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とある獣医師の独り言53



8月になりました。今年もパッと暑い日が来ませんね。去年の北海道は8月に3つの台風が上陸し、十勝地方を中心に甚大な被害を与えたのは記憶に新しいです。昔は北海道に台風は上陸しないという認識でしたが最近はそうでもないようです。これは太平洋の海水温の異常上昇が原因と言われています。しかし、今年はその海水温が平年並みに下がっているという話を聞きました。しかし、このコラムを書きながら台風5号が北上してきているのが気になります。あまり被害が出ないことを祈るばかりです。それでは本題です。
ルーメンアシドーシス(SARA)と蹄底潰瘍の続き、ヒスタミンの話です。

◎ヒスタミン

ヒスタミンという名前はアレルギーに関連する物質なので耳にしたことがある人もいると思います。ヒスタミンは白血球の一種のような細胞に蓄えられ、刺激があると分泌され血流に乗り、全身に作用するホルモンのような物質です。ご存知のようにヒスタミンが大量に出るとアレルギーを起こします。鼻や口に作用すると花粉症の時のように鼻水が出るし、皮膚に作用した場合は蕁麻疹(じんましん)を起こし、症状がひどい場合には呼吸困難を起こし、死亡することすらあります。なぜアレルギーを起こすような物質がわざわざ体内で作られるのか、それは未だに完全に解明はされてはいません。ただ、侵入してきた異物を早く体内から排出できるように、末梢の血管を広げる役割があることはわかっています。
人ですらまだわからないヒスタミンですから、牛の蹄底潰瘍におけるヒスタミンの関連はまだまだ解明されていない部分も多いのですが、エンドトキシンと深く関連するということが言われています。SARAによって死滅した細菌からエンドトキシンが排出され、そのエンドトキシンがヒスタミンの過剰産生を起こします。そのヒスタミンは血流に乗って末端までいきわたり、蹄真皮に炎症を引き起こします。そのせいで蹄真皮の血流が悪くなり、充血・出血・浮腫が起こります。固い蹄鞘内での蹄葉の浮腫は蹄の中部組織の圧迫を起こし、蹄葉の血液の流れがさらに悪くなり、正常な蹄の角質が形成できなくなることで蹄葉炎や蹄底潰瘍へと繋がっていきます。

SARAはエンドトキシンとヒスタミンの両方で蹄をいじめるわけです。
 
今月は以上です。


byとある獣医師

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