北北海道を牛柄トラックで駆ける牛削蹄所。菅原道北削蹄所のオフィシャルサイトです。

とある獣医師の独り言48

三月になりました。日差しも日に日に暖かくなり、少しずつではありますが春を感じるような天気になってきましたね。この時期はなぜかテンションが上がります。道北地方は例年より雪が少なく、比較的楽な冬となっています。あと一か月、何とか荒れることもなく過ごせることを祈っております。もう少しで待ち遠しい春がやってきます。それでは本題です。

先月は蹄の内部の構造こそが蹄底潰瘍誘発の原因であるというところまでお話ししましたが、その続きです。蹄底潰瘍とは少し話はそれますが、今月は褥瘡の話から始めます。

今月は褥瘡の話から始めます。皆さんは褥瘡(じょくそう)という言葉はご存知でしょうか?褥瘡は人の場合は床ずれとも言われ、ロコモティブシンドロームなどで寝たきりになった人などによく見られる症状です。インターネットで“褥瘡”で検索すると目を覆いたくなるような写真が多数出てきます。それら褥瘡の写真を一見すると傷があるため何かの細菌感染の影響に思われるかも知れませんが、細菌は直接関係ありません。褥瘡の発生はかかとやひじ、お尻の尾骶骨(びていこつ)など骨が尖っていて、かつ中の筋肉や脂肪が薄い部分で多く見られます。脂肪や筋肉が薄く骨が尖っているような場所は、長期間にわたって体重がかかり組織が圧迫されると、血液の流れが悪くなりやすい傾向があります。血液が途絶え、栄養が得られなくなった筋肉や皮膚は壊死(えし)を起こします。壊死を起こした部分は脱落することで褥瘡の発生となるのです(図1)。


図1 床ずれの模式図


写真1 飛節の褥瘡


写真2 大腿部の褥瘡

ですから褥瘡は圧迫による血行障害によって起こる、組織の無菌的壊死と言えます。余談ですが、笑点で長く司会を務めていた歌丸師匠が体調不良で入院しているときに褥瘡に苦しんだそうですが、彼は異常に痩せているため筋肉や脂肪が少なく、普通の人よりも褥瘡になり易かったのだと思います。痩せすぎというのも考え物ですね。
話を牛に戻しますが、もちろん牛にも褥瘡はあります。写真1は飛節の写真2は大腿部の褥瘡です。これらの牛は蹄が悪く寝てばかりいたため飛節や股関節に褥瘡ができてしまいました。牛の場合も回りよりも骨が飛び出ているような飛節や股関節の周囲部によく見られます。
なぜ、ここで褥瘡の話をしたかというと、蹄底潰瘍は褥瘡と発生の仕方が非常に酷似しているからです。蹄底潰瘍は細菌感染による蹄病だと勘違いしている人が良くいます。私も恥ずかしながら、つい数年前まで勘違いしていたうちの一人です。診療中に蹄底潰瘍を見つけた際に、『何か尖った石でも踏んだんだね。』と言う畜主さんに、『そうですね。』と答えていました。確かに何かを踏むことによって蹄に炎症や化膿ができる蹄病もあります。しかし、それは化膿性蹄皮炎(かのうせいていひえん)という別の蹄病です。蹄底潰瘍は血行障害によって起こる蹄真皮の壊死による蹄病です。その血行障害がなぜ起こるのかについてはまた来月お話しします。

byとある獣医師

2017-3-18 | Leave a Comment

九度山祭 雪合戦に参加しました

平成29年3月4(土) 名寄ピヤシリスキー場で九度山祭 雪合戦が行われ参加しました。

結果は入賞とはなりませんでしたが、楽しく参加させていただきました。








Canon EOS Kiss X2
photo by ryota

2017-3-6 | Leave a Comment

チーズの種類



チーズは製法により、大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズがあります。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱溶融して、いろんな形に固めたもので、保存性もよく、一定の味が楽しめます。ナチュラルチーズは、乳酸菌が生きていて、いろいろな製法により、バラエティ豊かなチーズがあり、それぞれの風味が、熟度によっても楽しめます。

1.フレッシュタイプ
一般的には、熟成させずに、原料乳を乳酸発酵させたり、凝乳酵素(レンネット)を加えて脱水したものです。
ヨーグルトとも似ていますが、違いは乳清(ホエー) を漉すことです。
代表するチーズ:フロマージュブラン、カッテージチーズ、リコッタ、モツァレラなど。

2.白カビタイプ (軟質)
白いカビの表皮を持つチーズです。ミルクを凝乳酵素で固めチーズに加塩した後、白カビを吹き付けて(ミルクに白カビ菌をさきに入れる場合もあります)熟成していきます。
白カビがタンパク質をアミノ酸に変える働きでチーズの熟成を促して味わいを深めていきます。
代表するチーズ:カマンベール、ブリ・ド・モー、クロミエなど。

3.青カビタイプ (軟質、半硬質)
ブルーチーズは最初にミルクに青カビを混ぜ込んだり、型詰めのときに植えつけて熟成させます。ピリっとした塩味と独特の香りがあります。
代表するチーズ:ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、ブルースティルトンなど。

4.ウォッシュタイプ (軟質)
チーズを熟成させる際、チーズの表面を塩水やその土地によってアルコールで洗うことから「ウォッシュ」と呼ばれ、ウオッシュしたやわらかめの チーズをいいます。熟成が進むにつれ、表皮はねっとりと茶褐色 になり、特有の強い香りを放ちますが中はクリーミーで濃厚です。
代表するチーズ:エポワス、マンステール、ポン・レベック、タレジョなど。

5.山羊・羊 (シェーブル & ブルビ) タイプ (軟質、半硬質)
シェーブルとは山羊乳で作られるチーズです。中には乾燥を防ぐために灰をまぶしたのもあります。色は白く、酸味があります。 熟成するにつれ、ほっこりとし、しっかりとした濃厚なお味になります。ブルビは羊乳タイプのチ-ズです。シェーブルよりクセが少なく、まろやかな味になります。
代表するチーズ:サントモール、クロタン・ド・シャヴィニョルなど

7.ハード (加熱圧搾) タイプ (硬質、超硬質 水分40%以下)
最も長期保存がきく大型チーズです。カード(凝乳)を加熱し、細かくカットすることで水分がさらに抜けさらに強く圧搾したもので、水分量が非常に少ないです。
長い熟成期間にしっかりと旨味がつまり、深みのある味わいになります。
代表するチーズ:コンテ、グラナ、パルミジャーノ・レジャーノなど。

参考文献:世界チーズ商会株式会社
写真素材:ゆんフリー写真素材集

2017-3-4 | Leave a Comment

牛乳の種類



・成分無調整と成分調整牛乳の違いって?
成分無調整とは、読んで字のごとく製造工程で成分を調整していないもの。いわゆる牛乳はすべて「成分無調整」です。一方、平成15年に食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(以下、乳等省令)が改正され、<種類別>成分調整牛乳が新設されました。成分調整牛乳とは、生乳から水分、脂肪分、ミネラルなど、乳成分の一部をとりのぞいて、成分を調整した牛乳のこと。無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪分と水分をのぞいた成分)は8.0%以上と決められています。乳脂肪分の規定はありませんが、市販されているものは1.5 %を超えるものとなっています。

・成分調整牛乳の仲間は?
遠心分離によって脂肪の一部を除去し、牛乳よりも脂肪を抑えたものや、水分の一部を除去し、牛乳より成分が濃厚なものなどがあります。

低脂肪タイプ:脱脂粉乳などを加えて、脂肪分を少なくしたタイプです。一般的に、乳脂肪分は1.0〜1.5%、無脂乳固形分8.5〜10.0%のものが多いようです。牛乳よりも低エネルギーですが、脱脂粉乳などを加えているので、たんぱく質やカルシウムは多く含まれています。「脂肪は少なく、カルシウムはしっかり摂りたい」という方にぴったりです。

濃厚タイプ:生乳に濃縮乳、クリーム、バターなどを加えたものです。脂肪、たんぱく質、カルシウムなどの各成分も多いので栄養価も高く、風味も濃厚です。乳脂肪分は4.0〜4.6%、無脂乳固形分8.5〜10.5%のものが一般的。「コクのある牛乳が好き!」という方におすすめです。

乳製品以外のものが入れば乳飲料
牛乳に、乳製品以外のミネラル、ビタミン、コーヒー、果汁などを加えた飲み物のことです。「乳等省令」による成分の規定はありませんが、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によって、「乳固形分を3.0%以上含むこと」と決められています。ちなみに牛乳の乳固形分は約12%。乳飲料には、これと同程度のものから1/4くらいのものまであり、次の三つに分類にされます。

栄養強化タイプ:カルシウムを加えたものが多いようです。また鉄、ビタミンD、E、食物繊維、オリゴ糖など、本来は牛乳に含まれていないもの、または少ない成分を加えたものもあります。たんぱく質は牛乳よりも多く、脂肪は少ないものが主流です。

し好タイプ:コーヒー、果汁、甘味などを加えたもの。カフェラテ、ミルクティ、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳などがこの仲間です。

乳糖分解タイプ:日本人には、牛乳を飲むと「おなかがゴロゴロする」という人が多いといわれています。その原因である、乳糖の一部を酵素で分解した、おなかにやさしい乳飲料です。乳糖がグルコース(ぶどう糖)に分解されるので、甘味があります。


参考文献:株式会社 明治
写真素材:GATAG フリー素材集 壱

by RIMU

2017-2-25 | Leave a Comment

牛乳のもつ不思議な働き



ミネラル・キャッチャーとは、牛乳の含まれているカゼインが分解されてできる、カゼインホスホペプチドのこと。カゼインホスホペプチドには、ミネラルと結びつき、その吸収率を高めるという興味深い働きがあります。

牛乳のたんぱく質であるカゼインは、体内で分解されるとカゼインホスホペプチド(CPP)という物質を生成します。カゼインホスホペプチドは、牛乳のみならず、ほかの食品に含まれるミネラルとも結びつきやすく、その結果、ミネラルの吸収率を高める働きをします。
鉄分は、赤身の肉やレバー、大豆、プルーンなどの食品に多く含まれていますが、吸収率がよくありません(動物性食品のヘム鉄で20%程度、植物性食品の非ヘム鉄では数%)。

しかし、牛乳と一緒にそうした食品をとると、カゼインホスホペプチドの働きによって、鉄分の吸収率が高まります。牛乳そのものには鉄分がほとんど含まれていませんが、ほかの食品の鉄分吸収を助ける不思議ともいえる働きをするのです。
カゼインホスホペプチドは、鉄分にかぎらず、多くのミネラルと結びついて吸収を助ける働きをするので、「ミネラル・キャッチャー」とも呼ばれているみたいです。

参考文献:株式会社 明治
写真素材:素材のプチッチ

by RIMU

2017-2-18 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言47


二月になりました。今年はいつもの年よりかなり早く一月下旬に流氷がやってきました。紋別や網走よりも早く稚内の宗谷岬に接岸したそうです。これは観測史上初の事態だそうで、これも異常気象の一つなのかもしれませんね。流氷は様々なプランクトンや栄養素を氷漬けにして北海道まで運んでくるため、オホーツク海を豊かにしてくれると言われています。しかし、流氷の上を渡ってくる風は非常に冷たく、また海が氷で閉ざされることにより、内陸的な気候になることで朝晩の冷え込みが厳しくなります。ますます外に出るのが億劫になってしまいます。まだ二月ですが春が待ち遠しいです。では本題です。
先月は蹄底潰瘍の原因は蹄の構造によるという話までしましたが、その続きからです。
いわゆる蹄(ひづめ)は外側の蹄壁と底の部分にあたる蹄底、そして蹄壁と蹄底をつなげている白線によって構成されています。蹄壁は我々人間でいうところの爪にあたり、皮膚と蹄壁の境目の蹄縁角皮という部分で作られます。一方で蹄底は人で言えば指の腹の皮が非常に固く肥厚したもので、蹄底の内側にある蹄真皮という部分で作られます。そして、蹄壁と蹄底を強固に結合している部分が白線になります。
さらに蹄の内部を見ると、大まかに蹄骨と呼ばれる骨と伸腱(しんけん)と深屈腱(しんくっけん)と呼ばれる二本の腱、さらに蹄球枕(ていきゅうちん)で構成されています。伸腱は蹄を伸ばすための腱、屈腱は蹄を曲げるための腱です。我々が指を伸ばしたり曲げたりするのをイメージすると分かり易いと思います。そして、蹄球枕は蹄骨や蹄真皮を床からの衝撃から守るクッションの役割をします。図を見ると分かるように、蹄骨は蹄の前方は蹄葉を介して蹄壁に付着しているものの、後方はどこともくっついてはいません。蹄骨の後方は腱の付着部(図の赤〇)で深屈腱に釣り上げられながら、蹄球枕に浮いているような状態です。この不安定な蹄の内部構造が牛の蹄底潰瘍の誘発の最大の要因になっているのですが、この続きは次回にお話しします。
お付き合いありがとうございました。


蹄の構造(フットケアガイドより引用)


蹄の内部構造(フットケアガイドから引用 一部変更)

by とある獣医師



2017-2-10 | Leave a Comment

カルシウムをとるなら・・・・・


牛乳は、ほかの食品と比較すると、カルシウムの消化吸収率が高く、効率良くカルシウムをとることができます。チーズなどの乳製品もカルシウムが豊富です。

カルシウムは、もともと吸収されにくい栄養素です。カルシウムを豊富に含む食品について消化吸収率を比較すると、牛乳40%、小魚33%、野菜19%となっていて、牛乳がもっとも優れています。牛乳に含まれるカゼインや乳糖には、カルシウムの吸収を助ける働きがあることが、消化吸収率の高い理由の1つと考えられています。

また、牛乳にはミネラルの1つ、リンが含まれています。丈夫な骨をつくるには、カルシウムとリンの比率が重要ですが、牛乳には理想的とされる2〜1:1の比率で含まれていることも、牛乳の優れた点です。
そしてもう1点、カルシウムは体内でつくることができないので、毎日の食事から継続して摂取する必要があります。牛乳や乳製品は、そのままでも、また調理をしても食べることができるので、簡便かつ効率良くカルシウムを摂取するのに最適です。

ちなみにヨーグルトやチーズなどの乳製品では、発酵過程でカルシウムが乳酸と結合することで、より消化吸収率が高くなります。また、100g当たりのカルシウムの量も牛乳の約100mgに対して、ヨーグルトには110〜130mg、プロセスチーズでは630mgも含まれているそうです。

参考文献:株式会社 明治
写真素材:GATAG|フリー素材集 壱

byRIMU 

2017-1-29 | Leave a Comment

牛乳はビタミンも豊富


牛乳には、ビタミンCは少ないものの、そのほかのほとんどのビタミン(脂溶性ビタミンのA、D、E、K。水溶性ビタミンのB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、B12など)が含まれています。
とくに豊富なのが、ビタミンA(レチノール)とB2です。

ビタミンAは、活性酸素の発生を抑え、細胞の老化を防ぐ働きがあり、アンチ・エイジングには欠かせないビタミン。不足すると、視力の低下や肌のかさつき、抜け毛などが起こりやすくなります。また、ビタミンAには、免疫機能を高め、感染症などを予防する働きがあることもわかっています。

もう1つのビタミンB2には、細胞の再生や脂質などの代謝を促進する働きがあります。皮ふや髪、肌などを健康的に保つ「美容ビタミン」として知られています。また、脂質をエネルギーに変換するので、脂肪分の多い食事を好む人や、肥満の予防・解消には不可欠のビタミンです。

ビタミンAとB2は、レバーやウナギなどに多く含まれています。しかし、毎日続けて摂取することを考えると、手軽に飲むことができる牛乳はとても身近な補給源だといえます。

また、ビタミンは単独で働くほかに、数種類の相互作用によってより高い機能を発揮します。多くのビタミンを含む牛乳は、この点でも優れた食品だそうです。

参考文献:株式会社 明治
写真素材:ピクト缶

by RIMU

2017-1-22 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言46

新年あけましておめでとうございます。今年も蹄と餌の話を中心に分かり易く楽しいコラムを目指していきますので、フットケアミーティングと共によろしくお願いします。
今月からはSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)が巻き起こす蹄病、蹄底潰瘍です。

蹄底潰瘍とは

牛の蹄病でよく聞く病名ではありますが、蹄底は蹄(ひづめ)の底ですからわかるとは思いますが、潰瘍とは何でしょうか?漢字の意味的には
潰:つぶれる、崩れる
瘍:傷、できもの
つまりは体の一部が崩れてできた傷という意味です。一般に潰瘍は皮膚や粘膜よりも深くできた傷のことを言います。逆に傷が皮膚や粘膜など浅い部分に限局している場合は糜爛(びらん)と言います。
日常よく耳にする潰瘍には胃潰瘍、十二指腸潰瘍、角膜潰瘍などがありますが、患った方もいらっしゃるかと思いますがいずれも強烈な痛みを伴います。
潰瘍のできる原因は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の場合には、胃酸過多・胃や腸を守る粘液不足・ピロリ菌感染による胃粘膜の損傷などが言われています。牛にも四胃潰瘍や十二指腸潰瘍は時折見かけられ、四胃変位の手術の時に潰瘍がある牛に出会うこともあります。牛のピロリ菌感染というのは聞いた事がありません。原因は分娩時や餌や環境の変化によるストレスが原因とされています。


ピンクアイに罹患した牛

一方で角膜潰瘍は細菌感染が原因とされています。牛でみられる角膜潰瘍と言えばピンクアイです。牛は写真のよう黒目が白く濁り涙を流し続けます。放牧牛に多いことから発見が遅れ失明することもしばしばあります。原因はモラキセラボビスという細菌をハエやアブが伝播することです。治療としては抗生物質(乳房炎軟膏)の点眼が一般的ですが、モラキセラボビスは大腸菌の仲間ですのでペニシリンは効果がありませんので注意してください。余談ではありますが、先日私も角膜潰瘍を患いました。まぶしさで目が開けていられずまた閉じていてもチクチクと刺すような痛みが眼球に起こり、牛の辛さが少しは理解できました(笑)。もちろん牛ではないのでモラキセラボビスの感染ではなく、コンタクトとの間に挟まったほこりによる眼球の傷に細菌感染が起こったためでした。皆さんもコンタクトの扱いには注意しましょう。
話が蹄の話から大きく横にそれてしまいましたが、では、蹄底潰瘍はどうでしょうか?結論だけ言いますと、同じ潰瘍でも胃潰瘍や角膜潰瘍とは全く原因が異なります。問題は蹄の構造にあります。
続きは次回に今月は以上です。
お付き合いありがとうございました。

by とある獣医師

2017-1-14 | Leave a Comment

新年のご挨拶

関係各位

~謹賀新年~
昨年も格別 の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。
本年もスタッフ一同、皆様にご満足頂けるサービスを、畜牛には快適で安心できる削蹄を心がける所存でございますので、
何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、お願い申し上げます。
皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り致します。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

平成29年 元旦


株式会社 菅原道北削蹄所 菅原洋充 

2017-1-1 | 2 Comments

上田削蹄師、冬の北海道上陸

12月6日~14日まで上田指導級にお手伝いいただきました。
過酷な冬の北海道での削蹄、忙しい中有難うございました。
そんな中でのヒトコマ



photo by sugaWara

2016-12-19 | 3 Comments

とある獣医師の独り言45



12月になってしまいました。フットケアミーティングの準備を言い訳にこのコラムを一か月さぼってしまいました。申し訳ありません。今月からまた一か月に一度更新できるように頑張っていきますので、お付き合いお願いします。
さて今月からは削蹄所のホームページにふさわしく、SARA(亜急性ルーメンアシドーシス)が引き起こす蹄への悪影響についてお話しします。蹄の疾患は様々ありますが、どの蹄病にも多かれ少なかれSARAは影響を与えます。その理由として考えられることは、1、栄養失調になること。2、ルーメン微生物の死滅による血行障害が起こること。3、ルーメン微生物のバランスが崩れること。4、軟便(下痢)になることがあげられます。

◎蹄に対するSARAが及ぼす悪影響

1、栄養失調
正常な牛はルーメンに生命維持に必要なエネルギー(ブドウ糖)の約70%とたんぱく質の約50%を依存しています。蹄を構成している主成分はたんぱく質であり、蹄を生成するための細胞分裂に必要なエネルギーはブドウ糖であることから、SARAになればまともな蹄を形成できなくなり、蹄疾患へとつながります。 

2、ルーメン微生物の死滅による血行障害
SARAはルーメン内が酸性化することにより、酸に弱い菌が大量に死滅します。死亡する菌の中には大腸菌の仲間も存在するために、血液中にエンドトキシンと言われる毒素が流出します。この毒素の特徴は血管を詰まらせることで血液の流れを阻害します。血液が流れなくなれば、蹄でまともな角質が作られることはなくなり、蹄疾患へとつながります。

3、ルーメン微生物のバランスが崩れる事
ルーメン内で酸に弱い菌が死滅し続けると、酸に強い乳酸産生菌:ストレプトコッカスボビス(レンサ球菌の一種)が増えていきます。この菌は大腸菌の仲間とは違いエンドトキシンは産生しませんが、エキソトキシンという別な毒素を産生します。難しい話は置いておいて、この毒素は角質と真皮の結合を破壊します。破壊された部分は出血を起こすことで様々な蹄病を引き起こします。

4、軟便(下痢)を起こす
SARAは消化管内で腸管を刺激するために下痢を引き起こします。牛群全体が下痢をすれば牛床は糞でドロドロとなり、蹄は水を吸い柔らかくなります。柔らかくなった角質では牛は正しく体重を支えることができず、蹄病の発生を招きます。さらにSARAの牛の便からPDDの菌が検出されたという報告もあります。ですから、SARAはPDDの蔓延にも大いに影響します。
このようにSARAと蹄病は密接な関係があることはわかっていただけると思います。
今月は以上です。来月から蹄の構造と蹄病の発生原因のおさらいをしながらSARAとの関係を見ていきたいと思います。
今月もお付き合いありがとうございました。

by とある獣医師

2016-12-19 | Leave a Comment

第58回全国牛削蹄競技大会

平成28年11月10日(木)茨城県水戸市鯉淵学園農業栄養専門学校様で
第58回全国牛削蹄競技大会が開催されました。

競技大会の成績は以下のとおりです。

『総合順位』
最優秀賞
武藤 稔貴(福島県装削蹄師会)

優秀賞
小川 和孝(鳥取県削蹄師会)

第3位
高田 和弘(北海道牛削蹄師会)

『 部門賞』
判断競技 優賞
小川 和孝(鳥取県削蹄師会)

牛削蹄競技 優賞
武藤 稔貴(福島県装削蹄師会)











選手はじめ関係者の皆様、大変お疲れ様でした。
by RIMU

2016-12-5 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言44



いつの間にか10月です。今年も残り3か月となってしまいました。地球温暖化の影響なのか異常気象なのかわかりませんが、ついこの前やっと暖かくなったと思ったらもう冬の便りが届きました。稚内で初雪が降ったそうです。平年より15日も早く去年よりも18日も早いそうです。温暖化なら寒いのくらいはゆっくり来てくれればいいのにと思ってしまうのは私だけでしょうか。

本題です。今月はSARAが原因で起こる病気、第四胃変位です。

◎第四胃変位
第四胃変位(DAと略します)は第四胃が正常な位置(おなかの真下 へその少し前位)から右側もしくは左側へ移動してしまうことで、消化に影響をきたす病気です。発見が遅れると四胃が捻じれ、死亡することもあります。酪農家なら誰しも一度は経験する、乳牛の職業病ともいえる病気です。
DAは第四胃の弛緩(しかん 収縮できずに緩むこと)と四胃運動の抑制により四胃内にガスがたまることが直接の原因とされています。その四胃の弛緩や運動抑制の原因は様々あり、乳熱による低カルシウムや子宮炎も原因の一つと言われていますが、いまだにはっきりと解明はされていません。その中でSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)も重要な発生原因の一つとされています。

1、VFAや乳酸による影響
SARAの条件下ではVFA(揮発性脂肪酸、プロピオン酸や酢酸)や乳酸が大量に発生します。これら酸性物質を希釈するためにルーメン内には大量の水が入り込むことで、ルーメンの内容物は水っぽくなります。さらに元々SARA下ではセンイが不足している(ルーメンマットが出来ない)こともこの状態に拍車をかけます。この水分過多となったルーメン内容物はルーメン内でとどまることができないため、高濃度のVFA、乳酸を含んだ状態で四胃に流れ込みます。これらの酸が四胃の運動を抑制することでDA発症の原因になります。

2、エンドトキシンの影響
SARA下ではルーメン微生物が死滅することでエンドトキシンが産生されるということはお話ししてきましたが、このエンドトキシンも腸管すべての運動を抑制する作用があるため、四胃にも作用しDAの発生原因になります。子宮炎原因菌は大腸菌であることが多いため、子宮炎とDAを併発していることがよく見られるのはこのせいかもしれません。
 
四胃にガスがたまったからと言ってすべてがDAを発生するわけではありません。発症するにはガスが張ってほかの臓器より軽くなった四胃が入り込むスペースがお腹の中にあるかどうかで決まります。ですから、出産によってお腹に隙間ができる分娩後や、食欲不振に陥ってルーメンが小さくなる事で隙間できるケトーシスや乳房炎はDAの発症に注意が必要です。

今月は以上です。お付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

2016-11-1 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言43

九月になりました。暑い夏も台風と長雨で一気に秋の空気に変わってしまいました。ここからは一気に日が短くなり、寒くなる一方でなんだか寂しい感じになるのであまり好きな季節ではありません。実りの秋なので食べ物がおいしくなるのは良いですけどね。釣りにもいい時期になりますし。
本題です。今月もSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)によってルーメン微生物が死亡することで引き起こされる病気の続きです。

◎繁殖障害
今までこのコラムではSARAになると、エネルギー不足とタンパク不足により栄養失調となることは何度もお話ししてきました。栄養失調の状態になると牛はまず先に自分の生命維持のためにエネルギーを使います。そして生命維持に使って残ったエネルギーを自分の子供のための牛乳を作る泌乳のエネルギーとして、それでもエネルギーが残っていて初めて子孫を残すために繁殖(発情)へとエネルギーを回すそうです。ですからSARAの状況下では繁殖障害になるのは当たり前と言ってしまえばそうなのですが、ルーメン微生物の死滅によるエンドトキシンによってさらに繁殖に悪影響を与えます。今回はそのお話しです。エンドトキシンは血液に取り込まれることによって様々な臓器に行くことはお話ししましたが、卵巣も例外ではありません。

写真1 牛の卵巣 下の写真には4個の卵胞がある

1、卵胞機能への影響
 卵巣の中には複数の卵胞があり卵胞液と一つの卵子が入っています。その卵胞液が発情や受胎に重要なホルモン、エストロジェンとプロジェステロンを分泌します。卵巣に到達したエンドトキシンはこれらのホルモンのバランスを崩すことよって発情を起こさないように働きます(鈍性発情あるいは無発情)。
2、卵子への影響
 卵子は卵胞の中で成熟することにより排卵し、授精によって子宮内で精子と結合することにより受精卵となります。しかし、卵巣内に入り込んだエンドトキシンは卵子を授精できるように成熟させるのを阻害します。つまりはエンドトキシンがあると卵子は成熟できなくなり、排卵できるような卵子に成熟できなくなるのです(卵子の発育障害)。
さらに受精卵は子宮から栄養を得るための栄養膜と呼ばれるものを伸ばすことで子宮に着床し核分裂を繰り返し胎児へと成長していきますが、ところがエンドトキシンは栄養膜を作るのを阻害することで着床にも悪影響を与えます(受精卵の着床障害)。

もちろんエンドトキシンSARAの時だけ出るものではありません。大腸菌性の乳房炎や産褥性の子宮炎の場合にはSARAの場合よりも多くのエンドトキシンが産生されます。エンドトキシンの量が多ければ多いほど繁殖に悪影響を与えるのは間違えありません。みなさんも経験があるかと思いますが、乳房炎や子宮蓄膿症に罹った牛はその後受胎が悪いのはこの影響もあるようです。エンドトキシンは怖いですね。
今月は以上です。お付き合いありがとうございました。


byとある獣医師

2016-9-25 | Leave a Comment

第23回北海道ブロック牛削蹄競技大会レポート

平成28年9月5日・6日の2日間にわたり帯広市 帯広畜産大学で開催された、第23回北海道ブロック牛削蹄競技大会。
フォトで大会の様子をお伝えします。





大会1日目は削蹄判断研修です。






削蹄研修を終えた後、交流会が行われました。










2日目は牛削蹄競技大会開催です。






































講習会が行われました。


いよいよ結果発表です。






単独保定の部
優勝 北見市 小林 優斗


枠場保定の部
優勝 士別市 渡辺 祐太


単独保定の部(写真左から)
優 勝 小林 優斗 (北見市)
準優勝 新 知幸(江別市)
3 位 高田 和弘(北見市)
4 位 渡部 晃大(七飯町)



最後に各部門優勝者の記念撮影です。
本当におめでとうございます!

by RIMU

2016-9-15 | Leave a Comment

御神輿の担ぎ手として参加しました!

9月3日に行われた美深神社例大祭。
今年も縁がありまして、当社全スタッフが御神輿を担がせていただきました。
その様子をレポートします。













無事に練り歩くことができました。
そしてとても楽しく参加させていただきました。

by Rimu

2016-9-12 | Leave a Comment

道北田島会&懇親会in名寄

平成28年8月13日(土)名寄市「なよろ健康の森」にて道北田島会を開催させていただきました♪
今年は、田島先生の奥様も御招きしパークゴルフ大会を開催しました。
一部ではございますが、ご紹介させていただきます。



田島先生の奥様


兵庫からお越しくださった当社、松原のお母様










宗谷地区NOSAI中部支所 塚田先生にもご参加いただきました。


結果発表です。
今回、3チームに分れパークゴルフを開催しました。
入賞者には豪華景品を用意しました。
優勝
当社、萩野、渡辺、田島先生の奥様でした。






田島先生からの超豪華景品♪




綿あめ職人の亮ちん




親睦会会長の締めの挨拶




byRIMU

2016-8-31 | Leave a Comment

とある獣医師の独り言42


8月です。ここ道北のオホーツク海側にしては異常な蒸し暑さが続いています。今年は暑い夏になるとアメリカ航空宇宙局(NASA)が発表したそうです。数年続いていたエルニーニョ現象が終息してラニーニャ現象が起きているそうです。ペルー沖の海水温が上がるのがエルニーニョ、下がるのがラニーニャだそうですが、ペルー沖の温度がなぜ日本に影響するのかは私には理解できませんが、暑い夏は個人的には大歓迎です。牛さんにはちょっと過酷かもし得ませんが、宗谷の暑さはそんなには長くは続かないはず。少しの間だけ我慢していただきましょう。それでは本題です。
数回にわたりSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)が起こす病気について書いてきました。前回まではSARAが直接起こす病気についてお話ししましたが、他にもルーメン微生物が死滅することで発生しやすくなる病気もあります。今月からはそちらをお話ししていきます。

◎乳房炎
皆さんもご存じだとは思いますが、乳房炎は通常は乳頭口から細菌が侵入することにより乳房内で細菌が増殖し、乳房に炎症を起こす病気ですが、SARAの場合には別の要因で乳房炎が起こります。SARAによって過剰に作られた乳酸で酸性化したルーメン内では多数の微生物が死滅していきます。その死滅する微生物の中には大腸菌の仲間もたくさんいます。この大腸菌の仲間が持っている毒素をエンドトキシンと言います。死ぬ(エンド)と出る毒(トキシン)なのでエンドトキシンと呼ばれています。酪農家の方なら大腸菌の乳房炎は少なくとも一度は経験しているでしょうから、その毒素の強さはご存知でしょう。そのエンドトキシンはルーメンを出て、腸から吸収され血液に乗ります。エンドトキシンの毒性は末梢の血管に血栓(血の塊)を作ることによって血液を遮断することにあります。血液を遮断された臓器は栄養を得ることができなくなり、正常な働きをすることができなくなり部分的に壊死(えし)します。もちろんエンドトキシンは血液に乗り全身にめぐるので様々な臓器に影響を与えますが、乳房炎に関与する臓器は乳房と肝臓になります。

1.乳房への影響
エンドトキシンは乳房へ流れ、牛乳を作る乳腺細胞を破壊することで、牛乳中の体細胞の上昇を起こします。壊死した乳腺細胞では正常な牛乳を作ることができないため、体細胞が上昇してしまうのです。もし細菌検査をしても細菌が検出されないような場合は、SARAによる乳房炎の可能性があります。

2.肝臓への影響
もう一つはエンドトキシンが肝臓の細胞を破壊することで免疫機能が低下するために乳房の細菌感染を防御できなくなる場合です。肝膿瘍のところでもお話ししましたが、肝臓には大きく3つの役割があります。一つは代謝(摂取した栄養を体で利用できるようにする)、二つ目は胆汁(脂肪やたんぱく質の消化に関わる消化液)の排出、そして三つめは解毒になります。ウイルスや細菌の毒素、体内でできたアンモニアや摂取した毒物を無毒化することを解毒と言いますが、その役割を担っているのが肝臓です。また様々な免疫に関わるたんぱく質を作っているのも肝臓ですから肝機能が低下すると侵入してきたバイ菌に抵抗することができなくなり、乳房炎のリスクが高まります。もちろん乳房炎だけではなくあらゆる感染症に弱くなるため、肺炎に罹る牛も増えます。
さらに肝臓へのエンドトキシンの流入は肝臓の他の役割でもある代謝の低下や胆汁の排出の低下も招き、最終的には牛は栄養失調に陥ることでさらに病状は悪化していきます。

SARAの状態はルーメンで常にエンドトキシンがつくられ、それが体に吸収され続けるということですから、慢性の大腸菌性入乳房炎が起きているのと同じ状況です。絶対に避けるべき飼養管理だと思います。今月は以上です。
お付き合いありがとうございました。

byとある獣医師

2016-8-8 | Leave a Comment

第19回護蹄研究会 & 千葉県での削蹄

6月25日~26日(日)東京大学農学部にて
2016年度第19回護蹄研究会シンポジウムに参加してきました。


左、武田削蹄師   右、塚田獣医師と

2016.06.27~成田空港近くの牧場で上田指導級のお手伝いさせて頂きました。

現場終了後、成田山に


お世話になりました。
photo by sugaWara

2016-7-19 | 1 Comment

2019 菅原道北削蹄所|北北海道を幅広くエリアカバーする牛削蹄所です . | Blue Weed by Blog Oh! Blog