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とある獣医師の独り言32

10月ですね。今年も残すところあと3カ月です。ところで、先日の爆弾低気圧はすごかったですね。私の住んでいるオホーツク海側でもものすごい暴風が吹き荒れ、牛舎などに被害が出ました。皆さんのところはどうでしたか?このように低気圧が台風のように発達するのはやはり日本海の水温が高いからだそうです。最近は水温上昇のせいで魚の生息域も変わり、本来釣れるはずの魚が釣れません。地球温暖化大丈夫でしょうか、心配になります。

では、本題です。先月までは牛の炭水化物の消化についてお話ししましたが、今月からはタンパク質についてです。炭水化物の時と同様に人と牛を比較しながら見ていきましょう。今回は人のタンパク質の消化です。タンパク質はすべての動物の体の細胞を構成している主な成分で、筋肉や内臓のみならず、爪や髪の毛までもがタンパク質で出来ています。口から摂取したタンパク質を分解して体に必要なタンパク質に再合成ために必要なアミノ酸まで分解して吸収するのがタンパク質の消化吸収です。


図 1 人のタンパク質の消化

人が摂取するタンパク質の代表と言えば肉ですが、口から入った肉はまず歯で噛みつぶしてから呑込みますが、人の唾液には肉を分解できる消化酵素は含まれておらず、口ではタンパク質は分解される事はありません。つまり口ではただちぎって物理的に細かくしているだけです。実際の消化は胃に入ってから胃酸の影響を受けてタンパク質の構造が変化することから始まります。さらに胃では胃壁からペプシンと言う消化酵素が分泌されており、これによってペプトンへ分解されます。ペプトンはさらに十二指腸へと流れ、膵臓から分泌される膵液に含まれるトリプシンや、空腸、回腸(いわゆる小腸)で腸液の中のアミノペプチターゼなどによってさらに分解され、ポリペプチド、ペプチドを経て、最終的にアミノ酸にまで分解されます。アミノ酸は小腸の絨毛から吸収され、門脈を通って肝臓、心臓を経て全身の細胞などに運ばれて利用されます。これがタンパク質の消化吸収の一連です。
では全身で利用されもさらにアミノ酸が余った場合はどうなるのでしょうか。実はアミノ酸はブドウ糖とは異なり体に蓄える事が出来ません。余ったアミノ酸は肝臓でブドウ糖へと変換されて、最終的には中性脂肪として内臓や皮下に貯蔵されることになります。これが肉を食べたほうがご飯を食べるよりも太りにくい、つまり脱炭水化物ダイエットの考え方の元になっています。同じお腹いっぱいにするなら、肉の方が脂肪に変換するのに手間がかかる分太りにくいと言う事です。逆に飢餓が続き全身のエネルギーが不足すると、今度は全身の筋肉を分解しアミノ酸を作り、さらにアミノ酸をブドウ糖に変換して全身で利用するということもできます。タンパク質と炭水化物はお互いにバランスを取りあいながら体を維持しているわけです。
今回の挿絵は食肉なんでも大図鑑から引用させていただきました。

今月は以上です。来月もお付き合いお願いします。

byとある獣医師

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