北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

年末のご挨拶

本年中のご愛顧に心よりお礼申し上げますとともに来年もより一層のご支援を賜りますよう、スタッフ一同心よりお願い申し上げます。

株式会社 菅原道北削蹄所
菅原洋充



2015-12-30 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言34

早いものでもう12月です。今年はスーパーエルニーニョ現象とかで暖冬になるそうです。確かにいつもの12月よりは暖かいような気はしますね。個人的には年齢とともにだんだん寒さが嫌いになってきたので、暖かい冬は大歓迎ではありますが、あまりに雪のないのも北海道らしくないですし、氷に穴を開けてのチカ釣りもできないのもさみしいので、適度な寒さの冬であってほしいですね。
本題です。今月からは数回に分けてルーメンアシドーシスのついてお話ししていこうと思います。いまさらですがルーメンアシドーシスとは何でしょうか。文字通り何らかの原因で第一胃が酸性化してしまうことです。その酸性化を起こす酸は何でしょうか。それは乳酸です。牛の炭水化物の消化吸収のところでお話ししましたが、牛はルーメンで生成される乳酸なしでは生きていけません。それは乳酸をプロピオン酸に変えてルーメンから吸収することにより、体を維持するためのエネルギーを得ているからです(図1)。
図1 ルーメンでの炭水化物の変化


では、この乳酸がなぜ一胃で悪さをするのでしょうか。単純に言えばできた乳酸をプロピオン酸に変えることができなくなり、乳酸がルーメン内にあふれるからです。乳酸は非常に強い酸であり、酸性化したルーメンは酸に弱いルーメン内微生物を死滅させ、その毒素が全身に回るためさまざまな病気を引き起こします。これら酸性化によって引き起こされる様々な症状の総称がルーメンアシドーシスです。
ルーメンアシドーシスと言えば盗食を思い起こす方もいるかと思いますが、現在問題とされているのは盗食の時の起こるような急性のアシドーシスではなく牛の普段の採食行動の中で起こるアシドーシスであり、亜急性ルーメンアシドーシスまたは潜在性アシドーシスと呼ばれているものです。詳しい症状については今後お話していきますが、潜在性というよりは蹄葉炎や肝炎、乳房炎など病気として症状を見せることが多いため急性に準ずるという意味で亜急性ルーメンアシドーシス、SARA(サーラ)と呼ばれています。
ではSARAはなぜ起こるのか。それは牛の体の特性上から二つの原因が考えられます。一つ目はルーメン内で産生された乳酸を処理(プロピオン酸に変換)しきれない場合、そしてもう一つは乳酸を中和できなかった場合です。
来月はこれらの原因それぞれについて詳しく説明していきます。

今年も一年間このコラムにお付き合いありがとうございました。もしよろしければ来年もよろしくお願いします。
少し早いですが、よいお年をお迎えください。

2015-12-12 | Leave a Comment

北海道酪農技術セミナー2015 参加

平成27年11月5日~6日に北海道帯広市で開催されました。
今年も宗谷地区NOSAI中部支所 塚田獣医師と参加しました。





sony rx-100
photo by sugawara

2015-12-5 | Leave a Comment

第57回全国牛削蹄競技大会

平成27年11月12日(木)茨城県水戸市鯉淵学園農業栄養専門学校様で
第57回全国牛削蹄競技大会が開催されました。

競技大会の成績は以下のとおりです。

『総合順位』
最優秀賞
佐藤 範夫(山形県牛削蹄師会)

優秀賞
伊藤 真人(山形県牛削蹄師会)

第3位
川口 佳介(群馬県牛削蹄師会)

第4位
林 信行(北海道牛削蹄師会)

第5位
弊社 菅原 洋充(北海道牛削蹄師会)

第6位
佐野 正(北海道牛削蹄師会)
『 部門賞』
判断競技 優賞
遠藤 強(宮崎県装削蹄師会)

牛削蹄競技 優賞
佐藤 範夫(山形県牛削蹄師会)

牛削蹄判断競技では
弊社から出場の菅原 洋充が2位で大健闘でした。

北海道から出場した選手も上位で惜しくも優勝ではなりませんでしたが、大健闘でした。

選手はじめ関係者の皆さん大変お疲れ様でした。

応援して頂いた皆さん、ありがとうございました。





削蹄判断の様子










削蹄競技の様子




FUJIFILM X-M1 FUJIFILM XC16-50mm F3.5-5.6 OIS
photo by EITARO (sato)

2015-11-25 | Leave a Comment

ギネスに認定された世界最大の牛

世界最大の牛を紹介します。
こちらが今回「世界で最も大きな牛」としてギネスに登録されたブロッサムちゃん。写真に写っているペティーハンソンさんが愛情をもって育てている。
この牛の種類はホルスタインで現在13才のメス!!全長はなんと約4メートルもあります!!(凄いッ!!
日本のホルスタインの平均身長は1.4メートルなのに対し、この牛は1.9メートルと平均より50センチもオーバーしています!!!!!!

映像で見るとさらに大きさが伝わります。
こちら

by RIMU

2015-11-25 | 2 Comments

とある獣医師の独り言33

11月です。今月は第二回フットケアミーティングがあります。講師をお願いした皆様方、お忙しい中快くお引き受けいただきましてありがとうございます。本番までもう少しです。頑張ってください。また、このコラムを読んでいただいている方で興味のある方は、是非参加してみてください。蹄に関して様々な話が聞けると思います。詳しくは道北護蹄会のバナーをクリックしてみてください。よろしくお願いいたします。

では、本題です。先月は人のたんぱく質代謝につてお話ししました。今月は牛のたんぱく質の代謝についてです。たんぱく質の代表格といえば当然お肉です。しかし皆さんもご存じのとおり、牛は草食動物であり、肉を食べません。では畑の肉と言われる大豆に代表される豆類をたくさん食べるのかというと、確かにマメ科の牧草は牛にとって重要ではありますが、牛が必要とするだけのたんぱく質を補えるだけの豆は食べません。では、どこからあの大きな体を作り上げるたんぱく質を得ているのでしょうか?今月はそこのところをお話ししていきます。


乳牛の胃袋


ルーメン微生物

何度もお話ししていますが、牛にはルーメンという食道が変形し袋状になった独特の器官を持ち、その中に大量の微生物を養っています。結論から言うと、その微生物こそが牛のタンパク源になっているのです。ルーメン微生物には大きく三つの役割に分類できます。一つはたんぱく質をアンモニアまで分解する微生物。もう一つはデンプンをプロピオン酸に分解する微生物。三つめはセンイ(以前は繊維としていましたが、最近はカタカナ表記が多くなってきたのでそれに習います)を分解する微生物です。これらが相互に作用することによりルーメン環境を整え、さらなる微生物の増殖を生み、牛にとっての貴重なタンパク源となるのです。ですからルーメンの環境が悪化する、たとえばルーメンアシドーシスの場合には牛はタンパク不足に陥るのです。
ルーメンで増殖し四胃に流れる微生物の量はたんぱく質に換算すると一日5㎏にもなり、これは牛が一日に必要なタンパクのおよそ半分と言われています。では残りの半分はどうするのか?それはルーメンでは分解されないたんぱく、いわゆるバイパスたんぱくとして給与されます。これら微生物由来のたんぱく質(微生物態たんぱくと言います)とバイパスたんぱくは、前回お話しした人のタンパク消化と同様に胃と小腸でペプシンやトリプシンなどの酵素の影響を受けアミノ酸まで分解され、小腸から吸収され全身で使われるわけです。
牛は糖代謝もたんぱくの代謝も完全にルーメンに依存しているということです。
今月は以上です来月からは、ルーメンアシドーシスについてお話しします。

今月の写真は畜産ZOO鑑から拝借しました。

by とある獣医師

2015-11-13 | 1 Comment

全日本ホルスタイングランプリ2015

2015年10月23日(金)~26日(月)
全日本ホルスタイングランプリ2015が安平町早来で開催され、
(公社)日本装削蹄協会 主催
北海道牛削蹄師会 協賛
による ブース出展と削蹄のデモンストレーションを行いました。


削蹄デモンストレーションには2日間で400名の参加があり、アンケートに答えて頂いた方には『幸せをよぶ蹄鉄』がプレゼント。



多くの関係者さま、ご協力有難うございました。
多くの参加いただけた皆様、ありがとうございました。

2015-11-8 | Leave a Comment

削蹄通信Vol.10号発行しました!



お待たせしました。
年2回発行の当社削蹄通信Vol.10を発行しました。

今回も牛の情報から当社の紹介まで充実の内容です。
順次畜主様、関係機関へお渡しとなりますのでよろしくお願いします!

by RIMU

2015-10-28 | Leave a Comment

Cowcall(畜産管理システム)稚内セミナーに参加しました。

平成27年10月5日Cowcall稚内セミナーに参加しました。
一部、ご紹介させていただきます。

Cowcall・・・牛の呼びかけ。 たとえ何百頭の牛を飼育している牧場でも、そばにいる牛の一頭一頭の飼育情報や、系統情報がその場で確認できて、指一本で記録管理ができたら・・。






Cowcallとは、まさに「牛が語りかける」全頭管理システム。生産者は、スマホ片手に、牛に近寄るだけ。牛のJP番号を入力する必要はまったくありません。 近くの牛が「自動的」に画面に表示されます。

さらに乳検データの読み込み機能を装備。 牛群での個体構成や生産量、乳質分布といった牛群単位の解析情報から、個体毎の乳成分値、体細胞数、MUN値から個別解析された個体の状態表示、乳房炎注意牛一覧、成分値注意牛一覧、飼料注意牛一覧など、膨大な乳検データを解析した「群・個体毎の状態表示」を装備しています。

Cowcallをスマホにインストールして、乳検データを読み込むだけで、牧場の牛の状態は一目でわかります。 そして1頭毎にCowcallタグを装備すれば、牧場内を歩くだけで「要注意警告」「搾乳停止牛警告」など、台帳やJP番号を確認して検索するなどの手間は一切不要。 牛が自ら必要な情報をスマホに表示します。 

Anicallのシステムは、それだけではありません。 発情・分娩通知用のセンサー、心拍センサーなど、牧場管理に並行してより高精度のセンサー群を用意。 2016年からは牛のストレス度合いを測定する「ストレスセンサー」の提供も予定しています。 発情が近い牛や分娩が近い牛にのみ、追加でセンサーを装着するだけで、センサーによる検出と解析機能が追加されます。 スマホを持って、牧場内を歩くだけで、すべての個体の詳細を確認し、対処できます。

詳しい情報はこちらをご覧下さいAnicall Corporate

by Rimu

2015-10-26 | Leave a Comment

~道北護蹄会からお知らせ~

第2回フットケアミーティング開催日時が決定致しました。

浜頓別会場:11月21日(土) 11:30受付開始 12:00~14:30 浜頓別町福祉センター

名寄会場:11月29日(日)8:30受付開始 9:00~12:00 駅前プラザよろーな会議室

参加費:会員500円 非会員1000円



詳細は下のPDFデータにてご確認下さい。
申込み用紙もPDFデータにて印刷しFAXにてご連絡宜しくお願いいたします。
道北護蹄会 案内POP
道北護蹄会 申込み用紙 (会員様)
道北護蹄会 申込み用紙 (非会員様)
申込み締め切り 11月10日(火) 厳守

by RIMU

2015-10-19 | Leave a Comment

道北護蹄会 役員会議が行われました

第2回フットケアミーティング内容が話し合われました。



今後、死蹄を使った講習会も検討中です。


皆様、第2回フットケアミーティング多くのご参加お待ちしております。

by RIMU

2015-10-16 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言32

10月ですね。今年も残すところあと3カ月です。ところで、先日の爆弾低気圧はすごかったですね。私の住んでいるオホーツク海側でもものすごい暴風が吹き荒れ、牛舎などに被害が出ました。皆さんのところはどうでしたか?このように低気圧が台風のように発達するのはやはり日本海の水温が高いからだそうです。最近は水温上昇のせいで魚の生息域も変わり、本来釣れるはずの魚が釣れません。地球温暖化大丈夫でしょうか、心配になります。

では、本題です。先月までは牛の炭水化物の消化についてお話ししましたが、今月からはタンパク質についてです。炭水化物の時と同様に人と牛を比較しながら見ていきましょう。今回は人のタンパク質の消化です。タンパク質はすべての動物の体の細胞を構成している主な成分で、筋肉や内臓のみならず、爪や髪の毛までもがタンパク質で出来ています。口から摂取したタンパク質を分解して体に必要なタンパク質に再合成ために必要なアミノ酸まで分解して吸収するのがタンパク質の消化吸収です。


図 1 人のタンパク質の消化

人が摂取するタンパク質の代表と言えば肉ですが、口から入った肉はまず歯で噛みつぶしてから呑込みますが、人の唾液には肉を分解できる消化酵素は含まれておらず、口ではタンパク質は分解される事はありません。つまり口ではただちぎって物理的に細かくしているだけです。実際の消化は胃に入ってから胃酸の影響を受けてタンパク質の構造が変化することから始まります。さらに胃では胃壁からペプシンと言う消化酵素が分泌されており、これによってペプトンへ分解されます。ペプトンはさらに十二指腸へと流れ、膵臓から分泌される膵液に含まれるトリプシンや、空腸、回腸(いわゆる小腸)で腸液の中のアミノペプチターゼなどによってさらに分解され、ポリペプチド、ペプチドを経て、最終的にアミノ酸にまで分解されます。アミノ酸は小腸の絨毛から吸収され、門脈を通って肝臓、心臓を経て全身の細胞などに運ばれて利用されます。これがタンパク質の消化吸収の一連です。
では全身で利用されもさらにアミノ酸が余った場合はどうなるのでしょうか。実はアミノ酸はブドウ糖とは異なり体に蓄える事が出来ません。余ったアミノ酸は肝臓でブドウ糖へと変換されて、最終的には中性脂肪として内臓や皮下に貯蔵されることになります。これが肉を食べたほうがご飯を食べるよりも太りにくい、つまり脱炭水化物ダイエットの考え方の元になっています。同じお腹いっぱいにするなら、肉の方が脂肪に変換するのに手間がかかる分太りにくいと言う事です。逆に飢餓が続き全身のエネルギーが不足すると、今度は全身の筋肉を分解しアミノ酸を作り、さらにアミノ酸をブドウ糖に変換して全身で利用するということもできます。タンパク質と炭水化物はお互いにバランスを取りあいながら体を維持しているわけです。
今回の挿絵は食肉なんでも大図鑑から引用させていただきました。

今月は以上です。来月もお付き合いお願いします。

byとある獣医師

2015-10-9 | Leave a Comment

御神輿の担ぎ手として参加しました!

9月3日に行われた美深神社例大祭。
今年も縁がありまして、当社全スタッフが御神輿を担がせていただきました。
その様子をレポートします。











雨模様でしたが無事に練り歩くことができました。
そしてとても楽しく参加させていただきました。

by RIMU

2015-10-3 | Leave a Comment

日本装削師協会機関誌「蹄」No.251発行



日本装削蹄協会が発行する機関誌「蹄」が発行されました。
内容は平成27年度定期総会特集、米国装蹄研修特集PART1などです。

byRIMU

2015-9-24 | Leave a Comment

第22回北海道ブロック牛削蹄競技大会レポート

平成27年9月7日・8日の2日間にわたり中標津町 根釧農業試験場で開催された、第22回北海道ブロック牛削蹄競技大会。
フォトで大会の様子をお伝えします。




選手宣誓は中標津町冨田広大さんです。

































講習会が行われました。


結果発表です。










単独保定の部
優勝 北見市 佐野 正


枠場保定の部
優勝 中札内村 鳥倉 哲也


準優勝 弊社 名寄市 建部 司


単独保定の部(写真左から)
優 勝 佐野 正 (北見市)
準優勝 新 知幸(江別市)
3 位 菅原 洋充(名寄市)
4 位 東海林 優(江別市)
5 位 林 信行(北見市)

弊社菅原が3位入賞しました!
1位から5位までの選手が11月に行われる全国大会へ出場できます。

最後の写真は久津間装蹄所ブログから引用させて頂きました。

皆様お疲れ様でした
byRIMU


おまけ




2015-9-15 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言31

9月です。一年は早い物ですね。気が付いたら夏も過ぎ、実りの秋になっていました。
今年はここ宗谷では天候不順が続きあまり良い二番草が取れなかったと聞いています。これは全国的な傾向かもしれませんが、年々天候が安定しなくなってきているような気がします。せめて乾草だけでも良い物が取れるようにこれからの天候の回復を祈るばかりです。
では、本題です。
先月は人の炭水化物(デンプン)の消化吸収をお話ししましたが、今月は牛の炭水化物(デンプン)の消化吸収についてお話ししていこうと思います。前回、人の唾液にはアミラーゼと言う消化酵素が含まれていてこれが炭水化物の分解に役立っているとお話ししましたが、牛の唾液にはアミラーゼは全く含まれていません。ですから牛が何度噛み返し(反芻)をしたとしても、口では炭水化物は分解されないのです。何のために噛み返しをするのかは後々お話しするとして、牛も動物ですから体を動かすのにはブドウ糖は不可欠です。牛はどうやってブドウ糖を得ているのでしょうか。
結論から言うと、牛が体で利用するブドウ糖のほとんどは第一胃(ルーメン)内の微生物に依存しています。第29回のこのコラムでふれたのですが、ルーメンはルーメンマットとルーメン液で満たされており、そのルーメン液1ml中にはおよそ50種類一億個の細菌と、200種類200万匹も原虫が住んでいて、お互いがちょうどいいバランスの数で生存し生活することで牛の健康維持に様々な役割を果たしています。このルーメン微生物の中にはいわゆる乳酸菌と言われる微生物が多数存在します。乳酸菌は炭水化物をエネルギーとして利用し乳酸を作ります。これが乳酸発酵です。さらにルーメン微生物の中には乳酸をエネルギーとして利用する微生物も多数存在し、乳酸はプロピオン酸と言われる揮発性脂肪酸(VFA)の一種へと分解されます。このプロピオン酸こそが牛のエネルギー源となるのです。まず、プロピオン酸はルーメンの壁のひだ(絨毛)を通り抜け、そのままルーメン内の血管から血液の中に溶け、肝臓へと運ばれます。肝臓でプロピオン酸はブドウ糖に合成され、もう一度血液を介して全身へ運ばれ牛のエネルギーとして利用される訳です。ちなみに、貯蓄や利用のされ方は人の場合と同じです。もちろん、すべてブドウ糖をルーメン微生物の産生するプロピオン酸に頼っているわけではなく、人と同じように小腸からブドウ糖を吸収する経路も持ってはいますが、それは牛が使うブドウ糖の約3割に過ぎません。いかに牛にとってルーメンが大事なのかが分かるかと思います。

一見すると牛の炭水化物の消化吸収は非常に回りくどいように感じます。しかし、このシステムは牛以外が利用できない粗悪な炭水化物でも微生物の力を借り、ブドウ糖に変換できる点を考えると、非常に効率的なシステムであると言えます。
今月はここで終わりにします。来月はタンパク質の消化吸収をお話ししていこうと思っています。
またお付き合いをお願いします。


byとある獣医師

2015-9-11 | Leave a Comment

オホーツク削蹄講習会に参加して



平成27年8月26日(水)
オホーツク農業共済組合本所にて
オホーツク管内の削蹄有志開催による講習会が行われました。
酪農関係者、獣医師、削蹄師、46名が参加。、
14:00~獣医師による蹄に纏わる講義があり、16:00~死蹄による削蹄講習。
削蹄講習では、蹄の中を知ることで頷く参加者が多くみられ、大変内容のある講習に一同納得の模様でした。





photo by sugaWara

2015-9-4 | Leave a Comment

~ホルスタインの子牛の悲しい運命~

ホルスタインの子牛は生まれてくると同時に悲しい運命を突きつけられます。
雄の子牛は農家で飼われることは滅多になく、誕生後去勢・肥育され肉として市場に売り出されます。
また雌の子牛にも雄の子牛とは違う悲劇が待っています。
自然界では生まれた子牛は母牛との幸せな生活をおっくていきます。
しかし農場で生まれた雌の子牛は母牛から初乳と呼ばれる免疫抗体を含む特殊な乳を与えられたのち、母牛から引き離され木の板で囲まれた独房で暮らすことになります。

牛乳や牛肉が私たちの食卓に並ぶ過程の中でこのような悲しい事が起きています。
だから私たち人間は命の尊さや人間が生きるために食べている命に感謝する気持ちを忘れてはいけないですね!

写真素材:地域交流牧場全国連絡会
by SHUN

2015-8-29 | Leave a Comment

~名物となった仙台牛タンの歴史~

1948年(昭和23年)、仙台の焼き鳥店「太助」初代店主・佐野啓四郎 氏が、洋食料理の中で使われていた素材「牛タン」に着目し、試行錯誤を重ねた末「牛タン焼き」を考案したのが仙台牛タン焼きの始まりです。
しかし当初は物珍しさもあり、珍味として一部の愛好者や酔客が「締め」に食べる程度でした。
やがて高度経済成長期になって、他都市から仙台への転勤族や単身赴任者(仙チョン族)が増えると、 昼食時や夜の街で仙台牛タン焼きの味を知り、仙台赴任からとりわけ東京に戻ったサラリーマンの間で、口コミで広まり仙台牛タン焼きは評判になりました。
また、牛タンの高蛋白質の割に脂肪が少ないことがマスコミ等で紹介され、 ヘルシー志向の人たちのみならず国民全体に牛タンが受け入れられていき、名物として全国に知られるまでになりました。

写真素材:+iikoto
参考文献:国分町ナビ.com

byRIMU

2015-8-21 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言30

8月ですね。ここ宗谷もようやく熱くなってきてビールも美味しい時期になりました。牛にとってはこの暑さは堪えるでしょう。いくら暑くても人間以外の動物は冷たい水を好みません。特に牛はルーメンの細菌たちがびっくりしてしまうので禁物です。キンキンに冷えたビールを飲める人間に生まれて幸せを感じてしまう今日この頃です。
さて本題です。人間でも牛でも同じですが、活動のエネルギーはブドウ糖です。筋肉を動かすのも、頭で物事を考えるのもブドウ糖が必要です。そのブドウ糖がたくさん結合してできた物が炭水化物です。米やパン、パスタなどがそれにあたります。これら炭水化物を胃や腸でバラバラにして、最終的にブドウ糖にまで分解して腸で吸収することが、炭水化物の消化吸収です。一方で体を作っているのはアミノ酸です。筋肉や骨、血液など体の部品を作っているのはアミノ酸です。このアミノ酸がたくさん結合してできた物がタンパク質です。肉や魚、大豆などの豆類などがそうです。これらタンパク質をバラバラにして腸からアミノ酸として吸収することが、タンパク質の消化吸収になります。これを車で例えると、エンジンやボディーを作っているのがタンパク質、ガソリンが炭水化物と考えると分かりやすいかも知れません。とにかく、われわれ動物が生きていくためには、炭水化物とタンパク質は絶対必要不可欠な食べ物と言えます。今月からは牛の炭水化物とタンパク質の消化吸収に前胃がどのように関与し、人間の消化吸収とはどこが違うのかについてお話ししていこうと思います。


循環器病情報サービスのホームページより引用

まずは人の炭水化物の消化吸収です。基本的に人の消化の主体は体から出す酵素アミラーゼになります。酵素とは炭水化物やタンパク質の結合を分解するのに手助けをするタンパク質の一種です。口から入った炭水化物はまずは口の中で噛む事によってある程度ばらばらになります。そこで口の中の唾液に含まれる消化酵素アミラーゼによってさらに分解されます。ご飯を口の中で良く噛むと甘くなるのは、炭水化物が分解されて、糖に変わっていくためです。その後、胃に入り唾液のアミラーゼは胃酸によって活力を失いますが、胃を経て十二指腸に流れると、今度はすい臓からのアミラーゼによってブドウ糖にまで分解され、小腸の絨毛と言う襞(ひだ)から吸収され、血液に乗り全身へと運ばれていきます。運ばれたブドウ糖は全身の筋肉や脳でエネルギーとして使われ、残りは筋肉や肝臓でグリコーゲンとして蓄えられます。グリコーゲンはエネルギーとしては使いやすいのですが、あまり多くは貯蓄できないため、より貯蓄しやすい脂肪に変換され皮下や内臓に溜まります。これがいわゆる中性脂肪です。現代のような日本になる前は、一日三食はおろか一食すら危うい毎日を過ごしていたため、この余りを中性脂肪として蓄積するシステムは生き残るために非常に有意義なものでした。しかし、現在では体を動かすことなく簡単に三食食べられてしまうため、中性脂肪は利用されることなくどんどんと蓄積され、メタボリックシンドロームとなってしまうわけです。
今月はこのくらいにしておきます。来月は牛の炭水化物の消化についてお話ししていきます。
今月もお付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

2015-8-9 | Leave a Comment

2020 菅原道北削蹄所|北北海道を幅広くエリアカバーする牛削蹄所です . | Blue Weed by Blog Oh! Blog