肢蹄病について

––– 肢蹄病とは? –––
肢蹄病とは何か?と言うところから始めさせていただきますと、『肢(あし)の病気』と『蹄(てい)の病気』に分類されます。

各疾病に関しては、個別の要因と対策があります。
一度に多くを解説するとあまりに長文になりますので、今後一つ一つ解説をしていこうと思います。
肢蹄病の解説に先立って、コラムをご覧の皆様に知っていただきたいのは『肢蹄病の経済損失』になります。
肢蹄病になるとどれだけの経済損失があるのか?皆さんがよく耳にするのは以下の2点かと思います。

・繁殖成績悪化による経済損失
・乳量低下

上述した2点は大きな経済損失となりますが、実際にはそれ以外にも計上される経済損失があります。

下記にスペインにおける大規模調査(N = 108,468)の結果をお示しします。
多くの農場で最も問題となりうる、DD(趾皮膚炎)、蹄底潰瘍、白帯病を主眼にした研究です。
表に赤文字で記載されている『重度』が跛行牛(足が痛い牛)と考えてください。

上図には乳量低下・繁殖成績悪化という項目以外にも、労働力や淘汰なども経済損失として計上されています。
全ての項目の経済損失を数値化すると、1年間における1頭当たりの経済損失は以下となります(1$ = 140円で試算)。

・DD:56,350円
・蹄底潰瘍:87,108円
・白帯病:93,702円

1頭の牛だけでも大きな経済損失が生まれていることがわかりますが、牛群規模で考えると更に大きな経済損失となります。

仮に、200頭規模の牛群で、10%の牛がDDに罹患していたとします。
その場合、200頭 ÷ 10 = 20頭がDDとなりますが、上述した経済損失額を掛け合わせると『牛群での年間経済損失額』は以下になります。

* DD 20頭 x 56,350 円 = 1,127,000円(年間)

上記試算はDDのみに焦点を当てており、その他の肢蹄病を含めると、経済損失がさらに大きなものとなるのは明らかです。

では、実際にどのような理由で肢蹄病が発生するのか、どう予防していく事が望まれるのか。

次号より、現場に落とし込んだ話をしていこうと思います。

(文責:牧野 康太郎)
引用:
詳しくは:タイセイ飼料株式会社