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とある獣医師の独り言47


二月になりました。今年はいつもの年よりかなり早く一月下旬に流氷がやってきました。紋別や網走よりも早く稚内の宗谷岬に接岸したそうです。これは観測史上初の事態だそうで、これも異常気象の一つなのかもしれませんね。流氷は様々なプランクトンや栄養素を氷漬けにして北海道まで運んでくるため、オホーツク海を豊かにしてくれると言われています。しかし、流氷の上を渡ってくる風は非常に冷たく、また海が氷で閉ざされることにより、内陸的な気候になることで朝晩の冷え込みが厳しくなります。ますます外に出るのが億劫になってしまいます。まだ二月ですが春が待ち遠しいです。では本題です。
先月は蹄底潰瘍の原因は蹄の構造によるという話までしましたが、その続きからです。
いわゆる蹄(ひづめ)は外側の蹄壁と底の部分にあたる蹄底、そして蹄壁と蹄底をつなげている白線によって構成されています。蹄壁は我々人間でいうところの爪にあたり、皮膚と蹄壁の境目の蹄縁角皮という部分で作られます。一方で蹄底は人で言えば指の腹の皮が非常に固く肥厚したもので、蹄底の内側にある蹄真皮という部分で作られます。そして、蹄壁と蹄底を強固に結合している部分が白線になります。
さらに蹄の内部を見ると、大まかに蹄骨と呼ばれる骨と伸腱(しんけん)と深屈腱(しんくっけん)と呼ばれる二本の腱、さらに蹄球枕(ていきゅうちん)で構成されています。伸腱は蹄を伸ばすための腱、屈腱は蹄を曲げるための腱です。我々が指を伸ばしたり曲げたりするのをイメージすると分かり易いと思います。そして、蹄球枕は蹄骨や蹄真皮を床からの衝撃から守るクッションの役割をします。図を見ると分かるように、蹄骨は蹄の前方は蹄葉を介して蹄壁に付着しているものの、後方はどこともくっついてはいません。蹄骨の後方は腱の付着部(図の赤〇)で深屈腱に釣り上げられながら、蹄球枕に浮いているような状態です。この不安定な蹄の内部構造が牛の蹄底潰瘍の誘発の最大の要因になっているのですが、この続きは次回にお話しします。
お付き合いありがとうございました。


蹄の構造(フットケアガイドより引用)


蹄の内部構造(フットケアガイドから引用 一部変更)

by とある獣医師



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