人の食事摂取基準2015年版(厚生労働省)から計算すると、成人が1日のうち取り込むべきカルシウムの推奨量の約3分の1~4分の1がコップ1杯に含まれていることとなります(表1)。カルシウム摂取は、成人以降は摂らなくてもよくなるどころか、むしろ歳を重ねるにしたがって、摂る量を意識的に増やしてゆかなければいけないということが示されます。とくに老齢期は骨密度が低下し、骨粗しょう症の発症リスクが高い状況にあります。老齢期における消化吸収能力の低下しがちです。しかしそういった傾向は、体内のカルシウム不足を誘発します。牛乳はカルシウム給源として有用です。
成長期は、体が大きくなってゆくにしたがい、骨も丈夫になり体積も増してゆきます。ヒトの骨は、女性が20歳前後、男性では30歳前後まで太く、密度も高くなってゆきます。しかし、骨の新陳代謝は成長の頂点であるその時点でストップするのではなく、実は一生涯続きます。骨の新陳代謝とは、骨の主成分であるカルシウムが血液へ溶け出すこと(骨吸収)と、血中のカルシウムが骨組織へ沈着すること(骨形成)という真逆の作用が同時に行われることです。成長期の頂点までは、骨成分のカルシウムは血液に溶出する量より血液中から骨へ沈着する量が多く、結果的に骨量として増大してゆくのですが、成長期を過ぎると、そのバランスは逆転します。つまり、骨を形づくるカルシウムの量が少なくなってくるということです。骨量の低下は骨の脆弱性を増大させ、骨折のリスクが増加する「骨粗しょう症」へと発展してゆきます。この病症は、分泌されるホルモンのバランスが変化する閉経後の女性、カルシウム吸収が低下する老年期の男女、あるいはビタミンK摂取低下などで発生することが知られています。骨折は生活の質、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるため、予防医学の面では骨粗しょう症の回避が盛んに叫ばれ、骨折の原因である骨粗しょう症の予防には、①立位での運動②適度なビタミンDやKの摂取③日光を適度に浴びる④若年期からのカルシウムを摂る―といったことが効果的とされています。表1からもわかるように、牛乳1カップのカルシウム量は、15~69歳の女性が推奨されるカルシウム摂取量(650mg/日)の約3分の1をまかなうことができます。カルシウム製剤というものが市販されていますが、特に病気を患っているのでなければ、朝の牛乳1杯で、十分にカルシウム補給の一助となるのではないでしょうか。無論、カルシウムは魚や野菜などほかのものからもバランスよく摂ることをお勧めいたします。

(3)子どもの身長をより伸ばす効果
子どもの成長に関わる牛乳摂取の影響について日本(静岡県)における研究例4)を紹介します。9~10歳(小学4年生)の子供たちに対して、牛乳摂取習慣と身長・体重の関係を3年後のデータと比較したデータです。3年間で伸びた身長は、1日500ml以上牛乳を飲む子供は21.3±1.1cm程度、そうでない子供は18.8±0.5cm程度と、両者間で約2.5cmの差がありました。しかし、驚くべきことに、体重は両者ともほぼ変わりませんでした。この結果は、牛乳摂取により、身長に何らかの影響をもたらすことを示しています。また、この報告では、牛乳摂取が多い例では、肥満度、総コレステロール値が低下する傾向も認められたとあります。おそらく牛乳摂取は動脈硬化を促進する要因にはなりにくく、子供の成長に重要な栄養源であると結論付けています。しかし、注意しなくてはならないのは、このデータが500mlという量で仕切られていることです。牛乳1杯は約200mlですから、500mlは2杯半ということになります。子供は牛乳を飲みすぎる傾向にあります。あまり感じにくいのですが、牛乳には糖分が多く含まれています。牛乳を飲みすぎたことで満腹になり、ほかの食事に手を付けられないということでは、元も子もありません。でも、日々の生活の中では十分に起こりえます。お子さんがおられるご家庭では、通学されている学校で給食が出ているのであれば、牛乳1本が出ているでしょう。その量を踏まえて、家ではちょっと多めの牛乳1杯を飲むくらいで、十分です。育ち盛りならば、極端な量の牛乳を飲まなくとも、食材を意識するだけでカルシウムは十分に補給できるようになります。

(4)血圧を下げる効果
牛乳はこれまで示してきたように、比較的カルシウムが多く含まれる食品であることがわかります。このカルシウムという成分は、ヒトの血圧に影響を与える要因の一つです。具体的事例を示すと、高カルシウム摂取と血圧の値との間には負の相関関係があることは、古くから知られています。乳中のカルシウムが同じく乳に含まれるカリウムと協調して、血中のナトリウムの排出を促す効果です。牛乳の主要たんぱく質であるカゼインは、互いに結び付け合ってカゼインミセルという巨大物質(と言っても、ヒトの目には見えませんが、直径で約10~300nm(ナノメートル))として存在していますが、このカゼインとカゼインを結びつけるのがカルシウムです。口の中から乳が入ると、胃でミセルが胃酸に触れ、また、消化酵素の作用でミセルが分解されたら、カルシウムがミセルから離れ、遊離状態になり体内に取り込まれるようになります。なお、ヨーグルトの上に浮いている透明な液体(ホエイ)にもカルシウムが多く含まれています。ですから、ヨーグルトを食べるときは決して捨てないようにしましょう。
また、牛乳中に含まれるカゼインやホエイたんぱく質も、分解されることで血圧低下に関する生理活性ペプチド3)を生み出す重要な給源です。発酵乳由来のこのペプチドは、血圧を上昇させるために常時生成されるアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)を抑制する効果があります(図1)。チーズなどでは比較的積極的に血圧抑制活性が調べられています。中でもしっかり熟成をしたゴーダ(熟成8カ月以上)やゴルゴンゾラに高いACE活性が見出されているようです1)。牛乳だけで血圧が下がるわけではありませんが、少なくとも血圧上昇につながるような要因は牛乳にはないようです。

(5)乳製品の虫歯予防効果
牛乳からつくられるチーズは、その多くが乳中のホエイ(乳清)を除いて作られています。ホエイには筋肉などになりやすいアミノ酸が多く含まれ、ホエイプロテインとして栄養ドリンクの材料になっています。水分の比較的少ないチーズの場合、製造工程の中で、虫歯の原因である糖分の大部分が除かれています。そのため、チーズにはむし歯の予防効果があるとの指摘が報告されています2)。
むし歯の原因は、喫食後の歯牙の間に残るプラーク内に潜在的に残る虫歯菌(S. mutansなど)が出す酸です。酸は歯の表面を覆っている硬いエナメル質・セメント質を溶かし、歯の内側の象牙質を侵蝕してゆきます。むし歯は歯が欠損してゆく誰にでも起こりうる疾患の代表例です。図2は、脱脂乳、チョコレート、ミルクチョコレート、砂糖、白いパン、チェダーチーズを口にした時の、歯垢pHの変化観察した研究例を示しています。歯垢pHは低いほど酸性化している状態を示します。pHが5.7 を下回ると、歯のエナメル質が溶けやすくなるとされています。砂糖、チョコレート、パンなどは食べた後、速やかにpHが下降し、エナメル質が溶けやすいとされるpH5.7を下回ります。一方、乳製品のひとつである脱脂乳は、飲んだ後一旦pHが低下しますが、5.7を下回らないで踏みとどまり、再度上昇しています。またおなじく、チーズ(チェダー)では摂取直後から、反対に歯垢のpHが高くなりました。このことから、チーズを食べることが、口腔内で酸を作りにくくし、むし歯になりにくい状態になるという可能性が示されたことになります。食後にひとかけら食べることで、むし歯の予防の一助になるのではと考えられます。

(6)睡眠の質とホットミルク飲用の関係
寝る前のホットミルクの飲用は、よりよい就眠につながるとか、リラックス効果があるなどといわれていますが、詳しいところはわかっていないのが実情です。2002 年にJ-milk が公表した報告書5)によると、200mL のホットミルク飲用で、寝つきや睡眠効率(就床時間に対する睡眠時間)が対照(寝る前に何も飲まない)に比べると高値を示し、睡眠の質が向上することを示されました。アルコール飲用は睡眠の質を低下させることは経験的にも理解できますが、しかし、飲酒の際にホットミルクも飲用することで、睡眠の質低下を食い止め、朝の目覚め時の負担感が軽減されることがデータ的に示されています。

引用文献:酪農ジャーナル電子版酪農PLUS

2022-6-10 Category コラム, 牛コラム | コメントは受け付けていません。

新年の御挨拶





あけましておめでとうございます。


本年もより一層の心をこめて牛の健康促進の為、誠心誠意『牛の喜ぶ』削蹄を一牛一牛努める所存でございます。


昨年中のご愛顧に心よりお礼申し上げますとともに、本年度もより一層のご支援を賜りますよう、スタッフ一同心よりお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。


㈱菅原道北削蹄所 菅原 洋充

2022-1-1 Category コラム, 当社 | コメントは受け付けていません。

第62回全国牛削蹄競技大会

令和3年11月18日(木)第62回全国牛削蹄競技大会が開催されました。
新型コロナウィルス感染拡大対策を講じた上で規模を縮小し行われました。

第62回全国牛削蹄競技大会の結果

総合成績
最優秀賞 玉川哲司  (広島県装削蹄師協会)

優秀賞  川口桂介  (群馬県牛削蹄師会)

3等賞  建部 司   (北海道牛削蹄師会) 

部門賞

牛削蹄判断競技  菅原洋充 (北海道牛削蹄師会)

牛削蹄競技    木下栄政 (広島県装削蹄師協会)

牛削蹄判断競技では
弊社、菅原が優勝しました。

総合順位では
弊社から初出場の建部がの3位でした!!
全国大会に出場できたのも、日々の業務でお世話になっている生産者様のおかげです。ありがとうございます。

選手はじめ関係者の皆さん大変お疲れ様でした。
応援して頂いた皆さん、ありがとうございました。

公益社団法人日本装削蹄協会

2021-12-18 Category コラム, 削蹄師会 | コメントは受け付けていません。

新型コロナウイルス対策による、第13回FCM中止のお知らせ

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、弊会内協議の結果、令和3年11月に開催予定していました、第13回FCM開催の中止を決定しましたので、お知らせいたします。

尚、第13回FCM中止に伴い、本会役員の発表内容を書面にて11月上旬に発送を予定しております。
タイトルは以下の通りを予定しております。

木内 彰 会長:【蹄病治療の限界(仮)】

塚田 隆興 副会長:【蹄治療いろいろ(仮)】

牧野 康太郎 理事:【粉末の蹄浴剤は冬場のPDD対策の一助となるか(仮)】

倉本 真吾 理事:【反芻回数をチェックして蹄病を減らそう!!(仮)】

魚住 和史 理事:【レピデルマスプレー使用事例紹介(仮)】

菅原 洋充 理事:【「蹄底潰瘍」や「蹄底血斑」などへのヒールレスメソッドの応用】

戸塚 征由 監事:【横臥行動で跛行を検知できるか?】

皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。



道北護蹄会 会長 木内 彰

2021-10-28 Category コラム | コメントは受け付けていません。

TikTok始めました!!

2021-7-23 Category コラム, 当社 | コメントは受け付けていません。

酪農現場における暑熱対策

1.現場で暑熱を評価する
乳牛の暑熱を評価する指標には、①乾湿球温度による体感温度、②風速による体感温度、③温湿度指数(THI:Temperature Humidity Index)、④風速、放射を考慮した修正THI(adTHI)があります。このうち、放射以外は比較的容易に計測できるので、現場での利用が可能です。
暑熱を計測するためには、温湿度計、風速計が必要となります。風車型の風速計と温湿度計が一体となった計測器が市販されているので、現場でぜひ1台用意していただきたいと思います。

暑熱の指標の詳細は以下の通りです。

1)乾湿球温度による体感温度

棒状温度計が2本並び、一方の感熱部にガーゼを巻き水つぼに浸して湿球(WB)とし、もう一方を乾球(DB)として、それぞれの温度から湿度を計測する乾湿計の表示値から体感温度を計算する方法です。

乾湿球温度による体感温度(℃)=0.35×DB(℃)+0.65×WB(℃)

で表されます。最近ではこの乾湿球型の温湿度計はほとんど用いられなくなり、デジタル式の温湿度計が広く利用されています。このため、気温(℃)と相対湿度(%)による体感温度の関係を求め表1に示しました。

この体感温度による暑熱の評価は、愛媛県、徳島県、農水省の各畜産試験場(研究当時)の研究結果から、①体感温度19.4℃から呼吸数が上昇し、②体感温度21.6℃から直腸温が上昇するとされています。また、③日平均体感温度が21.7℃以上になると乾物摂取量が低下し、④日平均体感温度が22.2℃以上で乳量が低下するとしています。この研究から、日平均体感温度が19℃を越えると「注意」が必要となり、25℃を超えると「危険」とされる領域になります。この温度を踏まえて乳牛の暑熱対策をします。

2)風速による体感温度
乳量の減少率を基にした送風効果を体感温度で表したものです。

牛舎内に風を起こして暑熱対策をするトンネル換気の原理を示す式です。

3)温湿度指数(THI)
人間の不快指数と同じ式で計算されます。

温湿度指数(THI)=0.8×DB(℃)+0.01×RH(%)×(DB(℃)-14.4)+46.4

で表されます。
THIによる評価は、ストレスなし:72未満、軽度のストレス:72~78、強いストレス:79~88、非常に強いストレス:89~98とされています。しかし、これは乳量が15.5kg台の牛により作成されたものであるため、Maderら(2006)は新基準として、ストレスなし:65未満、軽度のストレス:65~71、強いストレス:72~81、非常に強いストレス:82~92を提案しています。

これらのTHI評価基準と体感温度での評価を比較すると、体感温度の「注意」と旧基準の軽度のストレスがほぼ同じですが、新基準では気温が19℃とより低い段階から注意喚起がされていることがわかります。また、THIのほうが湿度が低くとも高く表示されることがわかります。

4)修正THI
温湿度指数を求めるときに風速と放射を考慮したものです。

修正THI=4.51+THI-1.992×風速(m/秒)+0.0068×放射

で表されます。放射は主に屋根面の温度により影響を受けます。酪農現場での放射計測は測定器が高価なため簡単には計測できないので、放射を0とし風速を計測して風速による効果が含まれたTHIとして検討します。評価指標はTHIの旧基準を用います。

2.現場での暑熱対策
現場で実施可能な暑熱対策としては、日射による影響を防ぐもの(日除け、屋根散水、屋根断熱など)と牛体から熱を奪う方法(送風、ミスト、散水、冷房など)があります。

1)日除け
東西方向の牛舎では、南側に牛床スペースがあると日射が牛舎内に入り暑熱環境を作り出すことになります(写真2)。また、寒冷地では冬期間日射を取り入れるため屋根に透明板を使っている例が多くあります。夏期はこの透明板から強い日射が差し込み牛舎内が暑熱となっていることが多くあります。
このため、日射を防ぐために庇ひさしを長くしたり、遮光ネットを庇から延ばして牛舎内に日射が入らないようにします。また、屋根の透明板の裏側に寒冷紗やアルミ蒸着シートなどの遮光資材を広げて日射をさえぎるとともに、換気を良好にして遮光資材で暖まった空気を排除します。
牛舎にパドックが併設されている場合には、パドックにも寒冷紗やアルミ蒸着シートなどを掛けて日除けすることで、舗装面温度の上昇を防ぎ、熱風が牛舎に入らないようにすることができます。

2)屋根散水、断熱、塗装
大型の牛舎では天井を張らないので、多くの場合屋根裏面が直接見えます。屋根面が日射で高温になると、放射熱で乳牛は暑熱を感じます。このため、屋根面を冷やすために散水したり、断熱をして屋根裏が高温になるのを防いだり、反射率の高い塗装することで屋根の温度上昇を抑えるようにします。

3)送風機
風による体感温度のところで示したように、1m/秒の風速で体感温度は6℃低下することから、乳牛に風を当てることは暑熱対策として極めて有効な手段です。牛舎周囲の風向に逆らわないようにして牛舎内に効果的に風をながします。トンネル換気も有効な手段ですが、縦断方向よりも横断方向に風をながした方が極めて効果が高くなります。特につなぎ飼い牛舎では、横断換気の方が乳牛に直接風を当てることが容易になるため効果が高くなります。

4)ミスト
送風機とセットでミストを噴霧すると気化冷却で乳牛の体温を低下させることができます。湿度が低いときには極めて高い効果がありますが、湿度が高いと気化冷却の効果が薄れるため、牛床を濡らす原因にもなるので注意が必要です。

5)牛体への散水
牛体に直接散水して冷却するとともに、送風をして牛体からの熱を奪うことができます。フリーストール牛舎の飼槽部分に散水ホースを設置して採食時に散水する「ソーカーシステム」が広く利用されています。乳牛が混み合う待機室でも、乳房まで濡れないように注意して散水します。
つなぎ飼い牛舎では、牛床まで濡れてしまう場合があるので注意が必要です。

6)冷房・除湿
気温が35℃以上の猛暑日などは、風を当てても効果が薄れるため、冷房や除湿も検討されていますが、コスト的に見合うかどうか十分な検討が必要です。
地中熱交換等の冷房では除湿されない場合が多く、空気温が下がっただけでは逆に相対湿度が高くなり、現在の体感温度やTHIから右上に移動するだけで、ほとんど効果がない場合があるので注意が必要です。

7)牛舎周囲の緑化
牛舎周囲を緑化することでも、牛舎内の温度低下が期待できます。作業動線や敷地の広さにも影響を受けますが、舗装面はできるだけ抑えて、緑地を増やすことで景観も良くなります。

3.現場での注意点
1)温湿度計を設置して現状を知る
牛舎内がどれだけの暑熱環境にあるかを正確に知るためにデジタル温湿度計を設置します。
まずは現状を知らないと対策をとることができません。安価な温湿度計が多く出回っているので、できるだけ表示が大きなものを直射日光が当たらない場所に設置し、日々点検します。
乳牛が暑熱を感ずるのは湿度70%では気温22℃くらいからなので、人間にとっては快適であっても牛舎内は暑熱環境にあることになります。乳牛からは大量の熱と水蒸気が発生しているので、気温が20℃くらいでも牛舎内は気温・湿度ともに高くなって暑熱になっている場合があります。特に、搾乳時の待機室は乳牛が密集するため暑熱になりやすいので注意が必要です。

2)インバータの作動温度をチェックする
牛舎内の気温は日中高く夜間は低くなり、湿度は夜間から明け方高く日中は低くなります。このため、インバータの強弱の作動温度が高い場合、気温が低くなっても湿度の高い夜間に、送風が必要なのに送風が弱く乳牛を十分に冷却できない場合があります。体感温度をチェックしながら、夜間であっても風量が落ちないようにしたり、散水をするなどしてしっかりと暑熱対策をする必要があります。

3)暑熱期以外の暑熱対策
人間でも身体が馴れていないときの暑さは非常にこたえるし、暑熱期が終了した秋でも残暑が続くとこれまたこたえるものです。乳牛も同じであることから、こうした期間でも細心の注意を払って乳牛の健康管理に心掛けて欲しいと思います。

引用文献:酪農ジャーナル電子版酪農PLUS

2021-6-24 Category コラム, 牛コラム | コメントは受け付けていません。

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