■日本食肉格付協会が定めている取引の格付け
日本における食肉規格格付事業は、昭和36年代に公布された畜産物の価格安定等に関する法律の施行とともに実施され、その後、全国的な展開をみてきました。
当時は社団法人日本食肉協議会がこの事業を実施しておりましたが、食肉需給規模が年々拡大し、流通形態も大量かつ広域的な流通へと進展し、経済性の高い肉畜生産及び流通の指標としての規格格付の重要性と、より一層の公共性が要求されるようになりました。
このような状況に対処して食肉規格格付事業を専門的に行う機関として、昭和50年2月1日に当時の畜産振興事業団(現在、農畜産業振興事業団)、都道府県及び全国組織を会員として、日本食肉協議会の格付事業部門を分離継承して社団法人日本食肉格付協会が設立され、今日に至っております。
●歩留まり等級(例 A-5 B-4等のアルファベット部分)
高 A-B-C 低
A 部分肉歩留が標準より良いもの
B 部分肉歩留が標準のもの
C 部分肉歩留が標準より劣るもの
アルファベットの部分は歩留り等級を3段階(A,B,C)で表しています。
生体から皮、骨、内臓などを取り去った肉を枝肉(エダニク)といいます。 このとき生体から取れる枝肉の割合が大きいほど等級が高くなります。 つまり同じ体重の牛でもたくさんの肉が取れる方が良いということです。
●肉質等級(例 A-5 B-4等の数字部分)
高 5-4-3-2-1 低
数字の部分は、「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉のしまりとキメ」「脂肪の色沢と質」の4項目5段階(1,2,3,4,5)の肉質の等級を決めています。 そして4項目の総合的な判定から最終的に肉質等級が決定します。
「脂肪交雑」
等級 B.M.S.
5 かなり良いもの No.8~No.12
4 やや良いもの No.5~No.7
3 標準のもの No.3~No.4
2 標準に準ずるもの No.2
1 劣るもの No.1
霜降の度合いを表しています。 BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)という判定基準があり、これによって評価されます。
「肉の色沢」
等級 光沢
5 かなり良いもの
4 やや良いもの
3 標準のもの
2 標準に準ずるもの
1 劣るもの 等級5~2以外のもの
肉の色と光沢を判断します。 「脂肪交雑」と同様に、肉の色にはBCS(ビーフ・カラー・スタンダード)という判定基準が設けられています。 一般的に鮮鮭色が良いとされています。また光沢については見た目で評価されています。
「肉のしまりときめ」
等級 きめ
5 かなり良いもの
4 やや良いもの
3 標準のもの
2 標準に準ずるもの
1 劣るもの 粗いもの
見た目で評価されます。 肉のきめが細かいと柔らかい食感を得ることが出来ます。
「脂肪の色沢と質」
等級 光沢
5 かなり良いもの
4 やや良いもの
3 標準のもの
2 標準に準ずるもの
1 劣るもの 等級5~2以外のもの
色が白またはクリーム色を基準に判定され、さらに光沢と質を考慮して評価されます。
●肉質等級の決定
肉質等級は、脂肪交雑・肉の色沢・肉の締まり及びきめ・脂肪の色沢と質の4項目のうち、最も低い等級に格付けされます。
(例)
脂肪交雑 5
肉の色沢 5
肉の締まり及びきめ 4
脂肪の色沢 5
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肉質等級4になります。
実際の表示では2つの等級を組み合わせてA-5、B-3というように表示しています。歩留まり等級が3段階、肉質等級が5段階ですから牛肉の等級は全部で15段階あることになります。
最高ランクである「A-5」に評価される牛肉はほぼすべてが和牛です。 といっても育てられた和牛のほとんどが「A-5」と評価されるわけではありません。 ごく少数の選び抜かれた牛だけが最高のランクとなるのです。 割合でいくと和牛の約15%でしかありません。
また交雑種が「A-5」、「B-5」になることもありますが非常にまれなケースです。 一般的に和牛はAクラスに、その他の牛はBクラスに評価されることが多いです。 つまり和牛は1頭から多くの肉を得ることができ、肉用牛として最適な牛であると言うことが出来ます。
参考文献:焼肉大好き.コム
by EITARO (sato)