北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

平成31年度 北海道牛削蹄師会 通常総会開催

平成31年度 北海道牛削蹄師会 通常総会開催

平成31年4月25日(水) 札幌のTKPガーデンシティーPREMIUMにて行われました。
総会前の削蹄研修会では、『酪農学園大学の削蹄実習』と題しまして、
酪農学園大学獣医臨床教授 阿部 紀次 様より講演がありました。
フォトで様子をお伝えします。














































締めのあいさつは最年少の当社森田君です。

byRIMU

2019-5-24 Category コラム, 削蹄師会 | コメントは受け付けていません。

とある獣医師の独り言62

先月はSARAの原因はStr.Bovisがデンプンなどの炭水化物を発酵することで作られる乳酸であると言うところまでお話ししましたが、今月はその続きです。


乳酸はもちろん酸です。ですからこれが大量に作られるとルーメンは酸性に傾きます。ここで問題になるのは、他のセルロース分解菌や繊維利用菌、真菌、プロトゾア(原虫)といったルーメン微生物は酸性に弱いという点です。つまり、酸に弱い微生物は死滅してしまい結果としてルーメン内はStr.Bovisが優位となり、さらに乳酸が過剰に産生されますますルーメン内は酸性化していきます。この結末がSARAです。
何度も言いますがSARAはStr.Bovisが作る乳酸が原因です。

SARAは何を起こすのか?
ではSARAは実際に何を起こすのでしょうか。一番の問題は単純に栄養失調に陥るという点です。牛のエネルギー源は何度も言っていますが、プロピオン酸に代表されるVFA(揮発性脂肪酸)です。これらを作ることができるのは繊維分解菌や真菌、プロトゾアです。酸性になりこれらがいなくなったルーメンではVFAが作られず、牛はエネルギー不足に陥ります。さらに牛が体で利用するたんぱく質の半分はルーメン微生物のそのものです。正常なルーメンで良好な発酵が行われれば、四胃に流れ込む微生物は一日あたり5キロになると言われています。しかしSARAになれば微生物が減少しているため流入する微生物量は減少し、牛はたんぱく不足にも陥ります。ですからSARA下ではエネルギーもたんぱく質も不足することで栄養失調起こし、様々の病気の引き金となっていきます。
今月はここまでです。SARAの起こす病気についてさらにお話しします。

2019-5-15 Category とある獣医師の独り言, コラム | コメントは受け付けていません。

とある獣医師の独り言61

先月はルーメン微生物が炭水化物を発酵して揮発性脂肪酸(VFA)を作るところまでお話ししましたが、今月はその続きです。

SARAの原因
微生物によって作られた揮発性脂肪酸(VFA)は、ルーメンの表面の絨毛と言うひだから吸収されて、血液に乗り肝臓に運ばれます。その中のプロピオン酸がブドウ糖に再度合成されることにより、牛はエネルギーを得ることができます。ちなみに人の血糖値(ブドウ糖濃度)は100mg/dlですが牛は70mg/dl程度です。人間であれば倒れてしまうほどの低血糖です。牛はなぜ平気なのか?それはVFAを直接利用できるからです。これはケトーシスとも関連する話なので、いずれまたお話しします。



炭水化物の消化に戻しますが、ここで上の表を見て欲しいのですが、主にプロピオン酸を作ることができるルーメン微生物は赤枠で囲ったデンプン分解菌と可溶性繊維分解菌の二種類です。この二種類の菌がデンプンやデキストリン、糖などのいわゆる炭水化物を分解してプロピオン酸を作っています。これらの菌のおかげで牛はエネルギーを得ているわけです。しかし、デンプン分解菌中の中でStreptococcus bovis(緑線)はプロピオン酸を作らないという点に注目してください。この菌は他のデンプン分解菌と同じように炭水化物を発酵するのですが、プロピオン酸ではなく乳酸を作る(紫丸)という点が非常に問題です。この乳酸がルーメン内に蓄積することでSARAの原因となるのです。この続きはまた来月。

byとある獣医師

2019-4-22 Category とある獣医師の独り言, コラム | コメントは受け付けていません。

削蹄通信Vol.16号発行しました!



お待たせしました。
年2回発行の当社削蹄通信Vol.16を4月2日発行しました。

今回も牛の情報から当社の紹介まで充実の内容です。
順次畜主様、関係機関へお渡しとなりますのでよろしくお願いします!

by RIMU

2019-4-2 Category コラム, 当社 | コメントは受け付けていません。

とある獣医師の独り言60

今月は牛の炭水化物の消化吸収についてお話ししていきます。

炭水化物の消化(牛の場合)
当然ですが、牛も口から炭水化物を摂取するわけですが、その消化は口に入った時点から人間のそれとは大きく異なります。牛は唾液の中に炭水化物を分解する酵素、唾液アミラーゼを持っていません。つまり牛は食べ物を口の中で咀嚼し唾液と混ぜることはせずに、ほぼ丸呑みします。丸呑みされた炭水化物は反芻動物の最も特徴的な器官第一胃(ルーメン)に入ります。牛のルーメン内には表1に代表される無数の微生物が存在し、牛の炭水化物の消化のメーンはこのルーメン微生物の消化つまり発酵に頼っています。彼らが炭水化物を分解発酵し、揮発性脂肪酸(VFA)=ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸を得ることで牛はエネルギーを得ることができるのです。ルーメン微生物の中には人間が植物繊維としてしか利用できないセルロースやデキストリンなどを分解し、炭水化物として利用できるようにしてくれるセルロース分解菌や可溶性繊維分解菌も存在します(表1)。セルロースと言えばティッシュペーパーで、デキストリンと言えば特定保健用食品(トクホ)の飲料に含まれる難消化性の繊維のことです。牛はティッシュも消化できるしトクホを摂取しても糖の吸収を穏やかにはしてくれないってことです。

話は逸れましたが、次回はルーメン微生物による発酵でできたVFAを牛はどう利用するか、そしてSARAの原因はどこにあるのかについてお話ししていきます。

表1 代表的なルーメン微生物と発酵物質と発酵産物


byとある獣医師

2019-3-12 Category とある獣医師の独り言, コラム | コメントは受け付けていません。

第31回昭和新山国際雪合戦

平成31年2月23、24日に第31回昭和新山国際雪合戦が壮瞥町昭和新山で開催されました。
当社の松原駿が所属するチーム「なよろ煮込みジンギスカン隊」が出場!












What’s Yukigassen
国境を越えたボーダレス・スポーツとして歴史を刻みつつある「YUKIGASSEN」。
現在10カ国で大会・イベントが行われ、その競技人口は世界へと広がりを見せている。チームは9名(出場は7名)の選手と1名の監督により編成。強い精神力と瞬時の状況判断力、そして巧みな戦術を生み出す知力が求められる。
敵の雪球から身を守るのは要砦シェルターと手に握る雪球のみ。シェルターに身を潜め、攻撃のチャンスをうかがう。敵陣のフラッグを奪うもよし、雪球で敵を倒し判定に持ち込むのもよし。白銀のコートには筋書きのない戦いとドラマが待っている!

















第31回大会一般の部結果
■一般の部
・優勝 AS・SC(胆振支部)
・準優勝 第N回優勝札幌チーム(道央ブロック支部)
・3位 稲穂Blizzard(道央ブロック支部)、OZ(東海連盟)
・ベスト8 でぃくさんズ神出(道央ブロック支部)、JackBond$(道央ブロック支部)、あすとろうず。(道央ブロック支部)、DACS(道央ブロック支部)
・ベスト16 余暇研X(道央ブロック支部)、北軽ピーチ(群馬県連盟)、東部レイダース(岩手県連盟)、室蘭工大月光(胆振支部)、SATT(道央ブロック支部)、SJ松江(島根県連盟)、岐阜KCY(東海連盟)、駒沢野球部OB(胆振支部)
※以上16チームは第32回大会シード













応援団

by sugaWara

2019-3-2 Category コラム, 当社 | Leave a Comment

NEW移動式簡易枠場紹介

本日は、NEW移動式簡易枠場紹介を簡単ではございますが、ご紹介させていただきます。






















photo by rimu imai

2019-3-2 Category コラム | Leave a Comment

とある獣医師の独り言59

生き物が生活するためには食事から栄養を得るわけですが、それを役割から炭水化物、たんぱく質、脂質、無機質、ビタミンの五種類に分けられます。これを総称して五大栄養素と言います。これらが生きていく上で必要なのは人間でも牛でも犬でも変わりはありません。ただ、人や犬はたんぱく質として肉を食べますが牛は肉を食べません。人や犬はご飯やパンを食べますが、牛も多少トウモロコシなどを食べますがあの体を維持するほどの量は食べません。牛は我々が食物繊維としてしか利用できない “草”しか食べなくても炭水化物とタンパク質を賄うことができる非常に優れた生き物です。高水分サイレージとSARAについてお話しする前に過去にもこのコラムでお話していますが、もう一度牛の炭水化物とたんぱく質の消化について人と比較しながらおさらいしておきましょう。

炭水化物の消化(人の場合)
炭水化物はブドウ糖がたくさんくっ付いた形です。これを酵素などの働きを借りて最終的にブドウ糖にまで分解して体に吸収させるのが炭水化物の消化吸収です。人は米やパンなどの炭水化物を食べると口の中で咀嚼することで唾液と混ざり、唾液の中の消化酵素、唾液アミラーゼによってデキストリン(ブドウ糖の重合体、炭水化物より小さい)に分解されます。これが胃に流れますが、胃には炭水化物を消化する酵素が無いのでそのまま十二指腸に流れ込み十二指腸で膵臓からの膵アミラーゼで更に分解され、その後、最終的に小腸でマルターゼやスクラーゼの作用を受けてブドウ糖に分解され腸壁から吸収されます。
通常は吸収されたブドウ糖は筋肉や肝臓に取り込まれそこで利用され、残りは貯蔵し、さらに余った分は脂肪細胞に取り込まれ中性脂肪として蓄積されます。このブドウ糖の吸収に必要なホルモンがインスリンです。ですからインスリンが正常に出なくなると臓器に取り込まれずに血糖値が上昇し糖尿病を発症することになります。

次回は牛の炭水化物の消化吸収をおさらいしましょう。

byとある獣医師

とある獣医師の独り言58

新年あけましておめでとうございます。しばらくこのコラムをお休みしておりましたことをお詫びいたします。また少しずつ更新していこうと思っていますので、お暇なときにでもお付き合いをお願いします。
さて、平成も残すところあと4か月となりました。この平成と言う時代は乳牛にとって非常に過酷な時代でした。泌乳期には乳量を増やすために粗飼料を減らし、濃厚飼料を多給される。乾乳期には稼がないからと言って濃厚飼料は与えられず、質の悪い粗飼料のみが与えられる。このような管理で牛が一年を通してまともに餌を食べられるわけもなく、病気や繁殖率の低下などでどんどんと淘汰され、牛の平均産次数が3産を切った農場も多くありました。しかし、ようやく平成も終わる最近になって乳牛に合った飼養管理と言うものが考えられるようになって、少しずつではありますが病気が減り、長命多産を目指せる状況になってきました。相変わらず乳代も個体販売も肉値も高止まりが続いています。こんな時こそ病気を減らして、牛を健康に保つことこそが肝要です。『このコラムを通して経営安定化を』とまで大それたことを言おうは思っていませんが、少しでも病気を減らすために役立てていただければと思っております。
ここ数年は温暖化の影響なのか私が診療している宗谷地方では夏場の粗飼料収穫時期に長雨が続く傾向があります。その影響でサイレージの水分が高い状況が続いています。この高水分サイレージを食べることによってSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)を起こすやすくなります。なぜでしょうか。来月からは手始めにそこをお話ししようと思います。

byとある獣医師

2019-1-7 Category とある獣医師の独り言, コラム | コメントは受け付けていません。

年末のご挨拶



今年も早いもので、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。

本年も、大きな怪我もなく、スタッフがまた少し成長できた一年になりましたこと、皆様に感謝いたします。

来年もより一層の心をこめて牛の健康邁進の為、誠心誠意『牛の喜ぶ』削蹄を努める所存でございます。

本年中のご愛顧に心よりお礼申し上げますとともに、来年もより一層のご支援を賜りますよう、

スタッフ一同心よりお願い申し上げ、年末の挨拶とさせていただきます。

㈱菅原道北削蹄所 菅原 洋充

2018-12-31 Category コラム, 当社 | コメントは受け付けていません。

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